空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ポーランドの諸自治体の「LGBTフリー・ゾーン」宣言

2020-09-29 18:42:05 | Newsメモ
BBC Inside Poland’s 'LGBT-free zones' 20 Sep 2020 By Lucy Ash

 小規模都市で「うちはLGBT・イデオロギー・フリーだよ!」という宣言を出す所がざっと100とかあるという(国の1/3ちかく)。
 …わざわざ宣言するんだから、”無害な”LGBT当事者にも圧迫になることは明らかと思うが、そうであっても言いたくなるほど「LGBTイデオロギー」がウザすぎた―というのは、まあ、現地の肌感覚のひとつではあるんだろう。

 …ああつまり『そんなことを言うとはお前は差別主義者だな! さあ、そんな差別主義は過ちだと認めろ! 自己批判せよ! 我々LGBTは尊厳あり、尊敬されるべき存在なのだ! さあお前は(ry』と怒鳴りつけてくる向きを嫌がったと。

In Poland, dozens of small towns have declared themselves free of "LGBT ideology". Politicians' hostility to gay rights has become a flashpoint, pitting the religious right against more liberal-minded Poles. And gay people living in these areas are faced with a choice: emigrate, keep their heads down - or fight back.

 …そのうえ宗教的に保守派の土地柄もあり、こうなるとLGBT当事者たちはちょっと選択を迫られる―と。
 …うちの国の場合、宗教的な忌避が(ほぼ)ない分だけ結構なことじゃないかなあとはいつも思う所。

 例えば私あたりだと、LGBTの存在の認知向上に賛成だし、非差別的取扱いに反対だし、個々人の性的傾向性の暴露はそもそも反対だし、まあ相当に親和的なのだが。しかし革命的に取り扱いを変えよとなると、民主的合意と予算との兼ね合いの問題ですかねと言おうとする。

 具体的にはLGBT対応特設トイレの設置に賛成かと言われればそりゃまあ賛成だが、予算確保の努力の主体は私じゃないよなと思うくらい。私、施設課職員じゃないよ? 議員でもない。予算権者等々に働きかけるのは、何よりまずは当事者と、そして当事者と連携した運動家かなと思う。その列に入ろうとしないお前は差別者なんじゃないのか!とか糾弾されるのは、まあ、素敵な体験とは言えないな。

Magazine editor Tomasz Sakiewicz shows me into his Warsaw office. To my surprise, he takes my hand - which I've just rubbed with the regulation disinfectant gel - and kisses it like an 18th-Century Polish nobleman.


Some 100 towns and regions across Poland, nearly a third of the country, have passed resolutions declaring themselves free of "LGBT ideology".

 まあこんな具合に―うちの国じゃ1932年に同性愛非合法の法律を解除した、そうした意味で先進的なわけだぜ? というプライドはポーランド人にはあるみたい:

Sakiewicz tells me people should be able to have sex with whoever they choose and boasts that in some respects, Poland is progressive. It decriminalised homosexuality in 1932, decades before most European countries.

But he is against what he describes as "aggressive ideology promoting homosexuality". The struggle for gay rights is a foreign concept imported from the US and Western Europe, he adds, and it threatens the traditional heterosexual Polish family.


 でまあ、ストレート側の見解ではあれ、それなりにうまくやってきたところ―西欧・米国から攻撃的なLGBT主義が流入してきやがった、というわけだ。
 …そりゃまあ、改善すべき点は当然にあるだろうが、だからといってフォーマットから何から、しかもその辺の理解が浅い―最近目覚めた程度の―連中にいわれたかぁねえや、と、まあ、そんなところだろう。

He adds: "We are the rainbow myth-busters. We are not aggressive. Our balloons are not provocative, our flags are not provocative. Our doughnuts are not provocative!"

 …まあその、それはそれでそうなんだが、近年は『私の視界に入るだけで私への加害だ!』と唸る向きもあって、どこでどう折り合いと闘争と武装中立とをするか、どうにも悩ましいのだ…。

One man, with a shaved head, tells me he doesn't like the LGBT group's message. "They don't want to fit into our society," he says. "And we don't want them in this town."

 この場合のtheyが誰か―はまあ、問われてもよいかとは。
 LGBT運動家の存在と主張等々とは別に、ざっと3%くらいの同性愛等々の非定型的というか、少数派が発生するのは自然のことであって、まあ自然に出てきてるんだから自然に生きられればいいじゃん(という感じに社会の常識や構成を調整していこうじゃん)という合意を取れるかどうか。

 いやだってどうしたってLGBT側は少数派なんであって、肩身はそりゃあそこそこ狭いさね。
 他方、恐らくLGBTの存在さえも許容しないようなアンチも3%くらいはあろうところで(ホモフォビアってやつだ)、彼らみたいな見解を社会全体に押し通すのは宜しくないが、ならばLGBT側だってそんなに出っ張れないだろう―ということになろう。
 だいたい、3~10%もいるような大規模派閥なら、相互扶助でもなんでもしてくださいよ! 我々のほうこそ少数派であって、我々を援助すべき資源を奪わないでください! と更なる少数派に言われても困っちゃうだろう―在日韓国人は1.5%かそこらだっけか? 

"They are weakening the nation," says another. "And that's the goal of Poland's enemies. War's no longer about tanks and missiles. You destroy a country by making chaos. And that's what these gays are trying to do."


 こうまで社会の敵扱いせんでもよかろうがと思うが。

 …まあ、その。運動家側とすれば、運動の組織化等々で理論と実践との裏付けのある人々の援助を受けるのは合理的であるにせよ、微妙に入り込んでくる「イデオロギー」とどう対峙するかは問われるだろうなあと思う昨今。これはLGBT側もアンチ側も、どっちみち同様。そしてLGBT側は、そもそも少数派であることからしてそもそも分が悪い勝負だと認識できるかどうかも問われるのだと思う。


 あとねえ、敵と見做せば即、殲滅対象に分類するのも、できるだけ控えたほうがいいと思うよ?

Back at the town hall in Tuchow, the mayor, Magdalena Marszałek, tells me her non-executive role prevented her from voting for or against the LGBT resolution herself. But she tells me she is not against gay people and was appalled when she received hate mail from all over the world. She's since posted a long statement on Facebook in which she complains that Tuchow has become a pawn in other people's games.

 そーゆーとこやぞ、というのは、まあ、その、双方について。

 まあその、私としては

BBC Saudi Arabia to host first Ladies European Tour golf week with back-to-back tournaments 28 Sep 2020

Saudi Arabia is to host its first professional tournaments for women in November, with two Ladies European Tour events scheduled to take place.

The Saudi Ladies International will be held from 12-15 November, with the Saudi Ladies Team International from 17-19 November.


"We are thankful to their commitment to deliver not one but two tournaments, in what has been a difficult year for golf."

 サウジアラビアが女子プロゴルフツアーを2件も開催してくれるというのについて、「そりゃあ素敵だ」「サウジもよくやったねえ」と称賛する、漸進的な立場をとるものである。
 …革命家はサウジの女性抑圧についていろいろ言うだろうけど(そりゃ私だって幾つか言える)、だからといってこの女子プロゴルフ・ツアー開催は―しかもCovid-19の苦難のなか―意義深い、着実な前進であると評価したい立場だ。

【LGBT問題】【フェミニズム問題】【サウジアラビア問題】

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