本日はホワイトハート新刊で

椹野道流さん『焔炎奇談』
執筆活動に励む攻様のもと、父についての新たな情報が届く。
若き日の父を知るイギリス人が、京都に住んでいる。しかし
向かった地にすでに姿はなく、小さな油絵のみが残されていて?!
椹野さんのデビュー作にして人気作奇談シリーズの最新刊
新たな戦いに向けて主要キャラの顔出しも兼ねているのか
かつて攻様の父とともに仕事をしていた人物を探すお話と
攻様の友人の仕事場で起こる怪奇現象を解決するお話で構成。
前半の父親の一件では『妖僕』シリーズの二人が、
後半の怪奇現象事件には攻様の親友の監察医が登場します。
前半は今後の父子対決へのプロローグ的な内容で
かつて父のフィールドワークに同行していた人物を組織が発見、
安易な接触で彼に父の魔の手が伸びる事を心配した攻様に
妖魔でありながら骨董商を営む組織の裏の術者が助力し、
二人は彼の住む京都・美山に向かいますが、
目的の人物はその地を去った後でした。
しかし彼は攻様宛に小さな油絵を残します。
高島野十郎作と思われる蝋燭を描いた絵の裏板には
自筆と見られるメッセージが残されていました。
【ロウソクの炎は、上方へ向かって流れる砂時計】
このメッセージの示すものとは
この後、折角京都まで来たのだからと
神戸で監察医をする友人を訪ねた二人は
仕事場で起こる怪奇現象の解決に乗り出します。
5年前の遺体に関係した怪奇事件でしたが
こちらは無事に解決しています
場所と事件柄『鬼籍通覧』シリーズ的雰囲気も楽しめて
1作で3粒美味しいお得な1冊でした
長らく止まっていた奇談シリーズが再開し、
とっても嬉しいのですが、
攻様の父の伏線が色々と張られていて
何巻前から読み返せば良いのやら

長すぎて覚えていられない私はファン失格
主役二人は恋人同士ですが
攻様は父親の件で区切りが付くまでと
本作でもBL的展開は有りません。
無くても会話とか仕草とかにラブは溢れていますが、
早く二人がプラトニックを脱する日がきて欲しいですね