JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

「ギックリ腰の自己治療~局所よりも膝裏の圧刺激が奏功した例~」

2016-11-24 | 自分治療

11月12日土曜、早朝の患者さんをみている時に中腰姿勢になった瞬間、右腰(L4-5あたり)の外方で、からだの中心部あたりにギクッという衝撃走った。
思わず「あっ」と発するも患者さんは気づかず。そのままヘナヘナと椅子に座りこむ(正確には「へたりこむ」といった感じ)。みるみる腰がおかしくなってくるのがわかった。あとは頚を少しマッサージして終わりだったので頑張って終わらせ、へっぴり腰で受付机にもどり会計を済ませた。
次の患者さんが待合室にいらしたが少しお待ちいただき、応急処置的に治療することにした。ベッドに左側臥位になって現場付近の皮膚表面を指頭で探り、そこから3寸鍼を送り込む。狙いは大腰筋。現場に近いあたりに響きを得たが、結局明らかな改善は見られぬままその時はコルセットをつけて仕事をし、なんとかその日の臨床を終えた。約2kmゆっくり歩いて帰ったが一歩一歩が腰に響き、無理して歩いて帰ったことを途中から後悔した。
帰宅後、昼間の単刺では筋緊張緩和に刺激量が不十分だったと考え、今度はピンポイントで局所(大腰筋)に鍼先をあてた後、しばらく気持ちの良い響きを得られる手技を行ったのち30分置鍼した。

抜鍼して体動→痛い。

ほとんど変わってない。次に2寸鍼で腰方形筋に鍼(ここもよく自分が腰痛を起こす部位)をし、しばらく留置。ここで眠ってしまう(時間にして30分くらい)。

抜鍼し、側臥位から伏臥位(うつぶせ)になろうとしたが全然痛い。むしろ逆に動きが余計制限されてしまったように感じられた。

今回のギックリ腰に対しては局所アプローチの限界を感じ、遠隔穴での治療に切り替えた。なんとか仰向けになり膝を曲げ「太衝」「足臨泣」「中封」「崑崙」などよく使うツボの反応をみるも特に圧痛なし。腓腹筋(ふくらはぎ)に沿って丁寧に触察していくと患側の右腓骨頭後面にかなり気持ちの良い圧痛を発見した(腓腹筋というよりヒラメ筋の起始部の印象)。ここを見つけられた時点で「あ、これでよくなるわ」と確信した。そのまま膝を立てた状態で右母指で右腓骨頭(ヒラメ筋起始部)を10分ほど指圧。指が疲れたのでテニスボールを膝裏に挟んで気持ちの良い刺激を継続する(テレビをみながら10分くらい)。うつ伏せになろうとするとさっきよりも楽に動けた。ベッドからの起き上がりも楽になっている。とりあえずはこれで寝て、明日起床したときにどうなっているか期待した。

約5時間眠り(この間寝返り痛による途中覚醒などは無し)、割とスムーズに起き上がることができた。膝裏刺激する前の腰のつらさを「10」とすると「5」くらいにはなった。朝、もういちど膝裏を母指で指圧。まだ気持ち良い。ということはまだ改善できそうだと期待する。時間の経過とともに動きはスムーズになり、その日の夜には立ち座りや歩行などほぼ問題なくできるようになったが、「前屈姿勢」と「靴下をはく姿勢」「靴をはく姿勢」はまだ違和感が強かった。結局これも気にならなくなるまではその後2日かかった。結局、完治までに3日を要した。
今は「なぜあの場所(腓骨頭後面)に改善のきっかけになる反応がでていたのか」、「ヒラメ筋に緊張がかかる姿勢をとっていなかったか」を考察中。




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