田川市石炭・歴史博物館のブログ

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田川のコト 第八回:田川郡⑤大任町

2017年05月17日 | 日記

みなさん、こんにちは!

田川のコトを、少しでも多くの方々に知っていただこうというこのシリーズ。
第八回は、田川郡の中心に位置する大任【おおとう】町についてデス♪

第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 第六回 第七回

英彦山を源流とする「彦山川」が町の中央部を貫く大任町は、肥沃な平地に恵まれた農村地帯デス。
ですが、南部の添田町や西部の川崎町と隣接する丘陵地帯を中心に石炭の採掘が行なわれまして、古河財閥の「大峰炭鉱【おおみね】」などがありました。

現在は廃線になっておりますが、香春町から添田町を結んだ国鉄「添田線」が通っており、その跡地は道路として整備されており、桜を中心とした樹や花が植えられ、花の町としても知られてイマス。

ちなみにこの添田線、もちろん石炭の輸送が行なわれていたワケですが、石炭産業が衰退した後は、根本的に周辺の人口も少なく旅客としては非常にキビシイ経営を強いられていたそうで、「日本一の赤字路線」という汚名を付けられたカナシイ過去もあるそうデス。。。

しかし、現在は彦山川に自生する「しじみ」や農村地帯で栽培される「農産物」、そして「花の町」として再生を遂げようとしてしておりマス!

それでは、そんな大任町について、いくつかご紹介しまショー!

◆大任町の人気スポットといえば「道の駅おおとう桜街道」さん。
直売所アリ、食事処アリ、立ち寄り温泉アリ、お子さん用の遊具アリ、さらにドッグランまでアリと大人気の道の駅。

年末年始のイルミネーションや、日本最大級の門松など話題に事欠かない施設で、当博物館とセットで訪れる方も多いデス。



特に話題になったのは「1億円のトイレ」!



自動演奏のピアノが流れる、超高級ホテルのようなトイレは一見の価値アリ!カモ。

◆油須原線の鉄道遺構
先述の通り「日本一の赤字路線」と言われた国鉄「添田線」ですが、この路線は北(香春町)から南(添田町)を結ぶ路線でした。
その中央である大任町を東西に貫いて、西(川崎町)から東(赤村)までを結ぶ鉄道路線が計画されていたことをご存知でしょうか?

その名も赤村の油須原駅の名前を取った国鉄「油須原線」といいまして、ほとんど出来上がっていたそうなのですが、国鉄の赤字が膨大なものとなり、結局運行することはありませんでした。
それらの鉄道遺構は、現在も取り壊されることなく残っている場所もあり、不思議な風景を作り上げておりマス。

彦山川に掛かるコンクリート製の鉄道橋だとか。



ツタに覆われた川崎町へ抜ける鉄道トンネルの入口トカ。



このように、なかなか大規模な鉄道遺構が残っておりますですヨー。

◆大任町の炭鉱遺構
添田町や川崎町と同じく保存、整備された遺構は残っておりませんが、川崎町との境には「古河大峰炭鉱」の大型な炭鉱遺構を見ることがデキマス。



ススキの中に隠れて見にくいですが、巨大なコンクリート製の選炭設備と思われる遺構(上の写真)や、シックナーというコチラも選炭に使われた円形のコンクリート製遺構などを見つけることができマス。



近くにはダイナマイト倉庫と言われている建物や、煉瓦製の遺構なども残っており、立地的に山奥なため閉山後の開発が進まなかったこともあり、豊富な遺構が見られるのもココの魅力です。

もちろん立入禁止の場所や私有地にあるものも多いので、もし見学に行かれる際はマナーを守って、周辺の方々に迷惑にならないように十分ご注意くださいマセ!

と、今回は「大任町」についてご紹介させていただきました。

田川市郡のご紹介も残り2つの町を残すのみとなりマシタ。
またお休みの日にフィールドワークしてまいりたいとオモイマスので、ご期待は控えめに、お待ちくださいませー!!


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田川のコト 第七回:田川郡④赤村

2017年05月10日 | 日記

みなさん、こんにちは!

田川のコトを、少しでも多くの方々に知っていただこうというこのシリーズ。
第七回は、田川郡唯一の村である赤村【あかむら】についてデス♪

第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 第六回

筑豊炭田の最東端となる赤村では、田川郡で唯一石炭の採掘が行なわれなかった地域です。

そのため、古代から続く農業や畜産といった第一次産業や、美しい自然が手付かずのまま残っているのが赤村の最大の特徴であるとも言えマス。

また、赤村は分水嶺でもあり、西側の川は金辺川~彦山川~遠賀川と流れ玄界灘へ、東側の川は京築方面へ今川として流れて周防灘に繋がってイマス。

先述の通り、炭鉱の遺構はありませんが、現在「平成筑豊鉄道【へいちく】田川線」として運行されている鉄道路線は、田川市の伊田と行橋市を結んでおり、豊前経由で宇島港【うのしまこう】や門司港などへ石炭を運ぶために豊州鉄道によって造られました。
その開通は1895年(明治28年)です。九州で最初の鉄道である「博多(福岡)-千歳川(久留米)」間の開通が1889年(明治22年)ですので、非常に早い段階で敷設されていると言えマス。

そのため、鉄道については色々と面白いものが残っております。

それでは、そんな赤村について、いくつかご紹介しまショー!

◆赤村の直売所といえば「赤村特産物センター」さん。
以前ブログでもご紹介しましたが、新鮮で美味しい農産物が買えるということで、遠方からも人が訪れるこちらの施設。



安くて美味しいお昼ご飯が日替わりで色々と食べられることでも人気デス。
ちなみに今回伺ったときは、人気の「ばっちゃんカレー」食べ放題350円ナリ。



食べ放題という言葉にドーモ弱い、ワタクシ博物館スタッフですが、流石にカレー2杯でギブアップでした(汗)。

なお、赤村特産物センターの農産物や加工品などは、毎週水曜日の朝、当館併設の「シルバー館おもてなし」さんでもお買い求めいただいていましたが、

今月から販売は終了しています。

◆赤村の観光施設といえば「源じいの森
村の最奥部に位置するこの施設は、温泉、キャンプ場、バンガローなど自然を楽しむ設備がしっかり揃ってイマス。



自然あふれる場所なのですが、先述のへいちく田川線が横を通っておりますので、目の前に駅(源じいの森駅)があり『スゲー山奥なのに駅前にあるキャンプ場施設』という、あまり例のないポジションで大人気デス。

なお、コチラには鉄道好きには見逃せないモノがふたつありマス。
ひとつは、石炭・石灰石輸送の鉄道にも連結されていた車掌車『ヨ9001』の静態保存車デス。



車掌車とは文字通り車掌さんが乗る車両のことで、現存しているものは数少ない貴重なモノです。
美しいブルーの車体色は、100kmの速度での輸送に使用できるというシルシなんですヨ!

お次は、九州最古の鉄道トンネルである『石坂トンネル』デス!



写真で見る通り、トンネルと線路の位置が右に寄ってると思いマス。
これは、後に複線化されることを予定していたため大きく造ったのですが、結果複線化されなかったためこのような風景になってしまったトカ。

◆赤村の鉄道
先述の通り、赤村を貫く田川線は単線です。そのため、衝突や追突事故を防ぐための安全管理を行なわなくてはなりません。
現在の田川線では人手を介さない自動閉塞(電子符号照査式)というやり方で、信号を自動で切り替える方式に替わっておりますが、平成に入るまでタブレット(通票)での閉塞が行なわれておりましたため、その名残がまだ残っておりマス。



上記の写真は、「通票受器」と呼ばれる設備で、赤村の油須原駅【ゆすばるえき】のホームに設置されておりマス。
このグニグニの部分に、列車を走らせながらタブレット(通票)の入ったタブレットキャッチャーを引っ掛けて閉塞区間を出て行くというものだそうデス。

なお、鉄道の閉塞につきましては、以前のコチラのブログもご参照くださいマセ♪

と、今回は「赤村」についてご紹介させていただきました。

次回は、どこの町村になるのか!?
ご期待は控えめに、お待ちくださいませー!!

コメント (3)
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コールマイン・チャレンジ!石炭を燃やそう!

2017年05月05日 | 日記

5月5日・こどもの日の本日、博物館では毎年恒例の「コールマイン・チャレンジ!石炭を燃やそう!」を開催しました

学芸員が石炭の成分や火をつける方法などを説明しながら、石炭を燃やしていきました

 

燃えた石炭のにおいや煙など、今ではなかなか体験できない貴重なものです

来年も同じ日に「コールマイン・チャレンジ!石炭を燃やそう!」開催しているはずなので、

今年参加しそびれたという方は、来年ぜひぜひ博物館へお越しくださいね

 

 

ちょっとですが、コールマイン・チャレンジの様子をご紹介します。

興味があるよ~という方は、下のURLをそれぞれクリックしてみてくださいね。(YouTubeに移動します)

https://www.youtube.com/watch?v=YdynvkbtZ-8
↑来館者の方々も石炭を手に取り、火の中にくべていきました

https://www.youtube.com/watch?v=uNKDSb73EGg

↑燃えた石炭のにおいや煙などを体験してもらいました


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鮭神社

2017年05月02日 | 日記

みなさん、こんにちは!

さて、タイトルの鮭神社ですが、何と読みましたか?

「シャケ ジンジャ」!?

うーん、惜しい!

「サケ ジンジャ」と読みます。

漢字の通りサカナのサケ、白鮭【シロサケ】(アキアジ・サーモン)を祀った神社デス。



さてさて、この鮭神社、どこにあるでしょう?

「北海道」!?

うーん、惜しくない!

実は、田川市のお隣『嘉麻市』にアリマス。

鮭の本場、北海道十勝地方の広尾町にもあるのですが、こちらは1983年にこの嘉麻市の鮭神社から分社されたモノです。
※これらとは別に、島根県の雲南市にも同じく「鮭神社」がアリマス。

ここでギモンなのは、ナゼに九州の山深い農村地帯である嘉麻市にあるのかという点です。
この神社の近くには、筑豊のシンボルのひとつでもある『遠賀川』が流れているのですが、この遠賀川、以前は鮭が産卵のために遡上していたんデス!

この遡上してきた鮭を『海神様の使い』として奉っているのが、鮭神社なんですネー。
1200年以上の歴史があるそうですが、縄文時代の貝塚から鮭の骨が出土することもありますので、日本人にとって鮭は身近なモノだったとオモワレマス。

近代になってからの開発や、特に筑豊においては遠賀川が石炭輸送に使われたり、人口増や選炭のための汚水の増加で汚染されてしまったことで、鮭が自然遡上してくることはなくなりマシタ。。。

しかし、筑豊の炭鉱が閉山して10数年が経過した昭和53年、清浄化された遠賀川に鮭が帰ってきたんデス!
その後、現在は稚魚の放流も行なわれており、毎年のように鮭の遡上が見られるようになりました。

なお、境内には嘉麻市指定天然記念物である『夫婦クス』があります。
樹齢700年とも伝えられる二股のクスノキは一見の価値ありますヨ!



当館にお立ち寄りの際、もしも嘉麻市方面まで足を伸ばされる際は、ぜひ鮭神社にお参りしてみてくださいネ♪

【重要なお知らせ】
田川市石炭・歴史博物館本館の再オープンについて


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