そこはかとな紀

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恐るべき旅路

2006-05-24 23:48:13 | 書評
恐るべき旅路
 を読みました以前紹介した「スペースシャトルの落日」の著者松浦晋也さんの著作ですが。いやこれが実に読ませる。私のような気分理系の人間には最高ですね。
 日本が独自の技術で火星探査を目指した「のぞみ」なんて皆さん覚えてます?ああ失敗したやつねって知ってるだけであなたはすごい!!正直忘れてました。探査衛星を飛ばすことがどれだけ大変なことか、理論や実際そして予算 人材 ノウハウとすべての面から明らかにしてくれます。いやー知らなかった僕の中学時代の友人が実はH2ロケットの生産管理をやってるんですが、こんなに大変だったとは。ありえへんなあ。おまけに衛星の設計やスイングバイなど以前から興味はあったものの専門的でわかんねえだろうなあ と諦めていたこともわかりやすく説明してくれていて感激!
 ひとつだけ紹介すると スイングバイとは衛星がほとんど燃料を使わずに加速したり減速したりすることです。早い話が衛星を惑星や月の傍を通過させる。その通過するルートによって加減速するわけですよお。もしも惑星が宇宙の中で止まってるとしたら、探査衛星は近づいて行くときに加速し離れて行くときに減速。これはボールが坂道を降りるときに加速してまた次の坂を上るときに減速するのとおんなじで何の得もありません。ところがこの宇宙の坂道(惑星や月の重力場)は坂自体が動いていて、探査衛星はそれを利用してか減速できるわけなんです。
 動く坂道ってイメージつかみにくいですよね。ところが実は地球には動く坂道が実在しています。それは海の波!!サーフィンはまさしくこの動く坂道の傾斜と運動エネルギーを推進力に変換しているわけなんですが。宇宙を飛ぶ探査衛星は惑星の重力場を利用してサーフィンしているわけなんです!!イヤーこれを読んだときには感動しましたよお。
 ではなぜ「恐るべき旅路」なのか それは・・・ 読みましょう
のぞみの旅
われらの有人宇宙船―日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」もよかったんですよおお。例の手の処置待ちながら読んでたんですがね。ロケットのスーパーカブを作ろうって言うのが受けたなあ。しかしいかにロケットが物理の法則に支配されているか。スペースプレーンが実現し難いか。既存の技術をうまくつなぎ合わせることこそ大切って納得するなあ。どちらも一読されたし。
コメント (1)
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