致知出版社よりお送り頂いている「人間力メルマガ」よりです。
(転載開始)
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致知出版社の「人間力メルマガ」
【2011/10/18】 致知出版社編集部 発行
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このメールマガジンでは、
人間学を学ぶ月刊誌『致知』より
そのエッセンスの一部をご紹介しています。
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現在発行中の『致知』11月号では、
一代で一兆円企業を築き上げた京セラ・稲盛和夫氏を、
創業メンバーの一人として支え続けてきた伊藤謙介氏の
インタビュー記事が掲載されています。
本日はその中から、伊藤氏が語られた
ご自身の経営観をご紹介いたします。
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「心の中に佐渡島をつくれ」
伊藤謙介(京セラ相談役)
『致知』2011年11月号
特集「人生は心一つの置きどころ」より
http://www.chichi.co.jp/monthly/201111_pickup.html#pick2
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若い人ばかりでなく、自身の戒めとしても
拳拳服膺してきた言葉に、
「我一心なり」
というものがあります。
心を一つに定め、よそ見をするなということです。
ある女子プロゴルファーが話していて感銘を受け、
心に刻んだ言葉です。
若い頃は隣の芝生が青く見えるものですが、
一度思い定めたら、誰がなんと言おうと
二心なく貫いていくことが大事です。
これはきょうのテーマである
「人生は心一つの置きどころ」という言葉にも繋がると思います。
各々が一つのことをひたすら一所懸命やっていく。
そういう心を一つに集約したものが企業であり、
企業の業績に結実するとともに、
そうやって仕事に打ち込むことは、
自分自身のためにもなるのです。
その決意を固めるために私は常々
「心の中に佐渡島をつくれ」
とも言っています。
社長になった頃、仕事で新潟に行った時に
佐渡島まで足を伸ばしたのです。
流刑の地として有名な佐渡島には、
たくさんの人々が流されましたが、
能の世阿弥も流されていたということを
その時初めて知りました。
世阿弥は佐渡島という逃げ場のない場所で
何年にもわたり極限の暮らしを余儀なくされました。
勝手な想像ですが、世阿弥にとって
あの佐渡島での流刑生活があったからこそ、
能楽を世界的な文化に高めるほどの
思想的な深みを得たのではないかと思うのです。
我々は目標を設定しても、
必ずしも思い通りにいくとは限りません。
そうなるとエクスキューズ(言い訳)が
出てしまいがちですが、それを自分に許してはならない。
世阿弥が逃げ場のない佐渡の流刑生活を経て
能楽を大成したように、心の中で絶対に
後には引かない決意をしなければなりません。
それによって自分を高められ、
厳しい目標も達成できるのです。
そのためにも、
「井の中の蛙大海を知らず」
という言葉がありますが、これに
「されど天の深さを知る」
と付け加えなければなりません。
大海を知らなくてもいい。
自分の持ち場を一所懸命掘り込んでいくことで、
すべてに通ずる真理に達することができるのです。
西郷南洲や大久保利通が、
情報のない時代に天下国家のみならず、
世界情勢までも知り得たのは、
やはり自分のいる場所を
とことん深掘りしていったからだと思います。
一芸を極めた芸術家が語る言葉に
万鈞の重みがあるように、
我々も自分の仕事に打ち込むことで
天の深さを知るのです。
(転載以上)
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京セラ相談役 伊藤謙介さんのお話、先日も触れさせて頂きました。
http://blog.goo.ne.jp/tera-3/e/c77813eac58c88d2e05e379a9e3670da
“井の中の蛙大海を知らず
されど天の深さを知る”
あっ!と思う逆転発想ですね。
「我一心なり」
“ある女子プロゴルファー”とは、どなただったのでしょう。
上の言葉、“天の深さを知る”に繋がりますね。
それにしても、佐渡島に行って、世阿弥もそこに流されていたということを知り、
“世阿弥にとって
あの佐渡島での流刑生活があったからこそ、
能楽を世界的な文化に高めるほどの
思想的な深みを得たのではないかと思うのです。”
と考えるとは、素晴らしい想像力だと思いますし、
日々真剣に取り組んでいらっしゃることの証明なのだと思います。
“大海を知らなくてもいい。
自分の持ち場を一所懸命掘り込んでいくことで、
すべてに通ずる真理に達することができるのです。”