魂魄の狐神

天道の真髄は如何に?

 国家防衛に対するスイスの書『民間防衛』

2014-02-10 18:05:05 | 愛国

現在の日本は平和状態でしょうか?たしかに武力を伴った戦争はしていません。だからといって平和ということではないようです。武力による攻撃がなくても、他国から攻撃され侵略されてしまうことがあるのです。その場合、多くの日本国民は攻撃されていることに気付きません。スイスはそこまでちゃんと想定しています。

 特に最近のニュースを見ていると、日本の隣国である「中国」、「韓国」、「北朝鮮」は、かなり以前から巧妙に日本への侵略を開始していたと言えます。

敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P227

 戦争のもう一つの様相は、それが目に見えないものであり、偽装されているものであるだけに、いっそう危険である。また、それは国外から来るようには見えない。カムフラージュされて、さまざまな姿で、こっそりと国の中に忍び込んでくるのである。そして、われわれのあらゆる制度、あらゆる生活様式をひっくり返そうとする。
 このやり方は、最初はだれにも不安を起こさせないように、注意深く前進してくる。その勝利は血なまぐさくはない。そして、多くの場合、暴力を用いないで目的を達する。これに対しても、また、しっかりと身を守ることが必要である。
 われわれは絶えず警戒を怠ってはならない。この方法による戦争に勝つ道は、武器や軍隊の力によってではなく、われわれの道徳的な力、抵抗の意志によるほかない。

「それは国外から来るようには見えない。カムフラージュされて、さまざまな姿で、こっそりと国の中に忍び込んでくるのである」。前半はこれがメインになります。どんな姿で忍び込んでくるのでしょうか。続けて読んでください。

スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P228
敵は同調者を求めている

 ヨーロッパ征服を夢みる、ある国家の元首が、小さなスイスを武器で従わせるのは無駄だと判断することは、だれにも納得できる話である。単なる宣伝の力だけでスイスをいわゆる「新秩序」の下に置くことができると思われるときに、少しばかりの成果をあげるために軍隊を動かしてみたところで、何の役に立つだろうか。
 国を内部から崩壊させるための活動は、スパイと新秩序のイデオロギーを信奉する者の秘密地下組織をつくることから始まる。この地下組織は、最も活動的で、かつ、危険なメンバーを、国の政治上層部に潜り込ませるようとするのである。彼らの餌食となって利用される「革新者」や「進歩主義者」なるものは、新しいものを待つ構えだけはあるが社会生活の具体的問題の解決には不慣れな知識階級の中から、目をつけられて引き入れられることが、よくあるもんだということを忘れてはならない。
 数多くの組織が、巧みに偽装して、社会的進歩とか、正義、すべての人人の福祉の追求、平和という口実のものに、いわゆる「新秩序」の思想を少しずつ宣伝していく。この「新秩序」は、すべての社会的不平等に終止符を打つとか、世界を地上の楽園に変えるとか、文化的な仕事を重んじるとか、 知識階級の耳に入りやすい美辞麗句を用いて・・・・・。
不満な者、欺かれた者、弱い者、理解されない者、落伍した者、こういう人たちは、すべて、このような美しいことばが気に入るに違いない。ジャーナリスト、作家、教授たちを引き入れることは、秘密組織にとって重要なことである。彼らの言動は、せっかちに黄金時代を夢見る青年たちに対して、特に効果的であり、影響力が強いから。
 また、これらのインテリたちは、ほんとうに非合法な激しい活動はすべて避けるから、ますます多くの同調者を引きつけるに違いない。彼らの活動は、”表現の自由”の名のもとに行われるのだ。

スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P230
敵は同調者を求めている

わが党の結成は、大した評価をうけなかったが、これはわれわれに有利であった。事実、わが党結成の重要性は、最初の参加者が限られていたという面からのみ評価された。このような単純な考え方は、われわれの目的に役立つものである。
われわれは、われわれの目的とする幾人かの知識人を仲間に引き入れることができた。その中の一人であるX教授は、国家的名声を持ち、われわれの活動が都合よく運ぶのに役立つ権威を持っている学者である。
全体として、この国の国民は、福祉政策によって眠らされており、彼らの伝統的制度が、他のあらゆる形の体制に優越するものであることを確信しているので、われわれが恐れていたような反応は全くない。われわれの組織は順調に活動している。
われわれは、新党の党首にJ氏を据えた。彼は頭脳明晰、かつ、活動家であるが、野心に取りつかれ、非常に金を欲しがっている。彼の属していた保守党は、彼に微かな希望しか与えなかったので、じっと控え室で自分の出番を待つ代わりに、彼はついに性急な道を選んだのだ。彼は、仲間からは決定的に排斥されてしまったので、今や、成功するためならどんなことでもするだろう。
それ故、われわれの活動は順調に進んでいる。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P232
外国の宣伝の力

 国民をして戦うことをあきらめさせれば、その抵抗を打ち破ることができる。
 軍は、飛行機、装甲車、訓練された軍隊を持っているが、こんなものはすべて役に立たないということを、一国の国民に納得させることができれば、火器の訓練を経ることなくして打ち破ることができる・・・・・・。
 このことは、巧妙な宣伝の結果、可能となるのである。

 敗北主義--それは猫なで声で最も崇高な感情に訴える。--諸民族の間の協力、世界平和への献身、愛のある秩序の確立、相互扶助--戦争、破壊、殺戮の恐怖・・・・・・。
 そしてその結論は、時代遅れの軍備防衛は放棄しよう、ということになる。
 新聞は、崇高な人道的感情によって勇気付けられた記事を書き立てる。
 学校は、諸民族の間との友情を重んずべきことを教える。
 協会は、福音書の慈愛を説く。
 この宣伝は、最も尊ぶべき心の動きをも利用して、最も陰険な意図のために役立たせる。
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P233
不意を打たれぬようにしよう

 このような敵の欺瞞行為をあばく必要がある。
 スイスは、征服の野心をいささかも抱いていない。何国をも攻撃しようとは思っていない。望んでいるのは平和である。
 しかしながら、世界の現状では、平和を守り続けるためには、また、他に対する奉仕をしながら現状の状態を維持するためには、軍隊によって自国の安全を確保するほかにないと、スイスは信ずる。

 近代兵器を備えた大国に立ち向かうことはわれわれにはできないという人々に対して、われわれは、こう答えよう。---経験は、その逆を証明している、と。
 今日では、一つの動乱が、多数の国を巻き添えにすることは決定的である。それ故、われわれは、単独で攻撃の重圧に耐えねばならぬこともないだろうし、攻撃者は、その兵力の一部分しかわれわれに向けられないだろう。そして、このような部分的な兵力に対してならば、われわれは、対等の兵力で反撃することができる。
 また、技術の進歩によって、地上では軍隊をまばらに展開することが必要になったが、このことは、われわれにとって有利な条件である。われわれの防衛は、これによってきわめて容易になった。
 潜在的な敵はわれわれに武器を捨てさせるためには、わが国を征服する必要度に比してケタはずれに大量の武力を浪費する必要があることを知っている・・・・・・。
 第一次大戦において、また、第二次大戦において、われわれが攻撃を免れたのは、偶然によるものではない。この幸い、それは、みずからを守ろうというわれわれの不屈の意志と、わが軍隊の効果的な準備によるものである。
 また、1939年~40年におけるフィンランドの例や、1956年や67年におけるイスラエルの例も、われわれの考えが正しいことを証明している。これらみずからを守った小国は、その国家的存在を保つことができたのである。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P234
敵はわれわれの抵抗意志を挫こうとする

そして美しい仮面をかぶった誘惑のことばを並べる
核武装反対
それはスイスにふさわしくない。
農民たち!
装甲車を諸君の土地に入れさせるな。
軍事費削減のためのイニシアティブを
これらに要する巨額の金をすべてわれわれは、大衆のための家を建てるために、各人に休暇を与えるために、未亡人、孤児および不具者の年金を上げるために、労働時間を減らすために、税金を安くするために、使わなければならない。よりよき未来に賛成!
平和のためのキリスト教者たちの大会 汝 殺すなかれ
婦人たちは、とりわけ、戦争に反対する運動をおこなわなければならない。
(平和擁護のためのグループ結成の会) 平和、平和を!
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P235
警戒しよう

