百醜千拙草

何とかやっています

チャベス大統領死去の後

2013-03-08 | Weblog
チャベス大統領死去とのニュース。これから南米はどうなるのでしょうか。
オバマは多分、南米をこれまでのように力ずくでコントロールしようという気持ちは余りないでしょうから、チャベス大統領が居なくなったからと言って、何か劇的なことが起こる事はないだろうと思います。しばらく前のシリアの内戦からイラン侵攻という筋書きも実現しませんでしたし、アメリカの(すくなくともオバマの)本音としてはち外国に構っている余裕はないというところでしょう。
世界でやりたい放題やってきた無法者アメリカの時代が終りつつあるような気がします。これからは、ちょうどかつてのヨーロッパ諸国が植民地主義で諸外国の犠牲の上になりたっていた物質的な栄華を失ったように、アメリカも単なる一つの国になっていくのかも知れません。それによって中国やインドがアメリカに取り代わって世界を支配してやろうという野望を拡げないのであれば、アメリカの没落はよい傾向ではないでしょうか。しかし、もはや、国境はあってないに等しく、国よりも企業の力の方が強い時代です。日本が消滅しても日本発の企業は残るでしょう。国という概念はそこに住む人々の安全と生活を確保するものでした。それがグローバル企業の台頭や彼らが後押しするTPPなどによって、国の機能が制限されていっています。逆に国民を守るはずの国が、国民の富を狙うそうした企業の手先となって「改革」を進めようとしています。鳩山政権を除いてこの十年余りの日本の政権のしてきたことを見れば明らかです。

ともかく、カストロが引退し、反米チャベスが去って行ったことによって、アメリカと南米の関係は新しい局面に入って行くことになります。それはこれまでよりも穏やかなものになるでしょう。アメリカの力がなくなり「国」というものの力が無くなれば、自然とそうならざるを得ません。

ところで、チャベス大統領は、オバマになってからアメリカ批判が少なくはなっていましたが、一年ちょっと前にも、次のような発言をしています。


チャベス大統領、相次ぐ南米首脳のがん「米の陰謀」
2011/12/29 7:43

 【サンパウロ=檀上誠】ベネズエラのチャベス大統領は28日、同国軍の式典で演説し、自身を含む南米の首脳が次々とがんを患っている背後に米国の陰謀があるとの見方を披露した。「確率論的に考えて非常に不可解」とした上で、1940年代に米研究者が中米グアテマラで行った人体実験を引き合いに出し、「既に、がんを引き起こす技術が開発されていると考えるのはおかしいか?」とした。

イラン大統領もアメリカの陰謀を糾弾していましたが、世界の事件の様々な面で表にウラにアメリカの関与があると考えるのが、これまでの世界の常識です。

ただ、これからアメリカは多分、力を失って変って行くでしょう。それはアメリカにとっては必ずしも悪いことではないと思いますが、他の国々にとってはどうでしょうか。
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