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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

海賊被害:南アフリカのヨットの件

2011-02-01 21:52:42 | ソマリア関連
 南アフリカ国籍,Bruno Pelizzari・Deborah Calitzのカップルが乗ったヨットは10月,タンザニア沖でソマリアの海賊にハイジャックされた:

BBC South Africa families plead with Somali pirates 1 February 2011

 そしてその家族は,1000万ドルの身代金要求を受けて,海賊に家族を解放してくれるよう願う。

「我々は諸君に,彼らを返してくれるよう願う。彼らはただのアフリカ人だjust ordinary Africans,諸君自身と同様の問題を抱えた―我々は金持と言うわけではない」。

 Ms Calitzの兄弟,Dale van der Merweは,そんな額の身代金を支払うことはできないと語り,人質の身の安全を懸念する。先月,海賊の一員を名乗る者が接触したが,彼の姉妹との直接連絡は拒絶された由。

 南アフリカの外務省としては,外交上の支援はするが,身代金は支払わない方針。「政府は海賊との如何なる交渉にも関与しない。我々の方針としては,身代金は支払わない,というものだ」。外務省報道官Clayson Monyelaは言う。

 ヨット持ってる程度の”小金持ち”に1000万ドルか。まあ無理さね。

 しかしまあ,こういう,民間人を大いに苦しめる海賊,とれそうもない所に非現実的な身代金を要求して家族に苦しみを増す海賊の姿をみて,なおも内戦で喰い詰めた漁師達のケアが最も重要とかいえるかなーとか思う。いやあの,ヨットもってるよーなブルジョアにその収奪の罪の報いをくれてやれとかそーゆールサンチマンがあんのかもしんないけど,『ほら金持ち,払えよ,一兆億千万円。ほら払えよ,早く。金,持ってんだろ?』的な吹っかけ方もどーよ。(暗黒街的な意味での)ビジネスになってさえいないじゃない…。ただの無差別無分別な暴力行使に過ぎないよ,これ。


 まー,食い詰め漁民が海賊に流入してるってことは,それはそれで一面の真実でしょう。けど,だからって免罪されるとは限りませんからね?
 不当な大儲けで御殿建てることができた人たちもいる。御殿たてたとくれば,”生きていくためには仕方なかったんですぅ!”って言い訳にはならんよね。
 でまあ,そこまで行けない人たちも多々いるかとも思われる。―つまり,(先に社会的に・または海賊活動で)成功した人たちが出資する海賊事業の下働きに参入してきた人たち。この場合,確かに,”食い詰めた若者たちのケア”が必要だろうけど,

 それは『海賊ビジネスに利益を安定的に供給すること』を一意的に意味しはしないよね。

 だいたい,今の海賊ビジネス・モデルを継続させること自体,現地の悪徳資本家(あーその,『資本家は必ず悪です!』って意見的にも悪だし,誘拐・監禁・脅迫・略奪の組織的常習犯という意味でも)をのさばらせ続けることを意味するので。全人民の平等・解放を唱える立場的にも,全人類の平和と平等を唱える宗教的立場としても,海賊ビジネスをのさばらせる理屈が立たないよーに思いますが,どんなもんでしょうね。

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