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五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

8月6日(水)晴:テキストの弊

2008-08-07 02:59:01 | 仕事
 10時起床。昨夜は久々にぐっすり眠れた。ここのところ少々寝不足気味だったのだ。シリアルの朝食を摂り、アパートを出る。

 真っ直ぐ大学には行かずにイトーヨーカドー地下のJTBでパリ-バルセロナ間の寝台列車「ホアン・ミロ」号のチケットを受け取る。後になってもっと安く手配する手段があることを知ったのだが、何分初めてのことで、授業料と思うことにする。ドトールでコーヒーを飲む。

 数件メールへの対応を済ませてからスコーラムへ。ランチは最後の一食ということで、今日は何とかありつけた。ただしチキンのピザソースのはずがチキンが切れてハンバーグピザソースになった。

 3時からデータ入力の学生さんがやってくる。僕はその間事務作業。ひと段落したところでアイスクリームが食べたくなったので生協に買いに行く。学生さんにも休憩してもらい、しばしアメフト談義をしながらアイスを食べる。しかし今日も暑いなあ。

 5時に学生さんが帰ってから採点作業。今日も昨日と同様に早めに切り上げてねぷたをみるつもりでいたが、途中で予定変更。一気に片づけることにした。例の226枚のやつである(今日まで手をつけていなかったのだ)。

 今年度からテキスト(モダ本)を導入して、どれだけ成果が出るか期待していたのだが、全体的に昨年度よりもデキが悪い。ほぼ同じ問題を出題し、採点基準も変えていないのだが、軒並み点数が低い。あまりにも単純な間違いが頻出するので、思わず講義ノートやテキストを引っ張り出して僕が間違っているのではないかと確認してしまった。

 不振の要因はいろいろあるだろうが、僕が思いつく限りにおいて大きく2つある。ひとつはテキストの誤読。ちゃんとテキストに書いてある内容を取り違えている。そもそも読んでいないのかもしれない。もうひとつは、テキストがあるという安心感から授業への集中力が欠如したこと。何となくテキストがあるからノートを真剣に取らなくてもいいや、と手抜きをしたのではないか。いずれにせよ、テキスト導入で学習成果は上がるはずという見込みは外れたことになる。後期はテキストなしで授業をしてみようかなあ。

 採点していて一番がっかりしたのは、近代史に関する知識がデタラメなこと。信じられないかもしれないが、「明治期後半の高度経済成長」(まあ経済成長はしたのだろうけどね、と無言でつっこむ)なんていう記述が出てきたりする。「戦後教育改革によって士族・平民の身分が作られ」(いったいどんな改革だよ!)なんてのもあった。それがひとつではなく、複数みられるのだ。やっぱり日本史は近現代から遡る形で教えていったほうがいいんじゃないかなあ。大学の講義のなかだけでフォローするには限度があると思う。

 採点を終えて息つく間もなく、今度は学部別・学籍番号順の並び替え。これがまた結構手間取る作業。それを終えてからようやく点数の入力となる。

 残るは140枚の採点作業。先に226枚をこなしたので、何となく明日一日でどうにかできるんじゃないか、という気分になっている。

7月30日(水)晴:食い物の恨み

2008-07-31 03:15:25 | 仕事
 10時起床。ゆっくり朝食を摂り、大学に出る。今日は素晴らしくいいお天気だ。それでいて涼しい風も吹いている。

 研究室に着くなり、電話が鳴る。「メ○ワ」という業者だ。しきりに年金がどうだとか、資産運用がどうだとか聞いてくる。そのたびに断るのだが、1ヶ月ほどするとまたかかってくる。ネットで調べたところ、悪い意味で有名なところらしい。研究室でのゼミの最中なんかにもかけてくるから、いい営業妨害だ。

 劇団プランクスターのUさんがやってくる。持参した書類に署名をしたついでに、次回作の構想について聞かせてもらう。何となく役に立ちそうな本が思い当たったので、貸してあげよう、といったものの、研究室のどの書棚に置いたのかがわからない。15分ほど探してようやくみつけた。旗揚げ公演の成功でますます勢いがついたようで、僕としても楽しみだ。

 しばらくテストの採点をした後、スコーラムで昼食。ポークソテーのランチを頼む。1センチほどの厚さの豚肉を塩胡椒で焼いたものにおろしポン酢がかかっている。さっぱりしていて実にうまい。最近食べたスコーラムのランチの中では一番のヒットである。暑くてもこれならしっかり食べられていい。

 研究室に戻るとゼミ生のAさんとWさんがやってきた。今日も『レ・シトワヤン』の発送作業。Aさんがおみやげに10円まんじゅうを買ってきてくれた。小さな箱にかわいらしいおまんじゅうが20個入っている。なんでも行列を作って買うものらしい。熱いお茶を淹れて2つ3つといただく。うれしい心遣いだ。

 5コマは月曜日の授業振替日ということで、「基礎ゼミナール」の最終回。3つ目のグループは「飲酒事故」がテーマ。それぞれよく調べてきているが、全体の統合ができておらず、論点がみえてこなかった。議論も低調で、重苦しい沈黙が続く。最後の最後にきて、報告を踏まえた討論の進め方をきちんと指導できなかったのは心残りだ。司会者がコメントを求めても、「パワーポイントがきれいにできていてよかったと思います」といった感想しか出ないようでは議論にならない。やはり半期では時間が足りないのだ。僕なりに精一杯やったつもりだが、その意味では不満が残る。

 後半の45分は、短いながらもおつかれさま会にする。アイスを食べよう、ということで、買い出し役の学生さんに4000円渡す。3000円にしようかと思ったが、まあ余った分でお茶とかお菓子も買っていいよ、といって送り出した。

 彼らが生協に着いたところで教室にいる仲間に電話を入れて、どんなアイスがいいか、と尋ねてきた。「ハーゲンダッツ!」との声が出る。え、ハーゲンダッツだと250円くらいするんじゃないか。16個買ったらそれで終わりだ。

 買い出しの3人のうちの1人が教室に戻ってきた。「お金が足りません」という。「いくら足りないの?」と聞いたら、「あと3000円くらい出してください」ときた。バカをいえ。「1000円だけ出してやる」と渡す。

 5分で済むと踏んでいた買い物が、20分かかった。よりによって300円のハーゲンダッツを買い、それに2リットルのペットボトルのお茶1本と紙コップを買ってきた。「お金が足りなくて、これしか買えませんでした」と不満げにいう。アイスを配ったら、僕の分がない。なんてこった。僕だけ紙コップのお茶をちびちびすする。それを気にするでもなく、みんな楽しそうに食べている。半分食べませんか、とかいう殊勝な学生はおらんのか!食い物の恨みは恐ろしいんだぞ。

