"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“今、世界的に難しい政治、経済運営”

2011-06-26 04:47:12 | 日記

米国FRBが、量的緩和の第二段、いわゆるQE2を6月末で打ち切ることになりました。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E2EBE6EBE2E1E2E0E6E2E4E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D

ゼロ金利政策は続けるとのことですが、昨年11月から行って来た長期国債の購入を打ち切ることにしたのです。

 

一方で、国際エネルギー機関(IEA)は23日に、米国、日本など加盟国に義務づけている石油備蓄を大量に放出すると発表しまています。

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-21873320110624

 

この2つのことは、今の経済、金融運営の難しさを象徴しているように思います。

本来、現在の米国の経済動向を考えると、FRBは、引き続き量的緩和“QE3”を続けたいのだと思います。

しかし、今までの緩和措置によって、行き場を失ったお金が商品にむかっている為、商品価格が上昇して来てしまいました。

特に、原油は、中東の不安要因もあり、OPECは、欧米の思い通りに原油を出してくれません。

ですので、需給逼迫もあり、原油価格がどんどん上がってしまう。

 

なので、やむを得ず、緩和措置を解除する一方で、インフレを抑えるために、備蓄の放出を日本を含めた欧米諸国協調で行う、というとになっているのだと思います。

本来、FRBのような中央銀行は、経済の状況を見ながら、自分の思い通りに金融、金利政策を行いたいはずなのです。

しかし、今は、経済の不安があるのに、インフレ懸念があるために、思うような金融政策を取れない状態になっていると思います。

FRBのバーナンキさんは、内心相当ひやひやなのだと思います。

経済が後退することが見えているのに、思うようなことが出来ないのですから。

 

特に、米国の場合、政府債務上限一杯まで、政府が国債を発行しているのに、国会でその上限引き上げのOKがなかなか出ません。

そして今度は、その上限を引き上げた場合に必要になる、国債の買い手としてのFRBが、長期国債の買取をやめると言っているのです。

かなり危機的な状況だと思っています。

にもかかわらず、この件は、ギリシャ問題のように危機感を持ってこちらのニュースで語られていません。

それだけに、私は、アメリカはかなり危ないのではないかと思っています。

このことに関する危機感が、ギリシャ問題のようには共有されていないからです。

(ちなみに、日本では、ギリシャのことさえ、ニュースであまり取り上げられていないように思います。)

 

幸い日本自体は、まだ、デフレです。

ですので、まだ米国よりは金融政策は取りやすいように思いますが、根本的にアメリカと同じ問題を抱えています。

今の、経済、金融政策は、本当に難しいと思います。

 

政治もそうですね。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインだけでなく、米国も英国も、どの国も、緊縮財政政策を取ろうとしています。

そうしないと、政府債務のファイナンスが出来ないからです。

一方で、国民は、もうこれ以上の緊縮には耐えられないと言っている。

政府は、投資家と国民との間の板ばさみになっています。

両者から、真綿で締められるごとく、合意を取ることがどんどん厳しくなって来ています。

 

政治、経済、金融、政策の自由度が失われ、厳しい局面を予想せざるをえない状況となりつつあるのではないでしょうか。

それは、やはりそれぞれのシステムが、これからの時代に合わない古いものだからでしょう。

ですので、私たちは、古いシステムにとらわれることなく、新しい世界のイメージを作っていかなければいけない時期なのだと思います。

古いシステムの崩壊が本格的に始まるのはもうすぐだと思います。


2 コメント

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Unknown (あさ)
2011-06-27 11:38:00
古いというより、今までの長~い地球の歴史のでのごく最近のほんの数十年の最近のシステムが、新しい波に移行、乗っていくのですね。

我が家のもうときめかないモノも手放すぞ!

昨日、神社に行き茅の輪くぐり(夏越の大祓)し、神社で結婚式の名前を見ると「〇家と〇家の結婚」と。先日東京へ行ったとき「〇様と〇様」とフルネームであり「おーやっとこの時代がきた!」とうれしかったので、「家制度は終わったので古い表記だわ」と私は私を主語に率直に神社の方に伝えましたが、何を言っているの?という感じのとても冷たい態度でした!

息子の学校も男女混合名簿になっておらず昔ながらの男が先、女子が後の古い形式。ずっと疑問を持ち言い続けていますが変わらないんだなあ!あ~古い古い、怖れを手放せ~と息子と昨日会話をしましたよ。





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あささん (テラ)
2011-06-28 04:52:31
神社の結婚式での表記も、この数十年なのでしょうか。
学校の名簿、まだ男女混合でないところもあるのですね。
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