JTDの小窓

川崎市幸区下平間の鍼灸・手技療法『潤天堂』院長のあれこれなつぶやき

現代針灸科学研究会勉強会のお知らせ

2014-03-12 | お知らせ
平成26年5月11日(日)、私の師匠 似田敦先生主催の定期勉強会が行われます。

参加資格は基本的に臨床を行っている鍼灸師ですが、経験の浅い新人鍼灸師の方や学生の方も聴講生として許可されています(似田先生に参加申し込みの連絡が必要です)。
私にご連絡いただければ私の方から先生にご連絡いたします。

今回のテーマは

「頭痛と肋間神経痛の効果的な針灸治療」

です。

今回からは討論中心の形になるので活発な意見の交換、情報共有ができることを楽しみにしています。


※詳しくはここから(似田先生ブログ)












  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

むずむず脚症候群

2014-03-12 | 臨床・治療

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)という名前を聞いたことありますか?

先日、我が家のポストに久光製薬からこのむずむず脚に対する新しい貼り薬の治験者募集の広告が入っていました。






このパンフを元にどんな症状か簡単に書くと、

(1)脚に不快感や違和感があり、脚を動かしたくてたまらなくなる。
(2)その感覚や欲求は、横になっていたり座っているなど安静時に起こる。
(3)歩いたり、脚を伸ばしたりなど動かすと楽になる、改善する。
(4)その感覚や欲求は、日中よりも夕方や夜間に強くなる。

お薬でも最近はよいものが出ているようですが、久光は貼り薬で攻めようとしているのですね。


じつはうちの奥さんも何十年来の「むずむず脚症候群」の持ち主です。

毎日ではありませんが、わりと頻繁に発作が起きます。
どんな風に出るかというと、

夜、寝室で寝ていたかと思うと脚をどんどん叩きながら起きてきて
「なんとかしてー」と訴えます。
昔はあまりにつらくて「ちょんぎってー」と泣いていました。

虫が這うようなむずむず感を感じ、じっとしていられないと言います。
起こす方はたいてい右側。

そこで発症するたびに足の三里というツボに鍼をしてズーンという響きを与えてあげます。
すると直後に8割くらい楽になり、次に足三里の少し下にもう一箇所響かすように鍼をするとすっかり消失し、そのあとぐっすり眠れるようになります。時間にして2~3分。
奥さんは基本的に鍼の響きが苦手ですが、症状出現時に打つこの鍼の響きは好んで受け入れられるそうです。
(ちなみに切皮程度の深さで高速撚鍼して響きを与えても症状の軽快はみられない。そっとゆっくり止まるまで刺入し、ゆっくり雀啄することで得る響きで緩解する)


「むずむず脚出現時に足三里の(響かせる)鍼」

が我が家での常識になっているのでこれを行えばよいのですが、一般の方で症状が出たとき家庭で鍼をすることはできません。なのでなんとか発作時に簡単にできる対応法はないか現在研究中です。

先日の発作時、奥さんに協力してもらい、いつも鍼するところをお灸にしてみました(半米粒大の大きさで7壮ずつ)。

結果、じっとしていられるような効果までは出ませんでした(結局そのあと鍼して鎮静)。

今後は同じツボに温灸をしてみたり、予防的に置き鍼(皮内鍼や円皮鍼)をつけておくなどいろいろ試してみたいと思います。

根本的な治療は難しいかもしれませんが、発作時にちょっとやるだけで治まる方法が見つかれば、ずいぶん救われた感を持つ方は多いと思います(思うのですが)。









  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

からだの痛みと便通

2014-03-12 | 臨床・治療

治療院には様々な症状の患者さんがいらっしゃいますが、日頃から便秘がちの方にはまずそちらの改善方法について時間をかけて説明することが多々あります。「便秘」がいろいろな身体の不具合を誘発していることが多いからです。

痛みの原因部位はこの辺りではないかと推察して治療し、一時的によくなっても「また戻ってしまった」という場合は「改善されていない原因となるものがまだ潜んでいるから」と考えられます。その原因となるものは日常生活の環境の中に潜んでいることが多く、その中のひとつに「お通じ」というとても大事なファクターがあります。

私が最初にそれを知ったのは鍼灸の学校に行きはじめてから読んだ代田文誌先生の本からでした。


「大便は毎日一行あるのを正常とする。便秘しているか、下痢しているか、正常であるかをまず問う。毎日排便があっても排出困難で快通しないものは便秘と考えてよい。数日便通がなくても何らの苦痛がなく、便秘の感じないものは、便秘として病的とするの及ばない。すべての病気を治療するの当たって、便通を整えることは大切で、便秘すると血圧亢進や中風なども悪化しやすく、疼痛のあるものは疼痛が増し、炎症のあるものは炎症が増す(以下略)
~代田文誌著 鍼灸治療の実際 上巻 第10.診断法 大便~ より

「すべての患者を扱うにあたり、便通の有無硬軟、快否をきくことを忘れてはならない。便通をとゝのえることは、あらゆる症状をよい方へ導くものである。殊に炎症を有する疾患、または疼痛を有する疾患に於て、便通をよくすることは、その炎症または疼痛の治癒経過を非常に早くする(以下略)。~代田文誌著 灸療雑話 37便通~ より


疼痛を訴える者には必ず便秘の有無を問い、便秘のあるものは便通を促す治療を加えるというのが通説になっています。


鍼灸の治療によって便通を促す治療はもちろんありますが、それよりもまず自分でできる、手軽で自然に便通を促す方法をおすすめしています。


《朝起きたらお水を飲む》
 腸への刺激になります(胃・結腸反射)

《1日3回食事を摂る》
 がっつり食べる必要はありません。これも腸を刺激することが目的です。

《オリーブオイルを使う》
 前にも書きましたがエキストラバージンオリーブオイルのオレイン酸が大腸の壁や便をコーティングしてくれるため、滑りがよくなって排出されやすくなります。

《腸内細菌(善玉菌)を整えるものを摂る》
○乳酸菌を多く含むもの(ヨーグルト、納豆、味噌、漬物・キムチなど発酵食品)
オリゴ糖(善玉菌の餌になる)を摂る


そしてなによりも《便意を感じたら我慢しない》が大事です。
便意を感じたのに「忙しくて行けない」などの理由で我慢してしまう方が結構いらっしゃいます。これを続けていると麻痺したようになって反射自体を鈍くしてしまうことにつながります。
「出そう」と思ったらできるだけ我慢せずに行くようにしてください。

おどかすわけではありませんが、便秘は大腸がんの発生原因にもなると言われています。
便秘が長く続くと腸内の発ガン物質が体外に出ず、長期にわたって腸粘膜を刺激し大腸がんの発生を促すというのです。気をつけましょう。

便秘のお薬を使うのもよいのですが、強い便秘薬を安易に常用すると自力で出す力を弱めてしまうおそれがあります。薬は、より自然に近い改善方法を試した上で、なお「これはアカン」というときにお世話になるのがよいのではないかと思います。


話を戻しますが、からだに痛みを抱えてる方でお通じも滞りがちな方、まずは簡単に実践できる便秘解消法から試していきましょう。





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする