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タマと私の写真日記

元ノラのネコ4匹と同居。
ネコ、ガーデニング等気ままな日常をアップしています。

(タマが亡くなって早9年!)

好きな本 「万葉集」

2005年11月26日 | 好きな本



本棚を見ていたら、古い雑誌と一緒になってこの本(雑誌)が出てきた。
文芸春秋 5月号臨時増刊 日本縦断 万葉の旅  
奥付を見ると、昭和48年(1973)です。¥500

写真がとてもきれいで、それに添えられた
万葉の歌も好きで買ったんですね。

もう、端っこは黄ばんでいますが、たくさん載っている写真は
きれいなままです。

わが船は 比良の湊に漕ぎ泊てむ 沖へな離り さ夜更けにけり
(わがふねは ひらのみなとに こぎはてむ おきへなさかり さよふけにけり)
高市黒人(たけちのくろひと

何処にか船泊てすらむ 安礼の崎 漕ぎ廻み行きし 棚無し小舟
(いづくにかふねへてすらむ あれのさき こぎたみゆきし たななしおぶね)
高市黒人(たけちのくろひと)

古代の船旅はさぞ心細かったと思う。
でも命と引き換えにしても未知のものに対する憧れや好奇心も
大きかったことだろう。
人麻呂も好きだけど、黒人の素朴さがとても好き。


好きな漢詩 「王維」

2005年08月28日 | 好きな本

学生時代に「大空は・・・」の短歌の横に貼ってあったのがこの漢詩。
李白でも杜甫でもなく、私が好きだったのは王維。
自然を詠むことが多く、李白や杜甫に比べると油気の少ない人と
吉川幸次郎は言っている。
その中でこの詩は思うようにならない世の中を捨てて
南山のほとりに行きたいと言う友人に対して突き放すように
「行きたまえ、もう何も言わないよ」と言っている。
「人の世の穢れとは無縁な美しい白雲が
そこにはいつまでも渦巻いている事だろう」


好きな本・寺山修司

2005年06月03日 | 好きな本
 「われに五月を」

もう6月に入ってしまったけれど、
kimiさんの「懐かしい歌・山羊に引かれて…」の記事で寺山修司を思い出した。彼は5月に生まれて5月に死んだ。
北国の地方都市の高校生だった私はその頃高3コースを読んでいた。
(ライバル誌は蛍雪時代)
巻末の文芸欄を読むのが楽しみだった。
担当は確か石堂淑朗と寺山修司だったと思う。
石堂の過激な評論!そして、その頃初期の俳句や短歌から抜け出して
前衛詩に向かっていた寺山修司のわけのわからない詩にあこがれていた。

でも私が本当に好きなのはこの第一作品集に入っている
センチメンタルな青春の叙情です。
私が大事に持っているこの本は彼が早稲田の学生だった
1957年の初版のものではなく、三回忌の1987年に新装再販されたものです。

故郷の訛りなくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし