昨年のこの講座は秋の時季に受講しましたが、今年は初夏の季節なのでどのような状況の植物達に出会えるのか楽しみでした。
講座は、まず、高美が丘地域センター(旧公民館)の教室から始まりました。
講師の元広島大学 西村清己先生は、瓶に生けた一輪のホンタデを皆に回して、「葉を食べるように」指示しました。

先生がおっしゃるには、植物は味覚、嗅覚、触覚を使って感じるもの。植物を介して自然を見ること。自ら、驚きの目でみてほしい。驚きを感じることがこの講座のねらいで、知ること、覚えることよりも驚きを感じることが大切とのことです。
同じように見えていた「雑草」「雑木」でも、こんなに違いがあるんだと驚いていただきたいとのことです。

公民館を出発すると、アキニレがありました。最近樹木が突然倒れる事件があった話題の樹木です。

公民館の隣は郵便局ですが、郵便局の庭にはタラヨウが植えてあります。この木は「郵便局の木」なのです。この葉に傷をつけて文字を書けますが、今でもタラヨウの葉でハガキを送れるそうです。私、今度孫ちゃんにこの葉のハガキを出そうかな。

学校の生垣にベニカナメモチがありました。モチの木の仲間で一番生垣に使われている。

どこかのお宅の生垣にウバメガシがありました。この木は海岸などに自生して、備長炭の原料になります。どんぐりは食用になるそうです。

擁壁に、クズのツルが垂れていました。クズは、クズ布、葛根湯、クズ粉、二日酔い薬などに使われてきた。

クズの下には、見慣れない草があります。ぺんぺん草に似てるかな。マメグンバイナズナだそうです。

薬草で知られる、ヨモギもありました。

アカメガシワは、万葉では「ヒサギ」と呼ばれていました。アカ芽は、細毛が赤いだけで、擦ると中は緑色です。


アメリカフウロというのは、ゲンノショウコの親戚です。

林を見ると、コシアブラがあります。5枚の葉がタカノツメと見分けるポイントの美味しい新芽の山菜です。

コナラは、雑木林の代表樹木です。


カナクギノキは、クロモジの仲間です。幹が、鹿の子模様なのでこの名が付いたのかな。


ウラジロノキの葉は、本当に裏が白い。

タカノツメは、コシアブラ同様に新芽が美味しい植物ですが、葉が3枚であることから区別されます。

ヤマウルシ、ヤマハゼ、ヌルデが集まって生えていいます。何れもカブレるので触ってはいけません。
ヤマウルシ(丸い葉)

ヤマハゼ(やや長い葉)

ヌルデ

ミツバアケビには、早くも実が付いていました。

野菊の一種のヨメナを見つけました。

広島地方の柏餅に使われるサルトリイバラがありました。

秋に実のなるカマズミがありました。

このリョウブは良く肥えています。

オカトラノオのつぼみをみつけました。

ドクダミは、蚊にかまれたときにかゆみ止めに最適なので、取って行きます。

マメ科のハナズオウがあります。

ヒヨドリソウは、斑入りと斑なしが並んで生えてました。


ここは、ゼンマイの多い場所です。

クリは、雄花が目立ちますが、その付け根に小さな雌花がある。

イボタノキとムラサキシキブが見つかった。


小ぶりなシダは、シシガシラです。

傍に大きなウラジロもある。その間にあるのはシオンの小形という意味でヒメジョオンと名付けられた草があります。


モミジバイチゴは低木性のいちごがあったので、おやつにいただきました。

ネジキの花は、意外と可憐です。

珍しい野生欄の、シライトソウがありました。

アクがすくなくて美味しい山菜のコゴミは、クサソテツの別名です。

ヤブマオは、どうやらイラクサやシソの仲間のようです。

和紙の原料になるコウゾですが、実にはイガイガがあって、赤く熟れても食べにくい。

薬草で有名なゲンノショウコがありました。

スギの大木があったが、あちらにはヒノキもある。

ブタナは可愛い花とうは裏腹に、牧草地などに迷惑な有害雑草です。

クサイチゴがあったが、蛇いちごとは違います。

和歌に多く歌われるネムノキは、マメ科で2回偶数羽状複葉です。

ネズミモチがあった。

ヘクソカズラも迷惑雑草かな。

ナツフジは、フジより葉が細いのが特徴です。

クララもマメ科です。

ツリガネニンジンは、美味しい野草ですが、初秋に可憐な花を咲かせます。

アセビが、果実を付けています。

スイカズラは、咲いたときは白い花ですが、日がたつと黄色くなります。

柿がありますが、多分渋柿でしょうね。

アズキナシ、ナツハゼ、カマツカの実がなる木がありました。



梅とは似てないけどウメモドキです。

ノアザミは花に触れると開く、虫に優しい花です。

用水の流れ際にセリがありました。

ガマは、因幡の白ウサギで知られていますが、今年は出雲大社が大人気です。

イタチハギとニセアカシアは、棘の有無で判別できます。


美味しい山菜のタラノキがありました。

ノイバラは、栽培種のバラの接ぎ木台として使われます。

似た葉のクヌギ、コナラ、アベマキ(下から)を並べてみました。

キキョウソウは、荒れ地で良く見る花です。

アゼムシロの5弁の花びらが可憐です。

ヤマボウシの花は中の赤い実のような部分です。白いのは花弁でなくガクです。

ナツハゼに実が実ればジャムの原料になります。

以上で帰還しましたが、学校のグラウンド土手の草むらにナデシコジャパンみたいな、ナデシコが咲いて我々を歓迎してくれました。
