Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

ラストコンサート

2009-12-13 | 音楽
二日続けて演奏会。クリスマスも近いということで、何かとイベントの多い季節。

今日は、Helsingin Työväen Orkesteriの皆さんと、テンペリアウキオ教会での音楽ミサに参加。奇しくも、5月のフィンランド初舞台と同じ設定。曲も同じ、コレルリのクリスマス協奏曲。
実は今回、自分はリハーサルを休んでしまい、ぶっつけ本番だったのだけど、今日になって、いきなりソロパートを弾くことになり、結局前回と同じような展開。もはや、この曲、一生の思い出もの。

さすがに、準備不足から来るいささかの緊張に襲われ、納得のできる演奏とはほど遠い出来で、自分はいったいフィンランドに何をしに来たのだろうか…と若干鬱になってしまったが、その後、温かくフォローして下さる方もあり、結局のところ、この雰囲気を楽しめたのでよしとすることにした。こんな素敵な機会を与えてもらって、本当にありがたい。

こういうイベントに参加すると深く思うところがあって、それは、(ほんのちょっと前の)自分の全く想像すらすることのなかったところで、何十年、何百年も前から、人々はこうしてある宗教観のもとに、もちろんそれぞれの時代の社会情勢にそれぞれの意味を与えられつつ、それでもこのような場に集い、祈りを繰り返してきた、つまるところ、社会とはその産物でもあり、そうした何かとても大きな流れ、これにのまれる感覚、とでもいうのだろうか。そして、普段はめったに思いを馳せることもない、このような壮大なイメージについて考えさせられる、教会と音楽(あるいは宗教芸術一般)、この組み合わせには、何だかとても強大な力を感じる。(テンペリアウキオ教会自体はかなり新しい教会だけど、それでもこういうパワーは、かなり普遍的であるという感覚で、これは今日に限らず、この一年、ヨーロッパの色々な教会をのぞいてみて、思ったこと)

というわけで、HTOの皆さんとは、今日でお別れ。(この頃は、別れの季節)
ちょっとした偶然から関わりを持つことになった人たちだったけど、とても温かく迎えて下さり、音楽においては言葉の壁はそう大した問題ではないのだということを教えてくれた。と同時に、自分にとっては、超初級フィンランド語の一番の実践の場だった気もする。お世話になりました。Kiitoksia.

そういや、終演後に教会の人がコーヒーとお菓子を振る舞って下さったのだけど、そこでちょっと面白いことがあった。
コーヒーを注いでくれたおばちゃんが、どこから来たの、と尋ねるので、Olen japanista.(日本からです)と答えると、あらまぁ日本からですか!と言って、そのまま大変に流暢な日本語を喋り始めた。お話を伺うと、自分も一度行ったことのある、東京の中野にあるスオミ教会(恐らく東京では数少ない、フィンランド語が学べるところ)の牧師さんの奥さんだった。
で、さらに愉快だったのは、オケに日本語の教師をしている方がいるのだけど、その人とそのおばさんとの会話。完璧な日本語でお話しするフィンランド人のおじさんとおばさん。珍しい光景。