 世界とともに平和に生きることを欲しないスイス人があろうか。戦争を非としないスイス人がいるだろうか。われわれが軍隊を国境に置いているのは、他の国がわれわれを平和に生きさせておいてくれるためである。
 人類の幸福は、われわれにとって重要なことだ。われわれは力の及ぶ限りそれに貢献している。たとえば赤十字の活動、開発途上国に対する援助、戦争状態にある国の利益代表など。ところが、現実はこのとおりである。
 それを知らないとしたら、われわれは、お人好しであり、軽率だということになるだろう。われわれを取り囲む国々が武装し続ける限り、われわれは国家の防衛を怠ることはできない。
 ヨーロッパで対立する交戦国によるスイス攻撃の可能性を、われわれは、最近の二つの大戦の経験にかんがみて、よく考えなくてはならない。
 潜在的は敵を仮定--その宣伝文句に基づいて判断することは、たとえその宣伝文の中に、聖書の文句が引用されていようとも、できないことだ。われわれは、にせ平和主義者たちが、武装するのをやめないでいることを確認している。われわれの信念は誠実なものである。われわれは、だれ一人殺そうとするつもりはないが、ただ正当防衛を確保しなければならぬ。
 われわれが武器を使用せざるをえないようなことがないように!われわれは、これ以上に真摯な願いを持たない。
 もともと日本の平和団体はほとんどがここで書かれている「にせ平和主義者」ですね。「自衛隊」とか「アメリカ軍」に対しては、何が何でも反対して抗議や署名を組織的に行う一方で、中国軍の軍事行動には全くノーリアクションです。また、日本や米国の核は猛反対するくせに、中国や北朝鮮の核は肯定してます。要するに本当に平和を願っているのではなく、この本で書かれている敵国の工作活動だということがわかりますね。
 他、ここでも書かれているように婦人は反戦活動のシンボルになりがちです。女性政治化、女性タレント、さらにはよく子供も利用されます。敵の策略にはまらないよう気をつけてください。

スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P236
敵は意外なやり方で攻めてくる

 ある国家元首の「政治的告白」と題する著書から:
《われわれは、勝利に到達するまでわが道を倦むことなく歩み続ける。われわれは敵を憎む。彼らを容赦なく滅ぼそう。武器による戦いに比べ費用のかからぬやり方で、敵を滅ぼすことができるのだ。「魅力」で魅きつける宣伝は、われわれの手の中にある効果的な武器だ。われわれは、われわれの意図するところを、美しい装飾で包み隠さなくてはならない。文化は立派な隠れ蓑に利用できる。
音楽、芸術、旅行などの口実で、仲間をつくろう。展覧会とスポーツの祭典を組織し、利用しよう。わが国に旅行者を引き寄せ、彼らにわれわれの優越性を納得させよう。これらの「文化交流」は、事実は一方通行としなければならぬ。わが国に、われわれの教養や生活様式にとって好ましくない退廃的思想、新聞、書籍、映画、ラジオ放送、テレビ放送などの、どのようなものも入れさせないようにしよう。
科学の面では、できるだけ多く受け取り、少なく与えるようにしよう。彼らは愚かで退廃的だから、われわれの企てのなすがままになるだろう。われわれが彼らに与えるフリをすれば、いい気持になってしまうだろう。彼らは、われわれの政治的思想は信じまいとするが、だんだんそれに侵されていくだろう。このようにして、われわれは、彼らの心をとらえていく。彼らはワナに陥り、われわれは、彼らの首に彼らを締め付ける輪をかけるのだ……。
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P237
自由と責任

 民主主義は個人の意見を尊重する。これが民主主義の最も大きい長所の一つである。
 民主主義国家では、個人の私的な言行にまで介入することはない。報道、ラジオ、テレビは自由である。
各人は、平時には少しの困難もなく外国へ行くことができる。各人は、自己の気に入った政党を選ぶことができる。
“自由”が空虚な言葉でない国、自由の内容がちゃんと充実している国では、このようになっている。
 しかし、国家は共同社会を守らなくてはならない。そのため、国家は、特にスパイ行為と戦う義務を持つ。スイスには思想に関する罪というものはないが、しかし、われわれの防衛力を弱めようとする連中は、監視しなければならない。内部から国を崩壊させようとする作業が、公共精神を麻痺させる者によって企てられる可能性が常にある。
 自由は良い。だからといって無秩序をいけない。
 故に、国家的独立の意思を無くしてわれわれを弱体化させようとするイデオロギーに対して、人々の注意を喚起する必要がある。教育者、政党、組合、愛国的グループなど、世論に影響を及ぼす立場にある人々は、すべて、 自らの責任を絶えず自覚しなければならない。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P238
敵はわれわれを眠らそうとする

ある国家元首の演説から:
《…われわれが持っている望みは、たった一つ。全ての人と平和的に暮らし、人類の幸せのために協力することである。
 それは、わが国民全てが胸に抱いているものである。
 このために、われわれは日々経済力をつけているのだ。わが国民一人一人が、やがて、自分の家と、テレビ・セットと、自動車を持つようになるだろう。
 われわれは、全ての国と、商業的かつ文化的関係をつくり上げたい。貧しい人々の生活水準を向上させるのを援助しよう。彼らに進歩への道を示してやろう。
 われわれは、ある国々が、全ての軍事的競争をやめる必要があることを、未だに理解しないのを残念に思っている。これらの国々が、われわれの例にならって、世界平和の確保のために彼らが努力することを、切に望むものである。》
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P239
われわれは眠ってはいない

 われわれは、この外国元首の演説を聞いた。彼は、われわれに対する善意を保障する旨を述べている。しかし、われわれは、また、彼の著書、すなわち「政治的告白」をも読んでいる。
 われわれは、そのときから、彼のこのような宣言をどのように評価しなくてはならないかを知っている。
 また、われわれは、全体主義大国の戦争準備のために衛星国に要求される役割を知っている。これら衛星国は、「保護者」のために、血を流さねばならず、「保護者」と称する大国は、衛星国を飢えさせ、衛星国の最も優れた肉体的・知的労働者を奪い取ってしまうのだ。
 衛星国は、自分たちに関係の無い勝利を大国に得させるために奴隷のように働いた上、彼ら自身が持っているものを全て剥ぎ取られてしまうだろう。
 この強制労働の上に、更に、あらゆる種類の屈辱が加わるだろう。彼らは召使のように取り扱われ、自由世界の破壊に参加しなくてはならないだろう。われわれが衛星国を解放しようとすれば、その試みは、すべて容赦なく押しつぶされてしまうだろう。そして、非難する場所を求めて世界中をさ迷っている無国籍者と、悲惨な運命を共にしつつ逃走を試みることしか、残された道はないだろう。 若者たちは、準軍隊的の組織に組み入れられて、専制者の野望のために容赦なく犠牲にされるだろう。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P240
スポーツも宣伝の道具

 ある全体主義国のスポーツ責任者は、次のように訓示した。

1.われわれは、わが国のスポーツマンに対して、わが国旗を守るべき全ての国で、全ての競技に勝つことを求める。われわれの勝利は、わが政治体制の優越性を証明するに違いない。
2.各スポーツマンは、自己の言行について、わが国民及びわが党に対して責任がある。
3.選手権保持者は、自由な言動をすることはできない。彼は、全人生を勝利の準備に捧げなければならない。
4.国際試合に対しては、イデオロギーの点で堅固な者のみを選ぶ。
5.わが代表団は、厳格な規律を持つという印象を各地で与えなければならない。また、代表団は、他国代表とどのような個人的接触をも持ってはならない。
6.オリンピックに選ばれた学生は、2倍の給費を受け、また、試験を免除される。
7.金メダルを得た者は、年金及び特権とともに、第2級の勲章を受ける。
8.成果をあげないものは罰せられるであろう。
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P241
真のスポーツ精神を守ろう

