12月7日(日)の神奈川県鍼灸師会学術講習会は「トリガーポイントと鍼治療」のテーマで明治国際医療大学の伊藤和憲先生をお迎えして3時間、トリガーポイント(以下、TP)治療の講義と実技をしていただきました。
「痛み」とは何かもう一度理解することから始まり、「TPとは何か(その特徴や関連痛パターン・症状の再現の違い)」、「TP治療の適応・不適応の見極め」「TPの探し方」や「TPへの鍼の打ち方・ポイント」など、こと細かにご説明いただきました。講義の内容すべてがポイントで、なかなか「ポイントはここでした」と絞ることができないのですが、私が個人的に感じたポイント中のポイントを挙げてみます(以下資料より)。
筋肉の特性として、筋肉には「姿勢筋」と「相動筋」があり、姿勢筋は主に姿勢の維持・安定化のために働く筋肉で、拘縮などがみられやすい(別名:抗重力筋)。またストレスなどにより短縮しやすい=筋紡錘の分布と関係し、臨床的にはこの姿勢筋(抗重力筋)にTPが出現しやすく、治療は筋肉を緩めるように行う(鍼・ストレッチなど)。相動筋は主に運動のために働く筋肉で、筋力低下や萎縮がみられやすく治療は筋力の強化となる。姿勢筋に対して鍼をするときは刺激を強くしないようにし、相動筋に対しては多少強くても大丈夫ということは改めて勉強になりました。
実技に入っては「触診の仕方」、「硬結の深さと刺入深度のイメージの持ち方」、「筋膜の意識」など具体的な方法をご指導くださり、実際の刺鍼では先生のその繊細な刺鍼法に感心し、すぐに取り入れるべき技術だなぁという認識を持ちました。伊藤先生はまた、慢性疼痛患者さんに対するセルフケアの指導にも力を入れておられ、医療の中で鍼灸師が求められているのは痛みの専門家であり、「鍼灸師は慢性痛患者のよき理解者としてペインマネージャーになる必要がある」ということを提言されていました。
「未病治」や「健康管理」としての鍼灸の役割もたいへん大きなものがあり、今後こちらの分野での鍼灸の活躍を伸ばしていくことも大事ですが、やはり多いのは痛みに対する鍼灸への期待。その期待に少しでも多く答えられるようにするためにこのトリガーポイント治療は非常に役立ちます。今後もまたトリガーポイントについての講習を企画していく予定ですので、今回受けられなった方も、今回受けた方も復習の意味で是非またご参加ください。
なお、今回ご講演くださった伊藤和憲先生は、来年の日本鍼灸師会全国大会in神奈川の「実技供覧」部門で「トリガーポイント鍼治療」を担当してくださいます。お楽しみに。
会場:横浜開港記念会館
伊藤和憲先生
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「痛み」とは何かもう一度理解することから始まり、「TPとは何か(その特徴や関連痛パターン・症状の再現の違い)」、「TP治療の適応・不適応の見極め」「TPの探し方」や「TPへの鍼の打ち方・ポイント」など、こと細かにご説明いただきました。講義の内容すべてがポイントで、なかなか「ポイントはここでした」と絞ることができないのですが、私が個人的に感じたポイント中のポイントを挙げてみます(以下資料より)。
筋肉の特性として、筋肉には「姿勢筋」と「相動筋」があり、姿勢筋は主に姿勢の維持・安定化のために働く筋肉で、拘縮などがみられやすい(別名:抗重力筋)。またストレスなどにより短縮しやすい=筋紡錘の分布と関係し、臨床的にはこの姿勢筋(抗重力筋)にTPが出現しやすく、治療は筋肉を緩めるように行う(鍼・ストレッチなど)。相動筋は主に運動のために働く筋肉で、筋力低下や萎縮がみられやすく治療は筋力の強化となる。姿勢筋に対して鍼をするときは刺激を強くしないようにし、相動筋に対しては多少強くても大丈夫ということは改めて勉強になりました。
実技に入っては「触診の仕方」、「硬結の深さと刺入深度のイメージの持ち方」、「筋膜の意識」など具体的な方法をご指導くださり、実際の刺鍼では先生のその繊細な刺鍼法に感心し、すぐに取り入れるべき技術だなぁという認識を持ちました。伊藤先生はまた、慢性疼痛患者さんに対するセルフケアの指導にも力を入れておられ、医療の中で鍼灸師が求められているのは痛みの専門家であり、「鍼灸師は慢性痛患者のよき理解者としてペインマネージャーになる必要がある」ということを提言されていました。
「未病治」や「健康管理」としての鍼灸の役割もたいへん大きなものがあり、今後こちらの分野での鍼灸の活躍を伸ばしていくことも大事ですが、やはり多いのは痛みに対する鍼灸への期待。その期待に少しでも多く答えられるようにするためにこのトリガーポイント治療は非常に役立ちます。今後もまたトリガーポイントについての講習を企画していく予定ですので、今回受けられなった方も、今回受けた方も復習の意味で是非またご参加ください。
なお、今回ご講演くださった伊藤和憲先生は、来年の日本鍼灸師会全国大会in神奈川の「実技供覧」部門で「トリガーポイント鍼治療」を担当してくださいます。お楽しみに。
会場:横浜開港記念会館
伊藤和憲先生
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