
スギシタという男がいた。
営業事務課にいたが、
ウェブ集客がことの他ド下手で、
同じ課の同僚や後輩たちから、
転職すべき人物ナンバーワンやと、
陰口される始末やった。
しかし、
上司や先輩社員の前では、
ゴマスリのゴマスリ対応を心がけてたので、
かわいがられていた。
そんなスギシタの耳に、
会長の視察のニュースが入った。
スギシタは、
昇給と賞与アップの野望があったから、
これを朗報だと思った。
ある日、
いつも通り、
パソコン上でのウェブ集客失敗の穴埋め作業に、
全力で取り組んでいたところに、
見たこともない鼻を垂らしたジジイが入って来た。
そして、
一生懸命に奮闘しているスギシタのそばに来て、
「ガンバ!」と大声出した。
スギシタはイラついて、
「誰や😡⁉️この小汚いジジイは⁉️」と叫んだ!
そこに、
社長と常務が入ってきて、
ジジイに、
「会長!お一人での出歩きは困ります!」と注意した。
愕然としているスギシタに、
会長は社長に対して、
「ここの課は人員整理する必要があると思うんやけど」と言って、
退室した。
社長と常務も後に続いた。
スギシタが歯を鳴らして青ざめていると、
一部始終を見ていた後輩女性社員がきて、
「スギシタさん。今からお茶🍵の入れ方とテーブルの拭き方教えるから、ありがたく思いなよ」と言った。