 最近気づいたのだが、どうもうちの学生さんには奢られ慣れというか、たかり体質のようなところが少なからずあるようだ。それを助長しているのが僕自身なのだから、笑うに笑えないが。少し自粛したほうがいいかもしれない。

 それはともかくとして、こういった状況のときにいかなる振る舞いをするかといったことは、とても重要な気がする。ありていにいえば、こういうとき、うちの学生さんは概して田舎者なのだ。かつて東京で教えていたころ、同じように、買ってきたものが足りないことが何度かあった。するとどのときもクラスのまとめ役の学生さんが、僕が、私が、買ってきます、とさっと走って行ったものだ。

 その点、気配りというか、それこそ空気を読むセンスがないのが弘大生に多くみられる(あくまで管見の限りにおいて)傾向である。都会の学生にはあって、弘大生にないのがこれだ。ずっと青森で生きていくうえでは、さほど大事じゃないのかなあ。でも、教員を目指すのならば、いや、教員にならずとも、こういったことこそ必要だと思ってしまうのだが。本当は、基礎ゼミこそ、それを教える場でなければならないのかもしれない。でも大学教員がやらなきゃならんというのも情けない話しだ。そもそも社会性なるものが著しく欠如している僕みたいなのにいわれていることじたい、ますますもって情けないぞ。

 所詮教育実習とか面接の練習とかで身につくのは上っ面のことでしかない。本質は別のところにあって、その大切さに気づかなければいけない。田舎教師をやっていくだけなら、上っ面だけでもこと足りるのかもしれないが。

 僕とて決して「都会人」ではないが、「精神の田舎者」は軽侮する。地方=純朴なんていうのは虚妄である。そんなのにはついぞお目にかかったことはない。むしろ、はきはきとした「ごちそうさまでした!」はいえても、薄っぺらい面の皮は簡単に見透かされてしまうのだ。人をみる側も田舎者だから持ちつ持たれつでいいのかな。いずれにせよ、僕はやっぱり田舎には向いていないのだ。5コマの前に、これからしばらく東京出張です~、と研究室に寄ってくれた先生がやけにうらやましく感じられたりして。

 やはり食い物の恨みは恐ろしい。人民食堂で夕食の後、生協のコンビニでアイスクリームを買って食べた。練乳バー94円也。アイスを食べるには少々涼しくなりすぎていたが。

 研究室で黙々と採点作業。重要概念を説明する問題で、奇妙な解答が何枚にもわたって書かれていることに気づく。ネットで調べてわかった。Wikipediaやはてなダイアリーからの引き写しだ。ノートをきちんと取っていればすべて答えられるはずだし、毎回講義記録の内容要約でも説明しているわけだから、それらを使えば正解が得られるはずなのだが、ネットで検索するほうがラクなのだろう。僕からみて、おかしいと思われるものはすべて不正解にする。なんだかなあ。

 トータルでみれば、うちの学生さんたちにもいいところはちゃんとある。夜手を休めて昼間もらったおまんじゅうを食べながらそう思い直す。が、今日は朝のセールス電話のせいで、たまたま僕のほうの虫の居所が悪かったということで。

7月28日(月)曇時々雨:226

2008-07-29 18:53:33 | 仕事
 8時半起床。外気温は涼しいのに、僕の部屋はなぜか暑い。寝ている間にかいた汗をシャワーで流す。トースト1枚を食べ、大学に出る。

 研究室の前にはデータ入力をしてくれている学生さんが待っていた。僕のほうが遅刻してしまった。少ししてゼミ生のAさんがやってきて、こちらは『レ・シトワヤン』の発送作業を始める。

 総合演習の履修者リストを確認して、学務に届けに行く。これで作業はひと段落だが、これから登録を忘れた学生さんが何人か出るであろうことはわかっている。いちいち説教したりしなきゃならんのかと思うと気が滅入る。

 学内便で「社会学の基礎②」の答案が届いた。ずっしりと重い。いや~な予感がする。封を切ってみると答案の束だ。枚数をカウントしてみる。226枚ある。この授業の履修登録者は266名で、出席カードの状況から推測すると実際に試験を受けたのはおそらく240人くらいだろう。うーむ。やはり偏りすぎだ。問題を難しくすればいいのかなあ。だがどうやったら難しくなるのかがわからん。

 暑くないのに夏バテ気味。幸い授業はほとんど終わっているのが救いだ。少し遊びすぎなのかもしれぬ。昼休みが終わったところでAさんとスコーラムに食事に行く。鶏唐揚げあんかけのランチを食べる。8月も近づいて、ねぶた祭りの話しになる。青森の人にとっては、やはり待ちに待った1年のビッグイベントのようだ。普段は大人しい(ように感じられる)こちらの人も、ここぞとばかりはっちゃけるのだなあ。僕の地元にはそういったものは何もなかったから、不思議な感じだ。

 5コマの「基礎ゼミナール」はパワーポイントを用いてのグループ報告。昨年は研究室まで相談に来ていたのだが、今年はそういったことも一切なく、どんなものかと思っていたら、デザインの細部まで凝ったプレゼンテーションを用意してきていた。

 1つめのグループはメタボリック・シンドロームについて。その定義から社会的影響、さらには実際にメタボと思しき学生さん(メンバーの友人らしい)のインタビューの動画まで盛り込まれていて面白かった。メタボ論に懐疑的な議論まで目配りが行き届いていて、バランスもよかった。ダイエット産業とメタボブームの関係、なんていう考察もいい。

 2つめのグループは黒石市の財政難について。「第二の夕張」なんていうコピーでテレビに紹介されたりもした黒石の現状について、全国の地方債の状況や、財政難の定義から始めて、金と銀のこけしや倒産した老舗書店の例、さらにはごみ袋有料化や夕張市ではどうなったか、といったことを取り上げて説明したもの。ややテーマとずれているところもあったが、短い準備期間の割には結構よく調べられていた。

 いずれのグループも、きちんと構成ができていたので、楽しんで聴くことができた。ただ、フロアからの議論があまり盛り上がらなかったのは残念なところ。質問の仕方とか、論点の出し方とか、そういった点まで指導が行き届かなかった。もっとも、半期の基礎ゼミではそこまではなかなか手が回らない。

 授業が終わると会議がひとつ。帰りがけにたまたま代理で出席していた物理学のS先生の研究室にお邪魔する。広々とした、開放感のあるお部屋である。本もそんなに多くない。実際必要ないとのことだ。代わりに目を引くのが2枚のホワイトボード。数式がびっしりと書かれてある。ドラマ『ガリレオ』を思い出させる。そういえば福山雅治演じる湯川学も物理学者だったなあ。

