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そっと芸術  郷津晴彦のブログ

アーチスト郷津晴彦。展覧会の案内、『平和な小国』、流木作品、絵や彫刻、写真に小説、漂着物、超芸術トマソンなど。

【誰も書かなかった個展訪問術】その8「作品は見る人にゆだねられる」

2019-03-07 10:34:30 | 誰も書かなかった個展訪問術
 作品は、それを見る(※注1)人の心に届いて初めて完結するものです(※注2)。
 作品は、完成した時点でひとり歩きを始めます。作者は自分の作品のすべてを理解しているわけではありません。どう見るかは鑑賞者にゆだねられます。
 作者が考えもしなかったとらえ方をされる可能性も充分にあって、そこが面白い点でもあります。そういう話こそ聞きたいと思います。もちろん我が意を得たりと膝をたたくような反応は文句なしにうれしいものですけど。
 作品を発表する作者の気持ちは、「ねえねえ! こんなの作ったんだよ! 見て見て!」という子どもっぽい訴えと、本当のところ少しも違わないように思います。見てくれた人がなんにも言わなかったりすると、本当はその腕を両手でつかんで揺すぶりながら「ねえったら! ねえ!」と叫びたい気持ちなんです。大人だからそんなことしませんけどね。

(※注1)見るといってもそれは視覚に限りません。
(※注2)人知れず、誰にも見られず完結する作品も存在すると私は思っていますが、この考えはあまり一般的ではないかもしれません。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その7「オープニングパーティーについて」

2019-02-19 10:55:30 | 誰も書かなかった個展訪問術
 そもそもオープニングパーティーは「作品を中心として、作家や来訪者たちが語らう」場です。
宴会ではありません。いいですか、宴会ではありません笑。
 作品そっちのけでただの飲み会と化しているオープニングを経験することがありますが残念なことです。内輪で盛り上がらないこと。
 パーティー中も展示時間内であることをお忘れなく(←これ最重要)。ふらりと入ってきた見ず知らずの方も気楽に参加できる雰囲気をつくるべきです(←これです、これ!)。
 軽く(いいですか軽くですよ笑)飲んだり食べたりしながら作品を見ながら知らない人ともお話して下さい。作品という共通の話題の種が目の前にあります! 酔っ払わない。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その6「長居は禁物か」

2018-12-31 10:12:21 | 誰も書かなかった個展訪問術
 滞在の質によると思います。非常に熱心に長い時間にわたって作品をみている人がいます。それは良い鑑賞者です。文句ありません。
 問題は、作品に関係のない世間話や、とめどないおしゃべり、自説の長々とした開陳、はては若者に説教をはじめる・・・などなどでの長居です。ご自分を客観視しましょう。
 中には帰るきっかけがつかめないために不本意ながら長居になってしまう方もいらっしゃるようです。気にせず帰りたくなったら帰りましょう。何の問題もありません。黙って帰ってもいいし、一言挨拶するなら「そろそろ帰ります」で充分です。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その5「立ち振舞い/補」

2018-11-30 15:06:01 | 誰も書かなかった個展訪問術
 前回に少し補足します。要は「ひらかれたフレンドリーな場」を一緒に「つくって」ほしい、ということです。
 場は、そこにいるすべての人(来訪者、作者、画廊スタッフ)が作るものだから、来訪者も能動的な主体なんです。受身の「お客さん」ではないんですね。ここは重要だと思います。
 鑑賞から発言や立ち振る舞いまで、すべて主体的に関わる能動的な行いなんです。 ですから「悪意のない勝手気まま」が「意図せぬ排他」になってしまうような場合、それはいわゆる「空気が読めない」というよりは、主体意識の問題なのではないか、と思うわけです。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その4「立ち振舞い」

2018-11-30 15:04:24 | 誰も書かなかった個展訪問術
 会場で知り合いに遭遇する場面は多々あると思います。久しぶりに会って盛り上がったりもします。しかしここは展覧会場です。
 お客は「知り合い」ばかりではありません。他にお客もいます。初めて見に来た人もいます。
 そういう人にとって「知り合い同士で盛り上がっている姿」はあまり気持ちのよいものではないと思います。
 作品に関係のない話は会場の「外に出て」からにしましょう。
 他のお客に、物理的、心理的に邪魔にならないように周囲に気をくばってください。とくに比較的せまいギャラリーでは注意が必要です。
 すごく当たり前のことを書いていて気が引けるのですが、夢中になると誰しも周囲が見えなくなるものでして、これは誰にでも起こりうることなので、ご勘弁ねがいます。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その3「どんな会話をするか」

2018-09-30 09:21:48 | 誰も書かなかった個展訪問術
 会場では作品に関する話“だけ”をしましょう。いいですか、「だけ」です。作品に関係のない話はすべて無駄口です言い過ぎか。
 挨拶や簡単な近況報告は別ですよもちろん(話せば長いMy近況報告はまたの機会に)。
 まあ人間の会話ですから当然脱線もあります。それはいいです。しかし脱線はあくまで“by the way”であって、常に作品の話題に戻る構えでいる必用があります。でないととめどなくなってしまう。
 作家は個展に漕ぎつけるまでにたいへんな努力をしているものです。その仕事を「世に問う」場である展覧会に臨んで、作品がどのように受け取られるのか、心の中には期待と不安が渦巻いています。(その場で世間話をして帰っていくのか? 自分の話だけして帰っていくのか?)
 ぜひ作品を見て感じたことを話して下さい。うまいことを言わなくていいんです。質問でも、何でも、どんな小さなことでもいいんです。好き嫌いでもいいんです。作品について何も話さないということは「私は興味がない」という態度表明に等しいぐらいに思ってください言い過ぎか。
 作品をみて感想の一つも言えないのは成熟した大人としていかがなものかという認識はまだまだ不十分のようです。いい質問ができることも大切ですね。これらは美術教育の課題でもあると思います。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その2「花を贈ること」

2018-08-17 10:14:53 | 誰も書かなかった個展訪問術
 前回「手土産」の続編。花は贈り物の王様です。お姫様か? とにかく嬉しいですよね。ときめきがあります。
 しかしです。個展会場はある意味特殊な場所ですから、事情は少し違ってくると思います。
 作家は画廊を「無駄のない緊張感のある空間」にしようと努力しています。
 そに作品とは別の「飾る物」を置くのはどういうことなのか? 考えてみましょう。やはりそれは余計ですね。匂いもノイズになると思います。やっぱり「ありがた迷惑」になってしまいますよね。気持ちはありがたいんですけどね。
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【誰も書かなかった個展訪問術】その1「手土産は不要」

2018-07-31 10:47:28 | 誰も書かなかった個展訪問術
 手土産を用意するべきか、何を持って行ったらいいのか、で悩まれる方がけっこういらっしゃるようです。
 結論から言うと、手土産は不要です。会場に足を運ばれて作品をみる。それだけで充分です。作家はそれが何よりもうれしいことなのです。
 とはいえ「あの人に何かあげたい」「これをあげたい」という気持ちからの「小さな贈与」は美しい行いだと思います。大げさでない「ちょっとしたもの」をあげるのは良いと思います。これは個展とか何とかとは関係ないことかもしれませんね。たまたまそれが個展訪問の機会だったということなんだと思います。
 もし「手ブラじゃ格好わるい」という気持ちがあるとしたら、それは全くもって無用な心配です。
その出費をするなら会場で何か値のはらない物でも買ったほうが、同じお金の使い道としてはよほど気が利いていると思います。
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