空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

移民は移民センターへ移動されるべきであるー内務省

2018-10-14 11:12:20 | Newsメモ
関連:「移民賛成派市長が自宅軟禁へ(2018-10-02)」

 イタリア、Riace。移民受け入れで有名な町長Domenico Lucanoの自宅軟禁から数日。中央政府は、移民はこの町からmigrant centresに移送されるべきであると発言。

BBC Italy: Migrants in Riace to be transferred away 13 Oct 2018

 …「人命救助でもある移民対応に積極的な町長になんてことを!」と言いたい向きは大いにあろうが、移民プロセスを便利に進めるために結婚制度を利用した疑いでの逮捕である。そんな目的外使用を示唆するような発言は、まあ実際に行政のトップにいるひととしては不適切だっただろう。

 …2000人規模程度の町に空き家を利用してのon-the-jobトレーニングを…というのは、小さな町での試みであればこそ効果的ではあるが、反倫理一歩手前の手法でプロセスをスキップする手法が採られていたりすると、これが「蟻の一穴」になりかねない。具体的には犯罪組織による人身売買の蔓延になりかねない。つうか世界的に便利につかっている手法なので、流石に取り調べはしたくなる。

Interior minister Mattei Salvini and his right-wing League party said his arrest showed their government had "declared war on the immigration business".

immigration business」と言う表現は、単にレイシスト極右の不当な侮辱的言辞にすぎない、とはいえないのだ。

 でまあ、Riaceで行われるようなステキな夢の政策を下支えする資金はどこから出るでしょうね? という疑問は、ユートピア社会主義者に対するマルクス流の批判以来の定番であるはずで、なんというかおとなしくマルクス主義を学んでいてください、というか学校で教えて置けよ、というか…。

Some government critics said the mayor's only crime had been one of humanity.

 humanityは便利な用語・擁護でもある。だがこの際、悪くいうなら、町長の身でありながら法的プロセスを蔑ろにした疑い(市民社会の維持への敵対)、難民女性を戸籍を誘因として結婚させるという女性の人身保護に対する危うい判断(人身売買になりかねない)、結婚制度の悪用の疑い(人権問題であり宗教が関わる人倫の問題でもある)、さらにこの町長はゴミ処理会社に便宜をはかったが、これは”Riace人と難民とに仕事を供給する”協力会社であったりする、というわけで、難民を「キツイ・キタナイ・キケン」な職に”押し込む”労働問題もあり―。

 ―善意だからおーるおっけー☆とは弁護しきれない、善意でカバーできる範囲を容易に乗り越える危うい手法であるのは確かなのだ。

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