 物理学とはどんなものか、即席の講義を拝聴する。内容をちゃんと理解するまでには至らないが、それでも面白い。1回の授業をするのに気が遠くなるような準備時間を要するというのもわかるような気がする。

 人民食堂で夕食。外は昼間の蒸し暑さが抜けて、ひんやりとしている。研究室で採点作業。最近お気に入りのmixiミュージックをBGMにかける。オムニバスの1科目を終えて科目主任の先生に成績表を送る。その後自分の授業の平常点をつける。

 帰宅して、風呂に入りながら『クライマーズ・ハイ』を読む。終盤は映画版とかなり設定が異なっていて楽しめた。途中でやめる気にならず、湯船から出たり入ったりしながら読了。次の小説は何にしよう。

7月25日(金)晴:コピー&ペースト

2008-07-28 00:57:45 | 仕事
 10時起床。朝食を摂り、大学に出たのは11時。昼休みまで3コマの「社会学演習」の準備。

 大学院の「社会学演習」も前期の最終回。今回は2人の院生さんと僕とが作成した人生の浮沈曲線を手元に置きながら、それぞれの時期(年齢)の浮沈について解説をし、あれこれ質問するというのをやってみる。現状をどう評価するかは三者三様だった。

 ここ3回ほどの授業で自らの生活史についてあれこれ語ったもらうことで、相互理解はかなり進んだように思う。普段の授業ではあまり聞けないような、突っ込んだ面白いエピソードも聞くことができた。後期は既存の自伝やドラマなどの分析が中心になる。夏休み中の課題として、身近な自伝をもとに、ライフコース整理表と浮沈曲線を作成することにした。もちろん僕も作る。テキストは猪木寛至『アントニオ猪木自伝』(新潮文庫)である。

 スコーラムで昼食。ランチ(豚キムチ定食)とドリンクを頼む。『北信濃・東信濃 駅から訪ねる小さな旅』を持参して読む。一気に読了。これから繰り返し繰り返し楽しませていただくことになろう。

 夕方4時からの研究会が来期まで延期になり、少々残念。前半の打ち上げもなしになってしまった。しばらく事務作業。そろそろ採点に取りかからねばならない時期だ。

 7時少し前に「Bino Vision」に注文しておいたサングラスを受け取りに行く。顔に合わせてフレームの調整をしてもらう。「これは滅多にできないものなので、くれぐれもなくしたりしないようにしてください」と店員のKさんにいわれる。確かに、一度壊したりしたらそうそう作れるものではないからなあ。かなり丁寧に調整してもらって、掛け心地もかなりいい感じだ。

 せっかく出かけてきたので、夕食もこのあたりで摂ることにした。何となくカレーが食べたくなったので、ルネス街の一角にある、スープカレーの「Kandy Spice」に入る。チキンカレーを注文。スープカレーとは別に、ライスの上に塩味の、皮がカリカリのチキンが載って出てくる。これがうまい。ラッシーを飲んで、満足して大学に戻る。

 総合演習のクラスの割り振りを終え、名簿を完成させる。230人あまりの名前を、1人分ずつコピー&ペーストして、全23クラスにいちいち貼り付けていく。単純作業は嫌いじゃないが、時間の割に空しい仕事である。他大学でもこういった仕事は教員がやっているんだろうか。普通は事務方か、助教さんの仕事だと思うのだが。もっとも、うちには助教は配置されていないから、仕方のないところではある。

 このような仕事を教員が請け負っている現状を鑑みることなく、やたらとアメリカの大学教員の真似をせよ、とおっしゃる「出羽守」(アメリカ「では」~が口癖だから)の方々の感性というのは全くもって理解することができない。ノムさんのように、「ルンバ~♪」と歌いたくなるってものさ。

 0時をちょっと過ぎたところで作業を終える。何とか前期の授業が終了する前に名簿を掲示することができそうだ。一応達成感はあるが、論文を書き上げた達成感とはほど遠い。

 大学を出るころには外の気温はかなり涼しくなっている。半袖シャツでは肌寒い。しかしなぜかうちの部屋は暑い。相当に熱がこもってしまうようだ。風呂に入りながら『クライマーズ・ハイ』を読む。小説も面白い。読み終えたら、もう一度映画を観に行こうと思っている。

7月23日(水)雨後曇:ボーンヘッド

2008-07-24 01:57:23 | 仕事
 9時起床。トースト1枚とドリンクヨーグルトの朝食。小雨がぱらついていたが、木にせず自転車で大学に行く。なんだか気乗りがしない。なんていっていてはいけないのだが。

 たまっていた書類の処理と整理。何か忘れているような気がして落ち着かない。が、とりあえず必要なものを処理すると、ゼミの文献に再度目を通す。

 昼休みに鰺ヶ沢の調査実習のメンバーとの顔合わせ。といっても2人はゼミ生だし、他の2人も1人は1年次に僕の基礎ゼミの学生だったし、もう1人も「社会学概論」を履修しているのでちゃんと面識はある。

 蒸し暑いのでスコーラムで食事をしながら話す。昨日新幹線の中で書いたレジュメを渡し、趣旨説明をする。概ね了承してもらえたようだ。最終的な目標を示したら、みんな割と乗り気になってくれたようだ。

 メンバーの一人が、明日の「社会学概論」の試験問題の範囲について質問をしてきた。僕のうっかりミスで、社教主事講習で休講になった授業ノートからの内容も含めてしまっている。ありゃ、しまったなあ。テストの前に謝らなければ。

 人文学部のH先生とお会いする。午前中の「社会とジェンダー」の試験のことで、とお話しがあり、またか、と思って「僕がやらかしちゃいましたか?」と聞いたら、幸い?僕のミスではなかった。少し安心する。

 3コマに授業がある4人のメンバーが去った後も、しばらくスコーラムでコーヒーを飲みながら調査のプランを練る。動けるのは実質的に8月ひと月のみ。どこまでやれるか。頭の中を整理する。今週から動き出さなければ。

 4コマのゼミのため研究室に戻る。が、先週「前期最後のゼミはスコーラムで」とアナウンスしたにもかかわらず、スコーラムのほうに閉店時間(午後3時)以降の使用を申し込むのを忘れてしまっていた。それで研究室でやることになったのだが、2年生のTさんとNさんには伝え忘れていた。同じ2年生のYさんに2人を呼び戻してもらう。ああ、今日はこんなのばっかりだ。

