コウイカの刺身をスーパー(あるいは魚屋)で買う人はゲソ以外は廃物だと思っているのではないだろうか。イカを丸ごと買ってきて捌くとゲソにくっ付いた大量の内臓が出てくる。
墨袋のついた肝(ゴロ)、口ばし(トンビ)、卵、包卵腺など、どれも食べられる。私は皮まで外の部位と一緒に下湯がきしてから酒を加えただし汁で炊く。火の通った皮はグミのような食感だから細かく刻んでキュウリと合わせて酢の物にもできる。独特のクセ(旨み)を持つ肝とゲソを炒めて七味を振りかける「肝煎り」、墨を原料にした塩辛の一種である「黒造り」など、結構応用範囲は広いのである。
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