BBC mews, Africa Somalis move bodies after clashes Friday, 27 April 2007
モガディシュ市民は路上に放置されていた死体にしかるべき処置を始めた。回収し,モスクへ運び,埋葬の準備をする。気の滅入る作業はしばらくつづくことでしょう。武装強盗は市中を徘徊し,商店主は不当な価格を商品につける。陥落直後の都市の風景です。
北部地区からは男たちが逃げていっている由。政府側から,insurgentと誤認されて逮捕されてはたまらないから。エチオピア兵は人々の肘や手を調べ,武器を使った痕や傷がないかチェックしているという。
勿論,誤認逮捕が多数あるだろう事は想像するまでもないですわね。報道機関に住民曰く,「彼らは家々をまわって,人々を逮捕しているThey are moving from house to house, arresting people」。…まあ,peopleとinsurgentsを区別する,明確な標識なんかなさそうではあります。そんな組織だっていたら,それはもうclan fightersとはいえない気がしませんか。
ちなみにCNNの関連記事:Somalia capital peaceful; government says rebels routed April 27, 2007
…言葉が激しいんですよね,CNN。Iraq-style insurgencyとか。実際その口から発言されたのでしょうが,Arab-style explosionsとか。あまり好きじゃないなあ。
UICがほんとに単なる「連合」だったのは,彼らにとって寧ろ不幸なことだったかもしれない。エチオピア正規軍の圧力の前にあっさり瓦解,「ゲリラ戦だ!」と指導者が宣言した割には暫くは散発的銃撃程度。まるで兵員も装備も,ケニア前面のアフリカの平原に吸い込まれたかのようでした。時折,ロケット砲で飛行機を狙うなどしたようですが,まるでそれは虎の子の扱いを思わせるほど。
十分調整され,考えられた攻撃は,ユースフ大統領がモガディシュに入ったあたりから始まったかと記憶してます(記事掘り起こし省略)。今思えば,それは示唆的だったかもしれない。
激しい戦闘は,エチオピア・暫定政府両勢力がモガディシュを完全に支配下に置こうとしてからのことと記憶してます(同上)。
ユースフ大統領はDarod氏族出身。同一氏族を重用することで非難される。Hawiyeとしては,そんな彼が首都で力を揮うのは面白くない。氏族間抗争・エチオピア,オガデン地方の分離運動との関係などの面からの分析解説記事:
BBC news, Africa Clan divisions behind Somali violence By Noel Mwakugu Thursday, 26 April 2007
個人名による記事。やや感情的な,抑制しきれない感情の迸りが散見される,そんな文章。その点,やや注意は必要ではありましょう。商業中心地バカラ・マーケットは平らにならされてしまった,十字砲火に殺害された死体は腐り,首都の虐殺carnageを生き残った人も病院で重傷の身の手当てを受けている,メディーナ病院では資材が足りず,云々。こうした大混乱に関わらず,世界の諸政府はただ傍観している…。
まあ大まかには氏族単位の利害対立,でいいんでしょうけど。ざっくりしすぎな説明の気がします。そこにはいろいろ企業家がいたりさまざまな網の目をくぐって儲ける種類の人たちがいたりで,個人の動きが全体を作っているというのも一方の真実。そんなややミクロな視点も絡めて説明するのは:news Somaliland ソマリアの無政府状態が嬉しい人達の話 (2007-04-26)。
最後にBBC In pictures: Somalia battle ragesから今のソマリアの様子をお届けします(ニュース番組風に)。うわ今日はすごい長文にっ。
モガディシュ市民は路上に放置されていた死体にしかるべき処置を始めた。回収し,モスクへ運び,埋葬の準備をする。気の滅入る作業はしばらくつづくことでしょう。武装強盗は市中を徘徊し,商店主は不当な価格を商品につける。陥落直後の都市の風景です。
北部地区からは男たちが逃げていっている由。政府側から,insurgentと誤認されて逮捕されてはたまらないから。エチオピア兵は人々の肘や手を調べ,武器を使った痕や傷がないかチェックしているという。
勿論,誤認逮捕が多数あるだろう事は想像するまでもないですわね。報道機関に住民曰く,「彼らは家々をまわって,人々を逮捕しているThey are moving from house to house, arresting people」。…まあ,peopleとinsurgentsを区別する,明確な標識なんかなさそうではあります。そんな組織だっていたら,それはもうclan fightersとはいえない気がしませんか。
ちなみにCNNの関連記事:Somalia capital peaceful; government says rebels routed April 27, 2007
…言葉が激しいんですよね,CNN。Iraq-style insurgencyとか。実際その口から発言されたのでしょうが,Arab-style explosionsとか。あまり好きじゃないなあ。
UICがほんとに単なる「連合」だったのは,彼らにとって寧ろ不幸なことだったかもしれない。エチオピア正規軍の圧力の前にあっさり瓦解,「ゲリラ戦だ!」と指導者が宣言した割には暫くは散発的銃撃程度。まるで兵員も装備も,ケニア前面のアフリカの平原に吸い込まれたかのようでした。時折,ロケット砲で飛行機を狙うなどしたようですが,まるでそれは虎の子の扱いを思わせるほど。
十分調整され,考えられた攻撃は,ユースフ大統領がモガディシュに入ったあたりから始まったかと記憶してます(記事掘り起こし省略)。今思えば,それは示唆的だったかもしれない。
激しい戦闘は,エチオピア・暫定政府両勢力がモガディシュを完全に支配下に置こうとしてからのことと記憶してます(同上)。
ユースフ大統領はDarod氏族出身。同一氏族を重用することで非難される。Hawiyeとしては,そんな彼が首都で力を揮うのは面白くない。氏族間抗争・エチオピア,オガデン地方の分離運動との関係などの面からの分析解説記事:
BBC news, Africa Clan divisions behind Somali violence By Noel Mwakugu Thursday, 26 April 2007
個人名による記事。やや感情的な,抑制しきれない感情の迸りが散見される,そんな文章。その点,やや注意は必要ではありましょう。商業中心地バカラ・マーケットは平らにならされてしまった,十字砲火に殺害された死体は腐り,首都の虐殺carnageを生き残った人も病院で重傷の身の手当てを受けている,メディーナ病院では資材が足りず,云々。こうした大混乱に関わらず,世界の諸政府はただ傍観している…。
まあ大まかには氏族単位の利害対立,でいいんでしょうけど。ざっくりしすぎな説明の気がします。そこにはいろいろ企業家がいたりさまざまな網の目をくぐって儲ける種類の人たちがいたりで,個人の動きが全体を作っているというのも一方の真実。そんなややミクロな視点も絡めて説明するのは:news Somaliland ソマリアの無政府状態が嬉しい人達の話 (2007-04-26)。
最後にBBC In pictures: Somalia battle ragesから今のソマリアの様子をお届けします(ニュース番組風に)。うわ今日はすごい長文にっ。
この記事で teiresias さんが紹介された CNN のニュースを読みました。FOX も ワシントンポストも二言目にはイラクイラク言いますよね。
ソマリアはイラクに比べると知名度もない紛争地域ですが、紋切型に「イラクのような」と表現してしまうと、ソマリアの問題の背景にある氏族社会のゴタゴタとか、個人主義な民族性とか、そこら辺が切り捨てられちゃってソマリアの人がかわいそうです。
イラクの紛争はイラク特有のものだし、ソマリアの紛争もソマリア特有です。
でも自爆攻撃は "Arab-style explosions" か・・・。アラブの人もこんな攻撃方法にアラビア式とか付けられて嫌でしょうね。かなり昔の話ですが、自爆テロに "Harakiri Attack" とか付けたアメリカの新聞を日本の誰かが批判してた事を思い出しました。