"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“経営学から見たアップルスティーブ・ジョブズさんについて”

2011-09-01 03:36:36 | 日記

日経ビジネスオンラインよりです。

8月24日に56歳で米アップルのCEO(最高経営責任者)を退任し、経営の第一線から退いたスティーブ・ジョブズ氏、その経営手腕についてデビッド・ヨフィー米ハーバード大学教授が解説していく内容です。
 
 
一度アップルを去ったジョブズ氏は、倒産寸前まで行ってしまったこの会社に復帰。
 
練りに練った画期的な製品を世に出していくことによって、ぐんぐん成長し、
今や米国一、時価総額の大きな会社となりました。
 
アップルの“聖域”にメスを入れたこと
ジョブズ氏は復帰した直後から、アップルの聖域の多くにメスを入れました。手始めに行ったのは、仇敵とされてきたマイクロソフトを相手に特許のクロスライセンスと業務提携を締結したことです。
次に同社のパソコン「マッキントッシュ」のOS(基本ソフト)のライセンスを互換機メーカーに供与することを止めました。
これは簡単な決断ではなかった。供与したライセンスのいくつかを買い戻さなければならなかったからです。加えて、「アップルが生き残るためには、互換機へのライセンス供与を拡大するしかない」というのが一般的な見方でした。それと正反対のことを彼は実行したわけです。
さらに彼は、アウトソーシングできる業務はできるだけ社外に委託することを決断しました。これは、すべてを内製していたかつての同社ではあり得なかったことです。今でも研究開発やソフトウェアの開発といった同社にとって非常に重要な機能は社内に残していますが、製品の生産や物流などはすべて社外にアウトソーシングするようになっています。
また製品のラインアップについてもその78割をカットしました。「いま手がけている事業の多くは競争力を失っていて将来がない」と判断したからです。
「アップルが生き残るためには、互換機へのライセンス供与を拡大するしかない」という一般的な見方と正反対のことを彼は実行すること、そこになんのためらいもなかったのでしょうか。他の施策の実行含めて、とてつもないコミットメント力だと思います。
なぜ“聖域”に次々とメスを入れることができたのか。
彼は今日のほとんどすべてのCEOとは異なり、「独裁者」と言っていい存在です。アップルの社内で彼が望んで実現しないことはない。彼に異議を唱える者がいれば、解雇されます。米国でも変革を実行するために社内で合意を形成しようとする経営者が多い中、彼はそれをしません。
 
このようなマネジメントスタイルは、今の日本の企業から生まれることは難しいのかも知れません。
敢えて言えば信長タイプなのでしょうか。
オーナー系の企業であれば、可能かも知れませんね。
 
彼の哲学においては、製品は最初から完璧に近いものでなくてはならなかった。
だから、製品の開発に自ら深く関与して、使い勝手などを完璧にしようとしたのです。
ipod、iphone、 ipad、その製品群。確かに最初から完璧を目指したという雰囲気が漂っていますね。ビルゲイツ氏との違い、面白いです。
 
iPhoneを成功に導いた重要な決断
iPhoneの成功においては、もう1つ重要な意思決定がありました。それは、このスマートフォンで携帯電話に参入するに当たって、供給先の電話会社を1カ国1社に限定したことです。通常の携帯電話メーカーは、複数の電話会社にそれぞれが求める仕様に応じて異なる製品を提供しています。パソコンのマッキントッシュを自社で製造・販売してきたアップルは、そのような対応をしたことがありません。もし、既存の携帯電話メーカーの慣例に従ったら、同社は新しいスキルを身につけなければならなかったでしょう。
しかし、アップルはそうしなかった。供給先を1カ国1社に絞ることで、複数の電話会社の要求に応じて製品の数が増えてしまうことを防いだのです。このことも、ジョブズ氏がiPhoneの開発に深く関与し、使い勝手やデザインにこだわることを可能にしました。このように業界の常識にとらわれない決定を下すことができたのも、ジョブズ氏ならではでしょう。
 iPodiPhoneiPadといったプラットフォーム上に他社がコンテンツやアプリを付加することを奨励する一方で、プラットフォーム自体は厳しくコントロールしている。例えば、グーグルのスマートフォン向けOSのアンドロイドはさまざまな携帯電話メーカーに供与されていますが、アップルはそれを絶対にしない。
 
供給先は多い方が良いように思えますが、それをしなかったことの背景には、製品に対するこだわりがあったのですね。
プラットフォームのコントロールについても、同じ考え方から来ているのだろうと思います。
 
その後に出ている“日本企業がアップルから学ぶべきこと”、いずれもポイントをついて分かりやすい指摘だと思います。
“自社が他社より秀でている少数の事業に絞り込む、ということが、まず重要なのではないかと思います。
その過程において、他のポイントについても見えてくるものがあるのではないかと思います。
 
スペインの家電売場では、“Samsung”、“LG”の製品がたくさん並んでおり、そのブランドは現地でもすっかり定着しています。
 
日本の製品も置いてありますが、正直あまり目を引く感じではありません。
韓国、そして韓国企業は、これから厳しくなる場面もあると思っていますが、ブランドを育てること、デザイン戦略含めて、日本の企業が見習うべき点も色々あると思います。