役所広司ははまり役でした。
「雨あがる」は時代劇でもあり、かなり黒澤色は強かったのですが、同じ時代劇でも今作品は随分色合いが薄まり、いい意味で小泉監督のオリジナリティがでていたと思います。
原作は前に読んでいます。同じ葉室作品なら「秋月記」の方が良かったと記憶しています。
わたくし的には小説より映画の方が一層感動いたしました。
いかにも日本人好みの題材であり、日本人の美徳満載な物語です。
仕える主人のため、ほのかに想いを寄せた淡い恋心のため、そして自らの矜持のために腹を召す侍は誰でもが望むそれらしい姿です。
見送る妻、一途に慕う息子、誇りに思う娘、本物の師を得た若侍、それぞれの姿も声高に語られること無く清々しく映りました。
ラストシーンもさっぱりとしていて、かえって強い余韻を残すことに成功しています。
丁寧に作られた映画はそれだけで温か味が出るものなのですね。
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