 健全な国は、全て、国の未来を担う若者に相応しいスポーツを盛んにするよう努めている。
 健全な体に健全な魂が宿るのだ。また、スポーツは、全世界の若者たちの平和的交流を助長する。若者たちは、お互いを知ることによって、お互いを尊敬することを学ぶ。彼らは、世界の未来に対する希望の源である。
 しかしながら、スポーツの試合が政治的指導者の宣伝武器になってはならない。自国の運動選手が勝利を勝ち取った時、それを誇りとするのは当たり前であるが、この勝利をイデオロギーの優越の例と考えるのは、不健全である。
 真のスポーツ精神が生み出すのは、攻撃的精神ではなく、敵に対する尊敬の念である。
 全体主義国は、イデオロギーの宣伝の際に優越性の証拠としてスポーツの成果を用いるが、われわれは、高邁な理想をこのように曲げて解釈することを拒否しなければならない。
これとは無関係ですが、北朝鮮や中国ではサッカーで負けたら暴動が起きてますね。ちゃんと国家が取り締まるべきなのですが、むしろ反日活動に利用しているようで、いやな感じです。

スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P242
われわれは威嚇される

宇宙における新しい勝利
 X国によって発射された新宇宙船は永久に飛び続けることができる。ロケットによって補給を受けるので、ほとんど無限の飛行継続を保証されている。これによって、宇宙飛行士が長期の宇宙旅行を行うことのできる日が近づいたのである。宇宙船の建造者ポメール教授は、記者会見で、彼の作った機会は技術進歩の上で人類を前進させるから、平和のために大きく役立つだろうと説明した。また、教授は、やがて労働者階級が宇宙で休暇を過ごすことができるようになるだろうと述べた。

 このようなニュースは、平和的な人々の気持ちを乱すものだ。このような力の誇示は、小国を不安にさせる。小国はどうして超大国から自分を守れるだろうか。
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P243
小鳥を捕らえる罠

 よく考えてみよう。あらゆる進歩は、それが何によるものであっても、自然に対する人類の勝利をしるすものである。
 科学的発見は、それを成し遂げた名誉を持つ国だけにかかわることではない。われわれはみな人類に属するのであり、発見は、われわれ全部に関係することなのである。
 知識の上でわれわれを前進させることに貢献した人々に、拍手を送ろう。
 しかし、また、本物と偽物を見分けることを学ぼう。大国が科学的研究のために、信じられないほどの巨費を投じているのは、平和に役立たせようという意図によるものではないことは確かだ。それは、軍事的防衛の領域で他国に置き去りにされまいとする意図によるのである。
 全体主義国の労働者階級はやがて宇宙で休暇をすごすことができるなどと言われても、だまされないようにしよう。
 今日、その労働者階級に与えられている生活条件の実態をよく見、そして、われわれの、この大地の上でのくつろぎと自由の幾日かを、彼らも持てるようになることを祈ろう。
 理論は、それが生み出す結果に基づいて判断しよう。
 小鳥を捕らえるワナに、われわれは、おびき寄せられないようにしよう。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P244
経済的戦争

ある大国元首の「政治的告白」の、もう一つの抜萃:

 われわれの経済的・社会的制度は、いつかは、われわれが世界を征服し得るほど優越している。世界征服が、われわれの目的なのだ。だから、われわれの計画の実現に反対するものは、全て排除する。
 世界を征服するということは、われわれが敵に宣戦を布告し、わが軍をもって敵を粉砕するしかないというわけではない。われわれには、同じくらい効果的で、もっと安くつく方法がある。
 まず、われわれの物の見方にまだ同調していない全ての国に於いて、われわれに同調する組織を強化拡大せねばならない。そして、地球上の全ての国々に於いて、われわれの同調者たちに、その国の権力を少しづつ奪取させねばならない。
 同調者たちがそれに失敗した国では、われわれは永久革命の状態を作り出す必要がある。混乱の中で、経験と訓練を積んだわれわれの同志は、だんだん頭角を現わしていくだろう。
 革命が困難と思われる国に於いては、われわれが差し出す有利な条件を受け入れようとする、その国の労働者階級の絶望と空腹の状態を、十分に活用しよう。
 最も経済効率の高い戦法、つまり、最も安上がりのやり方は、常に、あらゆる方法で、その国を経済的沈滞――不景気に陥れることである。腹の減った者は、パンを約束する者の言うことを聞くのだから。
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P245
経済も武器である

 全体戦争の今の時代に於いては、経済は、政治と戦争の基本的武器である。スイスが経済活動の面で外国に依存する状態にあることは、この点からいって重大な危険である。われわれの攻撃者となるかもしれない国に、われわれが必要とする物の供給を独占させることは、どうしても避けなくてはならない。
 スイスは、わが国の中立と安全の要求にあった開放通商政策をとる。そして、潜在的な敵が――われわれの供給する武器を、将来われわれに向ける事のないように、当局はわが国の輸出をチェックする。
 わが当局は、また、スイス所在の外国商業組織の代表によってなされるかもしれない政治活動に対しても、十分注意をしている。各個人個人も、わが国を害する恐れのある経済取引は、全て、自ら避けるべきである。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P246
革命闘争の組織図http://nokan2000.nobody.jp/switz/org.gif
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P248

 敵は、同調者を探す。
 敵は、われわれの防衛力を弱めようとする。
 敵は、われわれを眠らせようとする。
 敵は、われわれを脅そうとする。
 敵は、わが経済力を弱めようとする。

われわれは、今日われわれの前に現れている戦争のもう一つの形について語った。

この種の出来事は、われわれの周囲に、われわれの内部に、毎日起こっている。

われわれの運命は、これらの出来事に直面した際、われわれがどう対応するかにかかっている。

明日について考えよう。
われわれの行動を想像しよう。


■不幸にも敵の策略にはまってしまった場合です
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P249
あるいは、 分裂したスイスは降伏する。

 敵は、われわれの抵抗意思を挫く。
 敵は、国民と政府との間に意見の隔たりを生むような種をまく。
 敵は、攻撃準備ができている。
 敵は、われわれの息の根を止める。
 万事休す。


■敵の策略にはまらず、独立と平和を維持できた場合です
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P249
あるいは、 団結したスイスは、敵を退け、自らの運命の主人としての地位を維持する。

 われわれの抵抗意思を挫かれないようにしよう。
 国民と政府は団結を保つ。
 われわれは防衛の準備が出来ている。
 攻撃には反撃で応ずる。
 われわれは、敵に乗じられないように戦う。
 われわれは他国に追随しない。
 スイスは自由と独立を維持する。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P250
敵はわれわれの弱点をつく

 われわれに全体主義国の宣伝報道が襲いかかる。そして、われわれを根拠のない悪口と非難で覆ってしまう。それと同時に、われわれに必要な物資の引き渡しが妨げられる。彼らは特に、われわれが彼らのイデオロギーに敵意を抱いていることを非難する。
 われわれに対してとられる経済的制裁措置は、わが国の工場における仕事に影響を与える。というのは、この措置によって必要不可欠な原材料の一部分が、わが国に入ってこなくなるからである。
 こうして、重大な危機が近づく。
 次のような事態が起こる

