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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

首都近辺のHizbulIslamに動きあり―配置転換?と政府への投降

2009-10-15 18:00:00 | ソマリア関連
Garowe Online Somalia: Hizbul Islam rebels ‘vacate’ Mogadishu posts Oct 14, 2009 - 2:37:34 PM
 モガディシュ発,10月14日。Hizbul IslamはモガディシュのWardhigley,Kaaraan,Shibis,Yaaqshiid区の持ち場を離脱した由。その空白はAlShabaabによって埋められたという。
 Garowe Onlineがいうinsude sourcesによれば,Hizbul IslamはHiranへの増援を企画中とのこと。

 両派は政府軍(及びAMISOM)に対しては共闘関係にあり,モガディシュにおける持ち場の引き渡しがあったと理解することは可能です。
 しかし,南部Kismayoでは武力衝突をする間柄であり,またHiranや中部ソマリア方面ではHizbul Islam要人の暗殺があり(しかもAl Shabaabの犯行と目され),必ずしも関係良好とはいえません。

 Hiranへの増援も,対エチオピア・暫定政府軍の意味もあろうし,支配権確立・強化のためもあろうところ,目的の一端にはアルシャバブ介入の排除・予防もあろう。

 大変微妙な,評価に困る動きであるかと。
 何れにせよ,モガディシュ激戦区でアルシャバブはヒズブル・イスラムになり替わり,独力で政府軍・AMISOMと対峙することになるわけで…これは貧乏くじといわないか。

 モガディシュ近辺の情勢は錯綜してきた感があり―先日の,Elasha Biyaha村におけるHizbul Islam指揮者Ahmed Abdirahman Odawa(Taliban/Daliban)暗殺をめぐって,Sheik Mohamed Mo’allin Aliが捜査を行う旨,語った:

ShabelleMediaNetwork Islamists say they will search the case of official’s killing 10/12/2009 6:04:00 PM

 なお,Kenyaを,ソマリア国内に軍閥を作ろうとしているとして非難。これはケニア国内でソマリ人が兵として募集されているという話に応じたもの。

 他方,

ShabelleMediaNetwork TFG disclose more Islamist fighters with a battle wagon from Hizbul Islam 10/13/2009 5:11:00 PM

 ソマリア暫定政府は,問題のElasha Biyaha村にあったHizbul Islamの一団(の指導者)Shuke Abdirahman Adowaが政府側に加わったこと,19名の兵・battle wagonとともに公表。この件はSheik Mohamed Mo’allin Aliも認めたので,確実なニュースでありましょう:

ShabelleMediaNetwork Hizbul Islam confirms that some of their troops joined to the Somali government 10/14/2009 5:16:00 PM

 曰く,彼ら(離反者)らは熟慮のうえ政府側に加入するに至ったもので,彼らはElasha Biyahaでの指導者の殺害に"they were very sorry"であった。

 例の暗殺の件の捜査報告は,なし。

 この"veru sorry"の意味合いがどこにあるのかは,情報が少ないし不明としておくべきかと。
 彼らが直属の指揮者(Taliban)に従うのに疲れて殺害,Hizbul Islamを離脱した可能性は勿論ありますが,この場合,Hizbul Islamの組織内部のゆるみが露呈した,という理解になりましょうか。
 または,敬愛する上長を暗殺したアルシャバブに直接の復讐を遂げるため鞍替えしたという物語もありえましょう。

 微妙なタイミングの微妙な小事件に,意外な未来の示唆が隠れていることもある。ですので,日々ニュースをチェックするのは必要なことですが,しかしこーゆーのは基本,ソマリア趣味者にしか意味ない情報だし。だから毎日アフリカスレに書き込むのもなんだかなとも思い,自分では滅多に書き込まないのでありました。

 まあほら,あそこの住民のその手の趣味の人はここ,チェックすることにしてるっぽいし。別にことさら書き込まんでも用は足りてるだろうと。


 追記―アルファベット表記の安易なカタカナ変換は注意すべきか。
 Elasha Biyaha村で暗殺されたHizbul Islamの指導者の二つ名はTaliban/Dalibanで二種あります。Garowe OnlineはTalibanとし,Shabelle Media NetowrkはDalibanとします。背後に想定されるのは,発音とその文章上の正規表現との差です。

 私は「キスマユ」としますが,これも表記はKismayo,Kismayu二種見ます。カタカナ表記もキスマユ,キスマヨと二種見ます。恐らくこの場合,語末のoはかなり短い音で,場合によってはuと聞こえる―というか,実際にuと発音されるんだろうなーと推測し,また実際「キスマユ」表記も相当あるようなので,これに従ってみたのであります。

 アルシャバブにしても,英語ソースではAl Shababですが,Garowe Onlineは通例Al Shabaabとしてまして,なにか発音の差異があるようです。シェマルケ首相の表記についても揺れがあります。

 アルファベット表記のままにするのは,ある程度,慎重になってみた結果なのだということ,ご理解頂ければと。

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