「致知一日一言」よりです。
(転載開始)
「致知一日一言」読者の皆様
いつもお読みいただき、誠にありがとうございます。
開催を来年に控えるロンドン・パラリンピックで注目を集める一人の日本人選手がいます。
車椅子マラソン選手・土田和歌子さん。高校2年生の時、突然の交通事故で車椅子生活に…。
その後スポーツに目覚め、数々の世界大会で優勝。ロンドンでは5000mとフルマラソンでの二冠が期待されています。
『致知』11月号では、そんな土田さんに競技人生に懸ける思いをお話しいただいています。
一見不運と思われる出来事をどう乗り越え、運命を好転させていったのか。
* * *
私はここ数年、「何のために自分は走っているのか」を強く意識するようになりました。
それは、ただ勝ちたいというよりも一種の使命感のようなものだと思っています。
特にそれを感じたのが今年4月のボストンマラソンでした。
その前月、東日本大震災があって、私自身も大変心を痛めたんですけれども、自分に何ができるかを考えた時、それはやはり走ること以外にないと思ったんです。
いま振り返っても不思議なのですが、スタートラインに立った瞬間から、自分以外の何かから力をいただいているような感覚がありました。
競技中、とても苦しい中で「たとえ腕がちぎれても走るんだ」という気持ちが湧いてきたのは、日本に対して何かのメッセージを伝えたいという願いがあったからだと思います。
そして驚いたことに、ゴールを切った時、16年間破られることのなかった世界記録を更新していたんですね。
この結果は日本だけでなく海外からも大きな称賛を浴び「ありがとう」という声もたくさんいただきました。
私は今年37歳で、車椅子になる前より、障害者となってからの年月を長く生きているんです。
もしあの時事故に遭っていなかったら、いままで築き上げたアスリートとしての立場はきっとなかったと思いますし、強い使命感に燃えることもなかったでしょう。
生きていると誰だっていろんなことがあります。その時、ドッと落ち込んだとしても、どん底はいつまでも続かない。
むしろその時が人生を開花させるチャンスなんです。
……さらに詳しくは『致知』11月号40ページで!
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(転載以上)
土田さんのこの話を読んでいて、感動とともに、とても不思議な感覚を味わいました。
このエピソードには、運命を好転させる秘密のカギが隠されているように思います。
“「何のために自分は走っているのか」ということを強く意識する”とは、自分の天命、その役割を意識するということですよね。
その時に大切なことは、自分という視点から離れて、他の方々のために自分が出来ることはなにか、と考えて見ること。
そうして、自分なりに一生懸命考えた上で、
“自分に何ができるかを考えた時、それはやはり走ること以外にないと思ったんです。”
この揺ぎのない確信が生まれた瞬間から、どんどんいい流れになって行ったのだと思います。
“いま振り返っても不思議なのですが、スタートラインに立った瞬間から、自分以外の何かから力をいただいているような感覚がありました。
競技中、とても苦しい中で「たとえ腕がちぎれても走るんだ」という気持ちが湧いてきたのは、日本に対して何かのメッセージを伝えたいという願いがあったからだと思います。”
そしてその結果、16年間破られることのなかった世界記録を更新されたのですね。
他の方々のためにと思って必死に取り組んだら、それが最良の形で土田さんご本人に戻って来たのです。
なでしこジャパンの活躍も思い出されるエピソードですね。
“幸運”ではあったのかも知れませんが、それらは決して“偶然”ではなかったのですね。
“生きていると誰だっていろんなことがあります。その時、ドッと落ち込んだとしても、どん底はいつまでも続かない。
むしろその時が人生を開花させるチャンスなんです。”
どん底から人生の開花を経験された方の、素晴らしい言葉ですね。