 ギデンズ『社会学』の組織論のところを読む。このあたり、報告者のWさんも他のゼミ生たちも、意味の咀嚼に四苦八苦した模様。ひとつひとつ、こんがらがった糸をほぐすように説明していく。本当は説明を聞いた後でもう一度読み返してもらいたいのだが、試験期間中だし、そんな余裕はないかな。

 夕方、実家から送った荷物を受け取るために一度帰宅。受け取るととんぼ返りで大学に戻る。人民食堂で夕食。ひとつすっかり忘れていた講座の先生方に諮るべき案件を思い出した。慌てて紙上会議ということにさせてもらう。本当に今日は一日ボーンヘッドに気づかされてばかりだ。

 研究室にこもって事務仕事。総合演習の履修者名簿の作成。事務方からもらった3年次学生のExcelファイルの一覧表を、それぞれの授業の名簿にコピー&ペーストする。単純作業だが、ちまちまとしていて目が疲れてくる。時折首をぐるぐる回したりする。こんなことをやっているうちに午前0時を回ってしまった。

 そろそろ終わろうかと思ったところで、大きな揺れを感じる。もともと地震が大の苦手(得意な人なんていないだろうけれど)なのだが、今日のはただならぬものを感じた。研究室のドアを開け、テレビをつける。思った以上に大きなものだったらしい。こういうとき、何をどうすればいいのか、咄嗟のことで変な手持ち無沙汰になる。とりあえず帰宅することにした。自宅のアパートと研究室、相対的には前者のほうが何となく安全そうだ。

7月17日(木)曇:社教主事講習

2008-07-18 22:48:01 | 仕事
 9時起床。トースト1枚とゆで卵、バナナを1本食べる。車で大学に行く。署名が必要な書類にサインをする。ひとつ懸案事項が解決して、いい気分。研究室から昨日印刷したプリントの束を積み込む。

 今日から五所川原の梵珠少年自然の家で3回分の講義の講師を務める。国道7号線から藤崎で左折し、国道339号線のバイパスをひた走る。だだっ広い田舎の道を走るのは気持ちがいい。お天気がよければもっといいのだが。

 時間に余裕があるので、「エルムの街」に立ち寄る。イトーヨーカドーのラーメン街道で昼食。博多ラーメンの「めんくいや」という店に入る。ランチの焼き飯セットを頼む。小盛の焼き飯と博多ラーメンをしっかり食べたのだが、これから授業をするのだから、と自分に変な理屈をつけて替え玉もしっかり頼んだ。鰺ヶ沢調査で親しんだ「TATSUYA」のパンを夜食用に買う。くまざわ書店で『西武ライオンズ30年史』(ベースボール・マガジン社)を買う。最後にドトールでコーヒーを飲み、少年自然の家へ。昨年もこの時期に行ったから、ちょうど1年ぶりだ。

 事務局になっている和室で主任講師のO先生と事務のIさんとしばし雑談。1時になったので初回の講義に行く。教室も昨年使ったことがあるので、勝手知ったるところだ。社教主事講習とはいえ、好きなことをしゃべってよい、とのお墨付きをもらっているから、自分の得意とするテーマを選んで気ままに授業ができるのがいいところ。1時間目は青少年の変化をとらえる4つの視点について話す。受講生の皆さんはほとんどが僕と同年代、あるいは上の人々だ。学校の先生や教育委員会などにお勤めの方が中心である。世代ネタが使えるので、普段の授業よりも話しを展開しやすい。少年犯罪の統計データをめぐる話しなんかは新鮮なリアクションが返ってくるのでこっちもノッていける。

 10分の休憩を挟んで2時間目の講義。パラサイトシングル論に端を発した若者バッシングから、社会的弱者としての若者擁護論まで、1990年代からの若者言説の展開を整理する。パラサイトシングル論のあたりは、この議論のおかげで僕なんかもずいぶんと厄介者扱いされましてねー、といった話しになるので、笑ってもらえる。山田昌弘さんの本には本当にお世話になっている。毀誉褒貶あれこれしゃべれるので、実に使い勝手がいいのだ。少子化に歯止めをかけるために恋愛結婚の禁止を!とか、かなりいい加減なことを話しても、笑って流してくれるのが大人の受講生のいいところである。

 6時に夕食。学校給食を思い出すようなメニュー。昨年は早い夕食に夜お腹が空いて困ったので、そのためにパンを買って置いたのだ。

 6時半から9時までは社会教育演習という、各グループに分かれての研究活動。基本的に担当講師はグループから呼ばれたら指導に行けばいいので、和室で待機することになる。昨年はほとんどお呼びがかからなかったが、今年は1つのグループが声をかけてくれたので、30分ほど話題提供する。自分がしゃべったことにあれこれ質問を投げ返してくれるので、やっぱり楽しい。ゼミもこれくらいであってほしいのだが。

 7時過ぎからは終了時刻の9時まで、和室で寝っ転がりながら持参した『帝都復興せり!』を読んでいた。ときどきテレビに目をやってはIさんと雑談する。昨年もそうだったが、普段プライベートなところではほとんど接点のない事務員さんと親しくなれるのもこの講習のいいところである。

 9時になったら案の定、お腹が空いたのでパンを食べる。やっぱり「TATSUYA」のパンはおいしい。9時から10時までは入浴の時間だったが、受講生の皆さんで混んでいたので、10時過ぎに行く。すると湯船の湯は抜かれていて、シャワーだけを浴びる。昨年は受講生の方にお呼ばれをして飲み会に加わったりもしたが、今年はそういったこともないので、2階の寝室へ。指導員室となっているが、2段ベッドで5人分。兵営のような感じである。今年はかつての兵舎を調査するのだから、雰囲気を味わうにはちょうどいいか。11時に就寝。今日の仕事は充実していたので、気分よく眠れる。

7月5日(土)晴:鰺ヶ沢の出会いと再会

2008-07-06 01:40:29 | 仕事
 8時起床。トースト1枚、生野菜、ゆで卵、ヨーグルトドリンクと朝食はしっかり摂る。シャワーを浴びて車で大学へ。

 教育学部の玄関前にはすでに数人の学生さんが集まっていた。観光バスが到着して、乗り込む。行き先は鰺ヶ沢。今年も昨年と同様、この町をフィールドにした調査が始まる。今日は現地見学会になる。

 車内では経済学のA先生のお隣に座り、ずっとおしゃべりをしていた。海外にもよく出られている先生からは、バルセロナに関する情報も教えていただく。

 岩木山麓のアップダウンの多い広域農道を通り、鰺ヶ沢町の鳴沢公民館に着く。先日大学まで来て下さった公民館のHさん、町役場のJさん、そして館長さんのご挨拶を聞く。すぐにバスに戻り、地区内を巡回する。

