くない鑑

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桜の樹の下

2005年04月06日 | 春夏秋冬
今年の桜は、咲こうとした矢先に寒い日が続いたので、躊躇したようですが、4月の声を聞いた途端、一気に春めいた陽気になり、まだ、先日2日の段階ではちらほらと咲くぐらいだったのですが、その翌日,3日日曜日は雨という天気予報に反して、汗ばむくらいの眩しい晴天だったので、それに誘われてどんどんと開花し、職場近くの桜も日を追うごとに、見上げたときの空の色が変わっていくほど。
その頃合を見計らって、今年も(仕事帰りに)行ってきました、千代田城千鳥が淵へ。

時刻は19時過ぎ。
まず最初に降り立ったのは、飯田橋駅の西口,牛込橋側。
ここより見て西側、御堀の縁,外堀通りと中央線沿いには桜が植わっており、電車でここを通る折には、いつも楽しみにしているのですが、今年もまた見事に咲いていました。既に夜も更け、昼間のように桜色の鮮やかさは見て取れませんでしたが、仄かな街の明かり照らされて、昼間とは違う淡い趣のある桜が楽しめました。
目的の千鳥が淵へは、飯田橋駅を背にして左,牛込橋を渡り、医科歯科大都立九段高校暁星高校和洋女子九段高校白百合女子などの“学生街”を抜けて、辿り着いたのは九段坂上。ここにはかの、靖国社が鎮座しております。
普段なら閑静な御社なのですが、、、この時季ばかりは趣がことなり、50,100米と離れたところからでも聞こえるほど、お花見客で殷賑を極めています。
ただ、肝心の桜はよく見えず、ここで見えるのは宴会をする人人人...と、露天露天露天...なのでこれには目もくれず、靖国神社を通り抜け、靖国通りを渡って入ったのは内堀通り。
昼間とは違い、夜ともなれば交通量も落ち着いて幾分静かなこの通りにも、街路樹として桜が植わっており、靖國神社で思うように観られなかった桜の無念は、まずここで晴らせました。
ここに入って1キロくらい南下、二松学舎大学を過ぎたところの左手,“鍋割坂”という細い路地を入ると、その目の前には御堀端の見事の桜が入ってきます。
九段下から千鳥が淵戦没者墓所辺りまで続く千鳥が淵緑道の桜の回廊は、今年もまた物の見事に咲き誇っていました!
もう、これは圧巻!!で、言葉が出ないくらいに素晴らしかったです。
ライトアップされた千鳥が淵側の桜もきれいでまた見事でしたが、これは私の性格上か...仄明るく、こちらの余光で浮かび上がる対岸の北の丸公園端に咲く桜の方が、何処と無く趣があってきれいでした。
咲く時季が良いと、満月との共演を楽しめるのですが、今年のこの日、夜空に浮かんでいたのは半月でした。。。
ここに着いたのは20時半頃でしたが、北側,九段下方面から続々と人が歩いて来ていて、それはもうごった返していました。その入口付近は、係員が誘導しながらなので、渋滞までしていました。
私は、それを言わば回避して逆走状態だったので、比較的余裕を持って桜を楽しめました。
途中あるベンチや空き地を使って、ささやかなお花見をする人も居ました。
また、御堀では貸しボートでこれを楽しむ人も居ました。ちと、羨ましかったです。。。
また、この緑道沿いに九段坂病院という病院があるのですが、ここからの眺めもまたよさそうなので、一度でいいから、この時季だけご厄介になって・・・みたいかな...。

千鳥が淵,九段一帯の桜は、毎年楽しみにしているのですが、今年は他に東京タワーを背景に桜を観られる,という楽しみなども発見でき、いつも以上に堪能できた気がします


「桜の樹の下には死体が埋まっている」
これは、作家,梶井基次郎が代表作『檸檬』の中に収めた作の一つです。
主人公と相手が、桜に魅せられる理由を語っていましたが、、、なるほど、魂を失った屍がそれを欲している・・・かのように、魂が抜けるほどに魅せられます、桜は。

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