「山本作兵衛コレクション」展から
現在、九州・山口の近代産業革命遺産が世界記憶遺産に登録されたのをうけて、
登録されなかった関連遺産(竪坑櫓と炭坑節の二本煙突)のサイトに立っている
当館でも、上記のコレクションから26点の原画を選んで展示しています。
その中で、若い坑夫をいじめて恨みを買い、寝ているところを襲われ、切り殺された
ヤマの乱暴者の伝聞を描いた墨絵があります。
(画像は著作権等の関係で揚げられません)
殺された男の幽霊が逮捕されて未決監にいる若者の前に夜な夜な現れ、若者は狂い死にしたと書かれています。
面白いのは乱暴者の幽霊の描き方で、髪の毛と髭が逆立ち、白い死に装束はぎざぎざの線になっていて、
おどろおどろしい描き方ですが、むしろユーモラスに見えます。
このようにユーモアを感じさせる描き方は多くの作品に見られ、
それらからは長年の苦労を乗り越えてヤマとヤマ人を愛し描いた作兵衛翁の温かな人間性が感じられます。
ご来館の上、他の作品と共にお楽しみください。