Anteeksi.

すみません、ちょっといいですか。フィンランド留学の見聞録。

独立記念日

2009-12-06 | 社会/文化
今日12月6日は、フィンランドの独立記念日(Itsenäisyyspäivä)。

あちこちで国旗が掲揚され、当然祝日なんだけど、そう言えばフィンランドには振替休日という概念はありません。今年は休日が一日減り、残念?
アメリカの独立記念日みたいに花火をじゃんじゃん打ち上げて盛大に祝う、というのとは全く違う。それぞれの家で、窓にろうそくを灯して厳かに祝うんだとか。

ただ、面白いと思ったのは、この日に毎年大統領官邸で開かれる祝賀会は、全国に生中継され、これが絶大な視聴率を誇るらしい。招待客のリストは予め新聞などで公表され、人々の主な関心事は、当日に彼らの着てくる衣装。で、リポーターはいちいち、この衣装について、素敵だの下品だの、批評する。全国のお茶の間でも同様。日本人にとっての紅白歌合戦みたいなものかな、と思った。
というわけで、ちょっとだけ自分もチェックしてみました。皆さんとてもおしゃれです。ただ時々、愉快な民族衣装のようなものを着て来られる方もいらっしゃいます。真ん中でゲストを出迎える赤毛のおばちゃんが、我らがタルヤ・ハロネン大統領です。



にしても、みんな「Hyvää itsenäisyyspäivää」(独立記念日おめでとう、みたいな)と口々に言っているが、これが日本で、例えば建国記念日に首相官邸で税金使ってパーティして、「建国記念日万歳!」なんて言ってたら、まぁなんだか色々と、ただではすまなさそうだ。独立記念日の名のもとに、国民が絆を確かめ合えるというのは、素直に美しいことだと思える。
何かで読んだか誰かに聞いたか、フィンランドの教育においては、愛国心を育むことと同等かそれ以上に、価値観や文化の多様性を尊重することを教えるのだそうだ。自分の国を大切にすることと、周りの人たちも大切にすることと、それらは決して単純なトレードオフにはならず、かなりの程度両立できる、て考えるのが自然な気がする。その点、自分はフィンランドの人々の、自分たちの国を誇りに思っている愛国的な部分と、周りへの理解も示す寛容的な部分と、そのバランス感覚はとても良いのではないかと思っている。


街に行く用事があったので、ついでにちょこちょこ写真を撮ってきた。

ヘルシンキ中央駅(左)。そういや少し前に、ここの地下鉄駅で水道管が破裂して水浸しになるという大騒ぎがあり、未だにこの駅は閉鎖、復旧工事中だそう。
中央駅のすぐ脇に、スケートリンク(右)ができていた。知人の話だと、数ユーロで貸し靴込みで誰でも気軽に利用できるとのこと。今度行ってみようか。

 

クリスマスモードに着飾った街並(左)。と言っても、ヘルシンキの街のイルミネーションは、あまり派手ではない。
ストックマンデパートのサンタのショーウィンドウ(右)。時々、もそもそ動く。これが面白いのか、珍しく人集り。

 

久しぶりに見た大聖堂、いつの間にか工事が終わっていた。そして巨大なクリスマスツリーが登場していた。