 最初に着いたのは、旧陸軍の山田野演習場跡地に残る兵舎(正しくは廠舎と呼ぶらしい)。現在は農機具置き場として利用されているそうだが、今日は特別に内部見学できるように準備されていた。

 一見するとただのボロい廃屋同然の建物だが、建てられたのは1909(明治42)年ごろのこと。もうすぐ100年になる。木造の建造物が風雪に耐えて100年持ちこたえたというのはすごいことだ。しかも敗戦後には入植者の宿舎になったり、中学校の校舎になったりと、地域の有為転変をそのまま物語るような建物である。

 内部に関しては旧状はすっかり損なわれているが、天井部分のトラスは建築当時からあまり変わっていないと思われる。

 この時点で今年度の調査はこの建物に関するものにしようと決める。果たして関心をもってくれる学生さんがいるかどうか。

 少し離れたところにある餅ノ沢遺跡を見学。約4000年前のものと推定され、集落の規模としては三内丸山遺跡に匹敵するとのこと。石棺墓の見学施設をみる。

 しかし今日の暑さはこちらにしてはハンパではない。ちょっと歩くと汗だくになる。先生たちは扇子や団扇をパタパタさせている。

 アビタニア・ジャージー・ファームに移動。県内唯一のジャージー牛の牧場とのこと。ここのお目当ては何といってもソフトクリームである。買おうかどうしようか迷っている学生さんたちを尻目に、真っ先にお店に飛び込んで買う。濃厚な甘み。暑さですぐ溶けてしまうので、急いで食べる。

 牧場の隣には廃校になった小学校の校舎があり、現在は集会所として利用されているとのこと。覗き込むと廊下の天井近くに卒業式の記念写真が飾られていた。まだまだ学校としての面影を残している。

 牧場の奥に入っていくと、ジャージー牛がのんびりと草を食んでいる。青森というよりは北海道的な光景だ。

 公民館に戻って仕出し弁当を食べる。すぐ近くのラーメン屋さんが作ってくれたものだ。ふだんこんな注文は滅多にないだろうに、安い値段で目一杯のメニューを作ってくれている心遣いがうれしい。

 釣りをする人の姿が目立つ七里長浜港を経由し、鰺ヶ沢駅周辺を通る。この辺は昨年さんざん歩いたところだ。懐かしい。海の駅わんどでは、今度の食事会に備えて長谷川自然牧場の豚ロース肉と現地生産の野菜(安い)、それからイカの一夜干しを買い込む。

 日本海拠点館まで移動し、ここから昨年同様にC-POINTというクラフト市を見物する。全国から150の手作り工芸品を持ち寄り、展示即売が行われるというイベント。例年2万人以上の集客があるという。

 いろいろな露店を覗きながらも僕の関心はもっぱら食い気で、長谷川自然牧場の出店で「豚パン」を買って食べながら歩いた。学生さんにはしっかりチェックされていた。

 日本海拠点館に戻る途中で、懐かしい方にお会いした。昨年の舞戸地区調査で大変お世話になった舞戸公民館のHさんだ。ご挨拶とお礼を申し上げる。しばし立ち話。Hさんは今年は役場のほうに異動になったそうだ。

 今年お世話になる鳴沢公民館のHさんもそうだが、われわれを本当にあたたかく迎えてくださる。時間的には厳しいが、それでも何とかやっていけそうなのは、こうした職員の方々の支えあってのこと。調査を重ねるごとに、この町への愛着は強くなっていくように思う。

 帰りのバスの車中は静かだった。僕も学生さんも時折ウトウトしていた。解散後、研究室に戻り、ライオンズ-イーグルス戦をネット観戦。8回のピンチをしのいだ正津投手のピッチングはお見事。これぞ仕事人という働きだった。

 帰宅して肉や野菜を冷蔵庫に入れる。再び車で出てヤマダ電機でデジタルカメラを発注し、その後健康温泉桃太郎に浸かる。温泉は久しぶり。暑くて汗まみれになった日こそ温泉はいいもんだ。

 夕食を家で済ませ、再び大学に出る。授業の準備を少し。それからサボっていたブログの更新をする。最後に今年度の実習のテーマと概要をまとめ、取りまとめ役の建築学のK先生にお送りする。濃さという点では、ジャージー牛のソフトクリームに匹敵する一日。


7月4日(金)曇後晴:ライフコース問答

2008-07-06 00:47:21 | 仕事
 10時起床。トーストと生野菜、それからゆで卵を1つ食べる。自転車で弘前公園近くまで行き、先日申請したパスポートを受け取る。もとがもとだから仕方がないが、ひどい悪人相の写真だ。こいつと10年間旅をするわけね。

 鍛冶町を抜けて大学に着いたのは11時過ぎ。ゼミ生のAさんが研究室に来て、パソコンで仕事をしていた。やはり後から出てくるのはちょっとバツが悪い。

 お昼休みの終わり間近に演劇サークル「マップレス」のKさんが研究室にやってきた。先週のデネガでのお芝居のお礼をわざわざいいにきてくれたのだ。本当によく頑張ったね、いい芝居でした、と述べる。その後個々の役者さんたちについてもそれぞれ感想を述べる。Kさんは今作では制作を務めたが、再び舞台に立ちたいと思ったとのこと。ならばそのときはまた観に行きましょう、という。

 3コマの「社会学演習」は、履修者の2人と僕がライフコース整理表を持ち寄り、交代で整理表に基づいてライフヒストリーインタビューをやってみた。これは聞き手の上手い下手でずいぶんと変わってくるのだが、院生のSさんの聞き方は秀逸だった。ポイントポイントでかなり深く突っ込んだ質問をし、聞かれているJさんから面白い答えを引き出していた。僕はJさんから質問を受ける。なぜか高校時代以降は「このときのロマンスは?」という質問ばかりになった。僕の答えが悲しい方向にしかいかないので、どうやらJさんも観念したらしい。まっとうな質問になった。テキストを使ってのお勉強のときにはパッとしなかった授業だが、こういった要素を入れていくと楽しく進めていけそうだ。

 スコーラムで遅めの昼食。人文学部の社会心理学のI先生とご一緒する。

 学部事務から昨日締切の総合演習の応募用紙の束を受け取る。まだ提出していない学生が結構いる模様で、ちょっと眉をひそめる。後で泣きつかれるのが目にみえるようだ。

 4時からF研に出る。留学生センターのS先生のご発表だった。「シマ」という概念を出発点とした、テーマも内容もとても面白い報告だった。僕も無知を顧みずにいくつか質問させてもらった。

