空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ロバは世界的な危機の中にあるーアフリカの庶民の生活とともに

2017-10-07 11:52:00 | Newsメモ
BBC Why are donkeys facing their 'biggest ever crisis'? 7 Oct 2017 By Alastair Leithead

The world's donkeys are facing a population crisis because of the huge demand for their skins in China, where they are used to make health foods and traditional medicine

 ロバが最大の危機に直面している―中国からの需要がむっちゃあがりまくって。中国本土では、えらいこと頭数がさがっていると:

China's donkey population dropped from 11m in 1990 to 3m today, based on government data

 そして、ロバはアフリカでは貧困層を含めて輸送・農業に重要なリソースであるわけで…まあ地域の産業に重大な影響を与えつつある。

In many places the price of a donkey has doubled in the past few years, and as thieves cash in, families are left unable to afford a new animal

 水売りのおにーちゃんの愛ロバが、あるあさ気付くと殺されて皮をはがれてしまっていた―とか。

 あまりにあまりで、諸国は中国への輸出を禁じる:

Uganda, Tanzania, Botswana, Niger, Burkina Faso, Mali, and Senegal have banned donkey exports to China

 新たな需要を生み出し、現金化の道を開いた点で、富裕になる道を開いた点で、貢献ではあるのだ:

"We are happy with the Chinese, because before there was nothing coming from donkeys, but so many people are benefitting from the donkey now today."

 …だが、現地経済に重大な打撃を加えている感が。というか、もはやこれ、飢餓輸出に近い(だからウガンダなどが輸出を禁じるのだろう)。

 あと、社会の貧富の差を拡大固定しかねない。水売りのお兄ちゃんの項を参照すればいい―以前なら末端行商人にも買える値段だったのに、いまではロバを買うなどできもせず、しかし商売をするにはロバ持ちのひとから一日ナンボで借りざるをえない。地主ならぬロバ主は、ロバを所有しているがゆえに不労所得を稼ぐことが出来、水売り行商人は家族を養うのもカツカツになる。

 水入りにーちゃんは、子供の学校の費用も払えなくなる。つまり子供は教育を得られなくなり、より高度な労働に対応して高い給料を貰う可能性を減じ、貧困が親子間で連鎖する可能性が高い。

 …うん、詰んだかな、これ…と思えてしまう。

 関連:「ロバの皮の需要が急上昇:南アなどで輸出制限・取締り(2017-01-27)」

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