野菜ソムリエプロtamitanのブログ

野菜ソムリエプロtamitanが旬なお野菜を独自目線で紹介します。
その他、趣味のこともいろいろと・・・。

ナイアガラの滝のはじまり

2005-09-24 | カナダのコト
ナイアガラパークウェイの途中に「滝のはじまり」と呼ばれる場所がある。
ナイアガラ観光でパークウェイを走ると必ずバスを寄せて説明するスポットだ。
実はナイアガラの滝は年々侵食作用で後退しつづけている。
今現在も侵食しているが、水力発電所ができてからは川の水を発電所に取り込むため滝の落ちる水の量は減り(ちなみに夏と冬では滝に落ちる水の量が異なり、冬は半減する)、侵食スピードは年間2~3cm程度となっている。しかし、昔は年間1m近くも侵食していた。

ナイアガラの滝ができたのは今から約1万2千年前だ。年間1m後退しつづけたならば、滝は誕生した場所から12kmも移動したことになる。
それを証明するのがこの「滝のはじまり」という場所。

写真は(写真をクリックすると拡大します)カナダ側からナイアガラ川を挟んでアメリカ側の岩壁を撮ったものだ。
写真左半分は緑に覆われているが、右半分は岩が削り取られて地層が見えている。その境目に木が左斜め下に向って並んで生えている。
ここは「ナイアガラ台地」という台地の境目で、ここからオンタリオ湖方面(写真左手)が低地、エリー湖方面(写真右手)が高地となっている。

五大湖は氷河によってできた氷河湖で、氷河期が終わり解けた氷が低地へ向って流れ出した際に、地面の土砂をさらってできた窪みに水がたまったものである。ところが解けた水は窪みからあふれだし、川となって流れ出す。そのようにしてできた川がナイアガラ川なのだ。

かつてはこの台地の境目を流れ落ちていた滝。侵食作用で1万2千年という長い年月をかけて12kmも後退し、今現在の場所までやってきたのだ。
この「滝のはじまり」から現在の滝の場所までの区間は、写真のような削られた岩壁が12km続き、その下を猛烈な勢いでナイアガラ川が流れている。
知らなければ見過ごしてしまうなんでもない風景だが、ナイアガラの滝の歴史を感じ取れる重要な場所だ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。