"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

「日本経済の真実」「日本の恐ろしい真実」 辛坊治郎他著

2010-11-21 03:00:00 | 日記
辛坊治郎さんのこと、恥ずかしながら最近まで良く知りませんでした。
読売テレビのアナウンサー、プロデューサー、情報番組部長等を歴任されて本も書かれています。

関西では、「たかじんのそこまで言って委員会」にもよく出ていらっしゃるのですよね。
(海外のTVには入らないこともあり、私自身はまだ見たことはありません。)

ちなみに、前著は、住友銀行や、日本総合研究所等にいらしたお兄さん、辛坊正記さんとの共著です。

前著のタイトルの副題が、“ある日、この国は破産します”だったこともあり、今のはやりに乗って書いた方なのかな、と思って読み始めました。

私は、その方がどんな方なのかを判断する時に一番重要と思っているのが、書かれたその内容が、その方の“私”がベースになっているのか、それとも“公”の精神がベースになっているのか、ということです。

よく判断を間違えます。(笑)

後になって、あ~、あの方は、この自分の利益を守るためにあのような主張をしていたのか、ということがよくあります。

でも、辛坊さんは、後者の方だと思います。

昨日、稲田朋美議員の本に、「小泉構造改革をきちんと総括することが不可欠」とあった、と紹介させて頂きました。
辛坊さんの本では、そのことを図表を使って明快に解説しています。

小泉さんが首相であったのは、2001年4月から2006年9月まででしたが、その期間、株価が大幅に上がったということだけではなく、ほとんどその時期だけ、実質成長率だけでなく、デフレ時期であったにもかかわらず、名目成長率も上昇しました。

そして、“小泉改革が、若者から職を奪った”、というマスコミや政治家の論調が大ウソであることを明らかにします。

即ち、2001年に5%を超えていた完全失業率は、2006年には4%まで落ちていました。
かつ、有効求人倍率は、2001年の0.5倍から順調に上がり、2006年には1倍を超えていたのです。
仕事を選り好みしなければ、求人者の全員に職が行き渡るという数字です。

国民に受けやすい“大企業優遇はやめろ”とか、“金持ち優遇は不公正だ”と言ったマスコミの論調は、逆に日本を悪くするスローガンだ、と持論を展開したりと、なかなか言いづらい、しかし正論をきちんと説明する辛坊さんの姿、素晴らしいと思います。

ところで、私は、冒頭、“ある日、この国は破産します”という話が、今のはやりに乗った論調、と言いました。
実は、私自身、日本が近い将来破産する可能性がかなり高いと思っています。

今、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルが、話題にのぼっていますが、その状況が悪化すると、次は私も住むスペインということになって来ます。

私は、前の3国に比較して規模の大きなスペインが、踏みとどまれるかどうかが、グローバル経済の枠組みを守る意味で大きな鍵を握っていると思います。

そしてもし、その防波堤が崩れてしまうと、ギリシャよりも国債発行比率が格段に高い日本がターゲットとなる可能性があると思っています。

一度ターゲットになってしまうと、その時は、日本の国債は95%が日本人が投資家だから大丈夫、という理屈が、やはり理屈でしかなかった、ということになるのだと思います。

その時、今のギリシャのように、国債価格はどんどん下がり、金利はどんどん上昇、住宅ローン等の負債を抱えている方々は大きな苦しみを味わうことになるのかも知れません。

もしくは、破産を防ぐためのハイパーインフレを起こすのか。
その場合、借手のローンは目減りして行きますが、同時に預金者の資金も目減りしていくことになります。

円は暴落してしまうのか、でもその前にユーロ経済圏が大変なことになっているとすれば、相対的に円も下がらないことになりますし、グローバルで影響を与え合っていることを考えるとやはり政府が資金の出し手となってしまっているアメリカ、即ちドルも安全とは言えませんし・・。

当然、消費税も大幅に上げる必要が出て来るでしょう。

日本経済の足腰の弱くなったその時に、国力を増している中国等がスキをついて動いてくるということもあると思っています。

私は、特にこの1、2年、将来の日本を形作っていく上で、政治、外交、経済面ともに、大変重要な時になると思っています。

それに備え、乗り越えていく為にも、私たちは、今のうちに必要なことを実行すると同時に、今のうちから色々な局面へのシュミレーション、頭の体操をやっておく必要があると思うのです。

日本経済の真実―ある日、この国は破産します
辛坊 治郎,辛坊 正記
幻冬舎


日本の恐ろしい真実 財政、年金、医療の破綻は防げるか?
辛坊 治郎
角川SSコミュニケーションズ


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