 研究会が終わると研究室に戻る。本当はF研の懇親会があったのだが、仕事やら何やら立て込んでいて、今回は遠慮させていただいた。人民食堂で夕食を摂り、研究室に籠もって仕事をする。総合演習については現時点での希望状況を把握する。未提出者が延長した期限までにきちんと提出してくれることを願うばかり。

 その後、とある書類を作成する。作成するかどうか、ぎりぎりまで迷った。あれこれ手間もかかるし、どうも踏ん切りがつかない。見送ったって当面何の支障もないのだが、考えた挙げ句結局出すことにした。この書類の審査結果が、僕にとっての大きな試金石になることは間違いない。プリントアウトしたものをチェックして、細かいミスをみつけては直し、またプリントし、さらに直し、といったのを繰り返す。封筒に入れて、封をしてやっと落ち着いた。どうなることやら。

 昼間は暑かったが、1時を回るとさすがに涼しい。今週もあっという間に終わってしまった。軽くシャワーを浴びて、明日の目覚まし時計を8時にセットして眠る。

6月18日(水)晴:不慣れな時間

2008-06-19 10:41:11 | 仕事
 8時起床。トースト2枚を食べ、自転車で大学に出かける。ここのところいいお天気が続いている。

 十分な余裕をもって2コマの「社会とジェンダー」の授業へ。今日は労働市場におけるジェンダー格差の実態を、国際比較データを多用して説明する。なぜ熟年離婚が今年になって急増しているのか。やはりドラマ「熟年離婚」のせいなのか。大間でマグロを獲っていたときにはあの2人も仲睦まじくやっていたんですがねえ…というネタは完全な空振りに終わった。まあ「マグロ」も「熟年離婚」も大学生はそんなにみてないわな。

 割と調子よく進み、さあ残り10分で今回のまとめです、といいかけたとき、チャイムが鳴った。えっ?と驚く。終わる時間を10分勘違いしていたのだ。どうりで今日は時間に余裕があるなあ、と思っていた。急にバタバタと慌てて締めくくったので、学生さんたちは面食らったことだろう。何しろそれまで余裕綽々でしゃべっていたのだから。残念なことに、質問やコメントを書いてもらう時間も確保できなかった。それでも4人が割と長めの感想を書いてくれた。

 僕は普段は午前中の授業を1つも担当していない。すべて午後の3コマからである。よって2コマの10:20~11:50という時間は身体化されていない、というのはただの言い訳で、ちょっと油断していた。なまじノートがよくできたときにはえてしてこんなことが起きる。

 正午から講座会議があるので、急いで研究室に戻る。今日は講座委員のY先生がご出張なので、僕が取り仕切らなければならない。文科省に提出する文書の文案を僕のほうで作成したのだが、他の先生からあれこれ手直しが入る。これに時間を要して、いつも以上に長い講座会議になってしまった。討議の順番を間違えたか。

 スコーラムで昼食。ランチのチキンのピザソース焼きを食べる。もともと肉の中では鶏が一番好きなのだが、柔らかく、チーズと合っていい感じだ。なじみのNさんから「その日のメニューのことが先生のブログにどう書かれるか、スタッフは戦々恐々としているんですよ」といわれた。え、そんなに影響力があるんですか?何だか美食家のブログみたいじゃないですか。基本的にいつ行ってもおいしいので、行けるときには必ず行くようにしているのです。

 今週はゼミがお休みなので、そのまま甘味の会に移行する。AさんとNさんが来て、少し遅れてWさんがやってくる。しばし雑談。僕自身は甘味をお休みして、3時からの教授会に出る。

 教授会は議題自体は少なかったが、終わったのはいつもと同じくらいの6時だった。終了後は今日の「社会とジェンダー」の講義記録を作成する。時間を間違えて説明を端折ってしまった部分については、少し詳しく要約の文章を作成する。

 しばらく今橋映子『フォト・リテラシー―報道写真と読む倫理』(中公新書)を読む。メディア・リテラシーに少しだけ関心を持っているので手にした本なのだが、とても面白い。有名なアンリ・カルティエ=ブレッソンの「決定的瞬間」が、意図的な誤訳によって生み出されたものであること、彼の代表作である「ヨーロッパ広場」が実はトリミングされたものであることなど、それまでちょっとかじって知っていたような知識が覆される。そして、われわれはよく「メディアに騙されるな」といったことを口にするけれども、著者は読む側の問題、すなわち「読む倫理」というものを提起している。近代メディア史の一冊としても読むことができる魅力的な本だ。機会があったらゼミの購読文献にも取り上げることにしよう。
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6月12日(木)晴:Wordと戯る

2008-06-13 22:59:11 | 仕事
 9時半起床。トーストを1枚食べる。今日はかなり暑くなりそうだ。半袖のシャツに薄手のジャケットを羽織って大学に出る。日差しが強いので、サングラスをかける。まだ梅雨の気配は感じられない。

 大学に着いて、今日の「社会学概論」の内容を変更しようと思い立つ。今では半ばデッドストックになっている、かつて教えていた「教育社会学」の授業のノートの中から1つを引っ張り出す。このネタも、データが一部古くなっているものがあり、文部科学省のHPから最新のデータを仕入れて付け足す。

 昼食は生協の出店できのこのパスタとサラダを買ってきて食べる。今日のパスタは冷めてもおいしかった。ケチャップ系のソースは冷めると今ひとつだが、和風パスタのような塩味系は大丈夫のようだ。

 3コマの「社会学概論」は近代学校と近代監獄の類似性の話し。フーコーのパノプティコンの話しや、体罰の話しなどをする。急遽このネタをもってきたのは、先週まで社会規範や逸脱の話しをしてきて、サンクションに関わる話しが抜けているな、と思ったからで、そこそこ授業の意図はわかってもらえたようである。それにしても毎回毎回自分が受けてきた体罰の話しをすると、今の学生さんは信じられないという顔をする。やっぱりわれわれの世代はずいぶんと割を食ったのだなあ、としみじみ思う。

 4コマの「公民演習」は、『現代社会の理論』の最終章を読む。バタイユの〈消費社会〉とボードリヤール以後の「消費社会」の違いとは何か、といった論点を予め与えておいたのだが、相当に苦労したようだ。先週の公開研の講演で、樋口裕一さんが「岩波新書くらい読めなくては」といった話しをされていたが、岩波新書でもこの『現代社会の理論』はかなり難しめだろう。僕も何回か読み直さないとちゃんと意味が取れなかった。いや、今でも取れていないような気がする。

 まあ、ゼミというのは独りで読めるような本を読んでもあんまり意味がない。みんなで知恵を出し合って読むことに意味があるんだ、などといってみる。来週からの『社会学入門』はいくらか読みやすいと思うのだが。

