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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

プントランドは誘拐事件解決に軍事力行使を辞さない:ソマリア

2008-07-06 14:09:25 | ソマリア関連
 今回,長文になる感じ。

 6月24日,アデン湾上の海賊・誘拐事件が報ぜられました(Garowe Online Pirates 'seize family off Yemen' Jun 24, 2008,元記事はBBC)。この件については情報が錯綜し,ヨーロッパ人4人が被害になったとか,いわれたようですが,被害者はドイツ籍のデンマーク人・フランス人の夫婦のようです(Garowe Online Kidnapped European couple in Somalia 'safe' Jul 1, 2008)。

 この特種については転載騒動がオマケについてたりしますが(Garowe Online A Somali website plagiarises Garowe Online content Jul 4, 2008)―

 ともかく,犯人グループは12名。サナーグの山岳地帯に隠れて,100万ドルを要求していたということのようです(Garowe Online Somalia: Pirates demand $1M ransom for 4 Europeans Jun 26, 2008,元記事AP)。

 さて,現場はサナーグ。プントランドとソマリランドが領有を争う地域です。
 そこの治安位置はどちらの責任か? 双方が治安部隊を派遣したのだそうです。そこで地元長老らは,平和解決を目指し,双方に兵を退くよう要請。プントランドは応じて兵をGaroweに退いたそうですが,ソマリランド軍の機動が尋常ならざる雰囲気を漂わすようです。

Garowe Online Somaliland weighs military option to release German hostages Jul 5, 2008

 検問を周囲に巡らし,力でもって犯人を制圧する構え。地元長老はこの地の緊張を高めるものと懸念する。

 …実際のところ,プントランドには治安部隊を動かすお金もないのでして,兵を退きたくなる気持ちも分かります。地元長老の面子を立てるという大義名分もあります。ですが結果として,サナーグの支配権がどこにあるのかという点について,影を落としたといわざるを得ません。

 のほほん国家の市民としては,『誘拐事件なら警察の事案よっ! 軍を出すなんて軍靴の音が』とか言いたくなる気もないではないですが,所詮あのへんの軍隊・警察の差なんか,重砲を装備してるかしてないか位でしかあるまいとも思えます。どっち道,最強陸戦兵器はたぶん武装ピックアップです。

 さて,曲がりなりにも軍です,たかが12名の誘拐犯如き鎧袖一触,なんの緊張の高まりがあろうかと思われるかもしれません。

 …問題はここで。恐るべき事に,未確認情報ではあるのですが,プントランド兵150名ほどが誘拐犯に加勢したとか…。 

 …私は思わず口をあけてあきれ果ててしまいました…。

 一応仮にも軍人です,150名ともなれば相当の戦力。サナーグの長老としては,できるだけできるだけ穏便にカタが付いて欲しいところでしょうねぇ…。

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