9月19日、不妊鍼灸ネットワークの第3回公開講座が今回は東京で開催されました。
【プログラム】
「不妊鍼灸とキャリアの継続について」
乙部由子先生(名古屋工業大学男女共同参画推進センター 博士
「不妊と免疫 発展編」
中村一徳先生(不妊鍼灸ネットワーク会長)
「不妊鍼灸と未来」
中村一徳先生
「不妊が与える心理的影響について」
平山史朗先生(東京HARTクリニック 生殖心理カウンセラー/臨床心理士
約6時間にわたる講演はあっという間でした。
それぞれが不妊治療を扱う者として知識としてもっておくべき大切なことをお聴きすることができました。
【なかでも今回特に印象に残った内容】
(1)子宮内膜が正常に脱落膜化しないと内膜の機能がしっかり働かず、本来着床が許可されないはずの異常胚が着床してしまうことがあるということ(これが不育症の原因にもなっているのでないかと)。
最近はルティナスという膣座薬(黄体ホルモン※プロゲステロン)がでてきた。きちんと子宮に作用して子宮の内膜の脱落化を正常化させ、正常な受精卵を着床させる働きに役立っているという報告があるとのことだった。
(2)脱落膜に浸潤している免疫細胞はNK細胞が70%、マクロファージが20%、T細胞が10%。NK細胞が70%もあったら胎児攻撃されまくりかと思いきや脱落膜中の免疫細胞は末梢血中の細胞とは性質が異なり、表出しているCDの違いによって決定される。各免疫細胞は諸種のサイトカインやホルモンから特殊な性質が誘導され、かつ特定のサイトカインを放出して、その相互作用で妊娠が継続されるということ。
(3)HLA(ヒト白血球抗原)の夫と妻の違いが大きいほど異物とみなされ抗体が働く。抗体が遮断抗体(母体の夫系抗原に対する免疫反応を抑制する抗体)だったとしたら妊娠しやすくなる(似ていると遮断抗体は作られにくい)。
(4)精漿に含まれている成分を樹状細胞が取り込み、それをペプチド化して近隣のリンパ節に提示する。すると制御性T細胞が子宮に誘導されやすくなる→父親特異的抗原性免疫寛容が成立
免疫は深い。深すぎる。。
勉強の後は場所を移して懇親会。
人見知りでお友達をつくれない小生は今回勇気を出して声をかけて何人もフェイスブックでお友達登録させていただきました。
中村先生の写真をいただいてしまいました。ごめんなさい。