 それと、『現代社会の理論』のような本は、もともとは知の世界の入口なのであって、本来的にはこれを読んで満足してもらっては困る。できればボードリヤールの『消費社会の神話と構造』くらいは読んでもらいたい。でも、そういった本を読むだけの余裕が彼女たちにはないこともわかっている。連日実習の準備であくせくしているのを目にしているので。

 夕食前に明日の大学院の演習の準備を済ませておく。これは院生さんよりも僕のほうがずいぶんと勉強になっている。この授業があるおかげで、ライフコース研究の基本的な概念をきちんとおさらいすることができている。

 夕食後は、3年次後期に開講される総合演習のシラバスの取りまとめ作業を始める。本当は週末にやろうと思っていたのだが、できれば土・日は研究のために使いたい。ジムにも行きたいところだが、研究時間を優先することにした。

 僕は総合演習実施の責任者ということになっていて、25講座のシラバスを集め、学生さんに向けての掲示用のものを作成する。その後は希望を募り、クラスの割り振りをし、といった作業をする。助手(助教)さんのいる大学なら、こういったことはやってもらえるのかもしれないが、うちではあくまでも教員の仕事である。

 昨年の責任者の先生(昨年度は僕が副責任者で、一緒にお仕事をした)が、きれいなフォーマットで掲示用シラバスを作成されていたので、それをそのまま生かしてコピー&ペーストで作っていくことにする。

 だが、ひとつひとつのシラバスを貼り付けていくと、微妙に行の文字の並びが凸凹になってしまう。半角ぐらいずれた感じになって、どうにも気持ちが悪い。左側のインデントをあれこれいじって何とか見栄えがよくなるように格闘する。

 こういった作業に嵌ってしまうとキリがない。今度は先生方によって「,」と「、」、
「.」と「。」とが混在しているのが目に付いた。置換で修正するのだが、「,」をそのままにしておくべきところもあったりして(「2,000円」のように)、そこを元に戻したりする。

 こんなのをちまちまとやっていたら、1時半になっていた。でも、ひととおり完成させると何だかすっきりする。大学教員としては何のプラスにもならないのだが…。明日は早起きしなければならないので、帰宅するなり着替えだけして、直ちに眠る。

6月9日(月)晴:巡回指導

2008-06-10 02:17:13 | 仕事
 7時半起床。シリアルとゆで卵と野菜サラダの朝食。スーツに着替え、8時20分に車で出かける。今日は学校サポーター実習の巡回指導と9月の研究教育実習のご挨拶を兼ねて、H小学校を訪問することになっている。

 約束の9時には余裕で間に合うつもりで出かけたのだが、市街地を抜けるのにかなり手間取った。岩木川沿いの道からバイパスに抜けると、ここから先は気持ちのいいドライブコースだ。9時5分に学校に到着する。

 H小学校は今年度からサポーターを受け入れてくださっている。そんなところに事情もよく弁えていない、僕のような若い者が行ってさぞかしご迷惑をおかけしていると思うのだが、とても暖かく迎えていただく。校長先生にこれまでのお礼を述べ、9月の実習に向けての必要書類の説明をする。

 月曜日はサポーターに行っている学生さんの出勤日でもあるので、実際の教室での授業にお邪魔させていただいた。サポーター実習の様子を観察するのも今日の仕事なのである。

 1時間目の授業では、担任の先生が書いた板書にイラストを描き添えるという役目を担っていた。引き続いての音楽の授業では、リコーダー演奏にオルガンの伴奏をつけている。担任の先生のリクエストに応じて、アドリブを効かせた即興演奏なんかもこなしている。音楽専攻の学生さんだけあって、この辺はさすがである。先生が「専門家」としての意見を求める形で話しを振るので、生徒さんたちからも一定の尊敬を集めているようだ。とても上手にサポーターを生かしてくださっていると感心した。

 見学させていただいた4学年は、1クラスのみ、しかもたった18名である。多すぎず、少なすぎずのベストな環境なのではないかと思った。何となく映画「白い船」のクラスを連想させる。弘前市内ではあるのだが、中心部の学校よりもぜいたくな、恵まれた教育の場であるように思われた。

 中休みの時間に再度校長先生と教務主任の先生にご挨拶をして引き上げる。とりあえずはうまく行っているようで安心した。

 そのまま大学に出勤。お昼近かったので、生協の出店の弁当(茄子と挽肉のドライカレー)とサラダを買って食べる。ゼミ生のAさんがやってきて、昨日の秋葉原の通り魔事件の犯人が青森市出身であることを教えてくれた。出身高校や出身中学の目星もついているらしい。

 3コマの「社会学特論」は、先週に引き続いて『ワーキングプア』の後半を読む。折しも昨日の事件の背景には、ワーキングプアの問題があるように感じられ、必然的にそのような話題になる。著者の門倉さんの分析は、実に視野の広いものだが、提起されている解決の方途としては最低賃金の引き上げといったことしか考えられないところに、この問題の難しさがあるとあらためて思う。

 5コマの「基礎ゼミナール」は、ゼミ報告→討論という一連の流れをシミュレーションする。いつものようなグループ討論の形にせず、大きな四角形の席配置にして、僕が「私語の研究」という報告をし、それに基づいて議論するという形でやってみた。これまではなかなか発言が出ず、しびれを切らして指名して発言させていたのだが、今回は全員が自発的にしゃべってくれた。最初は恥ずかしがったり、臆病になったりせず、何かいうことが大事なのだ。それはきちんとできていたから、やはり今年度のクラスはレベルが高い。

 今宵は秘密の飲み会である。メンバーを明かすこともできないが、同志的な集まりである。不思議なつながりではあるのだが、集まると不思議と盛り上がることができる。7時前にスタートして、気がついたら12時半近くまで真剣に議論したり、大笑いしたりしていた。今回が第1回ということになるのだが、今後も楽しく継続していけそうである。

6月7日(土)曇:入力開始

2008-06-08 00:46:34 | 仕事
 10時に目が覚めた。仕事のプレッシャーからは解放されたが、まだ体が重い感じが抜けずにいる。パスタを茹でてブランチ。洗濯をし、干す。「いいでば!英語塾」をみてから出かける。

 「健康温泉桃太郎」に行く。昨夜は帰宅するなり倒れるように眠ってしまった。やはりさっぱりしなければ仕事をしようという気にならない。いつも以上に時間をかけて湯に浸かる。表の温い浴槽のへりに寄りかかって、しばし目をつぶる。いつまででも浸かっていられるのがいい。

