魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

【古典派雇用論⑤:最終回】(独学併用)以降、別シリーズ次々予定

2018-01-18 18:24:09 | カルト宗教の闇

【古典派雇用論④】(独学併用)からの続き

 我々の経済は、古典派理論が妥当する様に「競争的」か?

① 組合は企業と団体交渉をして、「失業が存在」しても、其れだけでは「賃下げを承認」し無い。

② 米国では「若干の賃金の決定」は議会によって決める(最低賃金の決定)が、「失業が存在する」からと言って、最低賃金を引き下げることはし無いだろう。

③ 多くの産業では「費用が低下」したということだけでは「価格を低下」し無い☜企業は成るべく競争を避けるし、企業によっては価格低下を阻止出来る☞自動車や鉄鋼の価格が下落した時も、翌年、其れ等の価格が値下げ処か上昇したとしても誰も驚か無い☜此れ等の産業の「過剰設備」や「失業」は、自動的に「賃金」や「価格」の低下を引き起こすことは無い。


1933年~1937年の大不況期に、


・ 米国に於ける生計費の変化の状態は11%上昇し、失業は11~25%増加して、此の間、物価は上昇☜「失業を解消」する為に、「賃金や物価の低下」に頼ることが出来無いことを証明

◎1936年、ケインズ「雇用・利子及び貨幣の一般理論」を発表

 ケインズ「大量の失業が発生しても賃金や物価は最早、低下し無い」☜古典派経済理論「競争が賃金や物価の低下を齎し、如何なる失業の傾向も自動的に解消するだろうとの想定」を再検討する必要性を示唆⇦ケインズ「賃金や物価が低下し無い世界に於いて保蔵が行われると、何の様なことが起こるかを説明する」仕事に着手した。


古典派雇用論」の纏 め

① 失業には、「自発的失業」と「非自発的失業」とが在る。能力も技術もある人が適正の賃金を求めて、働こうとしても雇用され無い場合は、「非自発的」失業である。

② 「非自発的失業」は、「摩擦的失業」か或いは「非摩擦的失業」とに分類され得る。
 「非自発的」で「摩擦的な」失業☜総ての人に十分仕事が或る時に存在する☜或る処での「労働の供給過剰」が、別の何処かでの「労働の供給不足」によって調整されることが可能な失業である☜経済が動的である場合は「摩擦的な」失業は不可避である。
 仕事の数が少ないことにより、求職者が就職出来無い時に「非摩擦的」で「非自発的」失業が発生する。

③ 失業問題で主に扱うべきは、「非摩擦的」で「非自発的」失業であり、此れが、何の様なメカニズムで起きるかを解き明かすことと成る。
 此れを「経済が生産される総てを購入し得るだけの所得を其の生産過程中創出し無いからに過ぎ無い」と説明するのは誤りである☞「利潤=NNP(国民純生産)-生産の結果として支払われる(賃金或いは俸給+賃料+利子)」⇨NNP(国民純生産)(賃金或いは俸給+賃料+利子)+利潤=産出高

④ 「『失業は人々は其の所得の全部を支出に向けるとは限ら無いと言うことから発生する」と主張する人が居る☜「貯蓄」が「失業」の犯人?
 物々交換社会☜「所得を処分する唯一の方法」は「財やサービスを需要すること」であるから、「貯蓄」が「失業」の犯人?は問題と成ら無い。
 古典派経済学者は「物々交換経済に於いて正しいことは貨幣経済に於いても正しい」と主張☜彼等は「貯蓄が総て資本財の購入の為に使用される」と考えて居た(人を介しても含む)☜古典派経済学者は、「貯蓄は決して貨幣保有増加の要求を促さ無い」としたのだ。

⑤ 古典派経済学者の④の主張が誤りであることの説明

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或る人は或る時期に彼等の貯蓄の幾らかを貨幣の形で保有する。

ⅰ)預金された銀行は準備率に基づく準備金を手元に於いて置き、此れを貸し出しし無い。

)株式や債券の購入に使った場合に、其の貨幣を受け取った会社は其の一部を保蔵することもある(企業が大きければ大きい程保蔵する貨幣は多く成る)

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 貯蓄は、「貸出資金 > 借り入れ需要」とよりも多く提供させることに成る可能性もある⇨そう言ことが起これば、利子率は低下傾向に向かう⇨人々の幾人かは彼等の貯蓄の幾らかを貨幣で保有すると決定⇨其の様な貨幣を貸し出しし無い☜利子率が低下した時、貸し出しのコストと貸し出しによって生ずる不便性が、利子で得られる収入と比較して比べて大き過ぎることに成る可能性が在るからである。

⑥ 古典派経済学者「人々が其の貯蓄全部を彼等自身で、或いは又は人を介して使ったりし無くても、非自発的・非摩擦的失業は発生し無い」と主張し得る☞然し、経済が非常に競争的であって、貨幣が総て「金」である厳格な「金本位体制」である場合⇨支出がNNPに達し無い場合⇨賃金低下と物価低下を引き起こす(政府によって固定されてる金の価格は例外)⇨費用が低下する⇨金生産は一層有利⇨失業者は金生産に吸収される。
 純粋な紙幣本位制の場合で支出がNNPに達し無い場合⇨競争経済下では矢張り賃金と物価は低下☜にも拘らず、賃金と物価は何時迄も下がり続け無い☜物価の低下⇨一定量の貨幣供給の購買力が増大⇨人々は、より豊かに成る⇨消費財への支出も一層増大する。
 物価の低下は、総支出がNNPに等しく成る迄続くであろう。

⑦ 古典派の議論「失業が存在すれば賃金及び物価は低下する」に基づく☜今日の経済では、此のことは必ずしも起こるとは限ら無い☜1930年代の数年間は。大量の失業が存在して居たにも拘わらず、賃金と物価は上昇した。

⑧ 古典派の理論は誤りであったので、一層現実的な理論の構築が望まれた⇨「失業が存在する時でも賃金は低下し無い」と仮定する理論☜ケインズによって発展せしめられた。此の理論は改めて別の論考で確かめてみる。


つづく

※ 本投稿文中の綴りや語句の使い方や理論分析の誤りは、適当に解釈して貰うか、コメント欄で指摘して頂きたい。


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