諸君が承知している事態が起こった結果、わが社は、9月30日をもって2000人の労働者を解雇せざるを得なくなった。

経営者
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P251
スイスは、威嚇されるままにはならない

 外国に脅迫されまいと、固い決意をもっている国においては、たとえ経済危機が発生したとしても、国家制度を危険に陥れることなくそれを受けとめることができる。
 特定国ないし特定の国家グループからの物質の供給が断たれることがありうる。しかし、もしわれわれが警戒を怠らず、あるいは特定の国家グループに組み込まれないでいれば、さらにまた、経済協定を自由に締結する余地を残しておいたならば、われわれは、他の国と関係を結ぶことによって損失を補うことができるだろう。
 異常のような危機の想定によって、わが国の中立の必要性はハッキリと示される。
 こうして、工場の操業縮小による失業者は、公共の工事を行うことによって吸収できるに違いないし、雇用者と被雇用者とは相互して対立することなく、互いに協力して、満足のいく解決策を求めるだろう。各人は共同社会全体の利益のために、つまりお互いために喜んで犠牲を払おう。
 こうして、事態は改善される。

諸君が承知している事態が起こった結果、わが社は生産を縮小せざるを得なくなった。しかし、われわれは失業者を避けるためにできるだけのことをするつもりである。

経営者
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P252
混乱のメモ

1月15日 金属工業部門でストライキ。

2月16日 繊維産業で激しいデモ。

2月18日 繊維産業部門でストライキ。

5月20日 社会進歩党は、労働とパンのための闘争において、労働者を支援することを約束。同党指導者と外国の外交官との間の接触が確認された。

6月4日 金属工業部門の労働者代表は、特別集会において組合幹部の対人を決定。組合は社会進歩党の指導を受けることになろう。

6月10日 金属労働者によるストライキ宣言。

8月15日 わが国から立ち去る義務のある外国人労働者が出発を拒否。工場を占拠。警察が介入したが事態の解決に成功せず。

9月20日 公共輸送機関ストライキ。秩序回復のため、連邦内閣は軍隊を動員。鉄道労働者の若干は動員命令を拒否。

11月20日 食料品の価格急騰。
 
敵国の攻撃に対する、スイスの回避策 / 「民間防衛」より引用 P253
健全な労働者階級はだまされない

 スイスの各労働者組合の代表者が集会を開いて、と駆除起こった経済の悪化にどう対応するべきかを検討した。
 各代表は、この際ストライキを起こすことは、事態の改善にならないばかりでなく、かえって、ますます事態を悪化させるだろうという点で、意見が一致した。
 というのは、現在起きている事態は、わが国の資本家のあやまちによって起こったものではなく、それは、ひとえに、ある外国勢力がわれわれをその支配下に置こうとしているからである。工場に座り込みや、ゼネストを行うことは、事態の解決策になるどころか、その悪化をもたらす以外の何ものでもない、というのである。
 今日、雇い主および労働者にとって重要なことは、双方の間の話し合いによって問題の解決をはかることができるし、また、そうあるべきだということである。
 このような事態に直面して、すべての者は、自己犠牲を惜しむことなく、スイス国家の団結維持に努めるべきである。
 ところが、一方では、社会進歩党のリーダーたちは、あらゆる手段をもって労働者の団体や組織に浸透をはかり、労働者の不満をあおって、いろいろな要求をさせ、混乱を起こそうとしている。
 われらにスイスの労働者は、外国勢力の指揮の下に行われるこのような策謀に、決して乗ぜられてはならない。
「あらゆる手段をもって労働者の団体や組織に浸透をはかり、労働者の不満をあおって、いろいろな要求をさせ、混乱を起こそうとしている」
これ日本でもありますね。怖いです。労働者のみなさん、騙されないでください。
スイスの敵国が、スイスを攻撃する方法や策略 / 「民間防衛」より引用 P254
危機に瀕しているスイスに、人を惑わす女神の甘い誘いの声が届く

 全体主義国の新聞、テレビ、ラジオは、毎日、われわれに、忠告や、激励や、脅迫を繰り返す。例えばもしも、われわれが全体主義国に味方すれば、彼らは何の不自由もないようにわれわれを助けてくれるだろうと言ったり、またわれわれが同盟を結べば、その日からわれわれの状態は改善されるだろうと約束したり、そうかと思うと、もしも、われわれが先方の申し入れを黙殺すれば、最悪の災難が降りかかるだろうと脅迫したりする。
 ある新聞に掲載された編集コラムの一部:
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