 大学に出る。ライオンズ-スワローズ戦の行方が気になったのだが、テレビやラジオ、さらにはインターネット中継もない。だがスワローズファンの方の自主制作?のネットラジオがあることを知り、これを聴く。プロでも何でもないのだろうが、結構上手い実況だ。おまけにスワローズ愛たっぷりで面白かった。スワローズが敗色濃厚になるとちょっと投げやりになってみたり。

 ライオンズとしては昨日の負けがエース涌井を立てての惨敗だったので、やや気がかりだったが、ちゃんと岸が試合を作っての勝利だったので、とりあえずはよし。

 頭重感がひどくなったので、少し夕寝する。30分ほど休むといくらかマシになった。ようやく学校資料の入力マニュアルをまとめ上げた。早速これに沿ってデータ入力を始める。いざ始めてみると、しばらく熱中してしまう。

 データ入力の作業は好きだ。紙に写された資料の内容を熟読玩味している気分になれるから。1人1人の情報を打ち込んでいくと、その人の生い立ちとか、学校生活なんかが何となく偲ばれるのである。本当は全部自分で入力したい。そのほうが個々のライフコースに対するリアリティを感じることができる。だがそんな時間的余裕はないから、以後はアルバイターを雇って作業してもらうことになる。学生さんたちにも面白さが伝わるといいのだが。いや、面白いと思ってくれなくてもいいから、正確に、かつスピーディーにやってもらえるといいのだけれど。

 6時半から始めて、気がつくと9時を回っていた。イトーヨーカドーで買い物をするつもりでいたのが、すでに閉店時刻を過ぎている。大学近くのマルエスで野菜とか卵を仕入れて帰宅。遅い夕食になってしまうが、質素であっさりした自宅での食事に安心感を覚えるようになった。肉よりも魚や野菜中心の食事になるのがよい。

 サッカーのワールドカップ予選の中継をみる。気温が35℃以上、湿度が50%以上というコンディションの中でのドローは立派なものだろう。僕も気候の変化に負けないだけの体力を作っていかなければいけないなあ。

6月6日(金)雨後晴:公開研

2008-06-08 00:28:39 | 仕事
 7時起床。トースト2枚の朝食。コーヒーの代わりに緑茶を2杯。スーツに着替えて部屋を出る。外は雨が降っている。タクシーを拾おうと思ったが、向こうの車線は何台も通るのにこちらには一向に来る気配がない。2,3分ほど歩いてようやく拾うことができた。附属中に到着。公開研の開催を示す大きな看板が立っている。

 受付を済ませ、玄関から校舎内に入るところで「おはようございます」と声をかけられた。ゼミ生のAさんである。彼女には今回あれこれアドバイスをもらっている。体育館での全体会に出た後、1時間目の附属中の先生の公開授業を参観する。3階の多目的スペース1という部屋は、昨年度のTuesday実習でも使っていた部屋だ。岩木山が望めるいいところなのだが、今日はどうにも蒸し暑い。

 授業が終わるとすぐにトイレに行き、着替えをする。スーツにネクタイという格好から、Gパンに白い長袖のTシャツ、それに作業着風のシャツジャケットを羽織る。教材とノートを抱えて廊下を歩く。すれ違う中学校の生徒さんや先生方がちょっと驚いた様子でこちらをみる。こちらの思惑通りである。

 11時からの授業開始の5分前に教室に入る。授業を受ける生徒さんたちは体育の授業の後だったようで、着替えにバタバタしていた。落ち着かない中を「ごめんなさいよ」といいながら前方に入っていく。

 定刻通りに授業開始。シャツジャケットも脱いでしまったから、動きやすい。だがとにかく蒸し暑くて、額に汗がにじむ。いつも以上に声を大きく出して、できるだけ教室内を動き回るようにする。はじめの5分でつかめるかがカギだったが、出だしで滑った。ここはアドリブではなく決め打ちで行くべきだった。

 生徒さんたちに話しかけてみたりするのだが、どうも反応が薄い。何だか大学生のほうがよっぽど元気があるなあと思いながらも(どうやら暑かったのと、体育の後というのが影響していたようだ)、前に出てきてもらってじゃんけんをしてもらったり、あれこれいじってみた。今日の授業では「KY」が大きなキーワードだったが、この辺の意味についてはよくわかっていたようで、格別心配はなかった。GパンにTシャツという出で立ちも「KY」を意図したものなんですよ、と説明する。

 トイレの男女の別を示すマークのくだりは、用意したボードがしっかり活躍してくれた。赤い色のズボン姿のマークのほうに入る、という女子生徒さんが1人いてくれたので、話しが展開しやすくなった。ここまで来ればもう大丈夫。チャイムは鳴ってしまったけれど、2分くらいのオーバーで授業を締め括ることができた。時間との闘いが一番の課題だったから、この点は上出来だ。

 アドバイザーAさんと一緒に昼食を食べる。「とにかく50分で終わってよかったですね」とのこと。そうだ。指導案や授業ノートをみて、50分で終わるでしょうか…と心配してくれていたからなあ。それと相互作用の説明のところで、「皆さんが携帯電話でメールしたり、話しているとき、そこには相互作用が生じているのです」という説明に反応が薄かったのは、附属中の生徒さんたちは携帯を持つことを禁じられているからだ、と教えてもらった。そうだったのか。明示的規範(授業では「目にみえる規則」)の説明のところで、咄嗟の思いつきで胸ポケットに入っている生徒手帳を取り出させ、校則を眺めさせたのはいいアイディアだとほめてもらった。

 ひと仕事終えた気分だったのだが、これで終わりではない。午後には研究協議会という、公開授業の反省会がある。幸い附属中の先生の授業の協議が長くかかって、僕のほうは時間が押してしまい、短く済んだ。授業を聞いてくださった先生方からは、社交辞令もあるのだろうが、割と好意的なコメントをもらうことができた。

 最後に、うちの講座の社会科教育学のI先生がコメントをくださった。I先生とは一度も打ち合わせをしていないのに、僕の授業の意図や方法について、実にわかりやすく解説してくださった。僕がいい足りない部分についてもきちんと説明されたのには驚いた。社会学に造詣が深く、常々社会学は面白いとおっしゃっているI先生ならではである。僕が起用されたのもI先生のご推薦と聞いている。とにかく参りました、というのが率直な感想である。先生のおかげで好き勝手にやらせてもらった授業が、きちんとした位置づけをされることになった。

 体育館に移動して、樋口裕一先生の記念講演を聴く。読解力は二の次、表現力を身に着けるには小論文を書かせるのが一番、といった主張で、そのための方法論も紹介されていた。感心した部分が8割、残りの2割は大学教員としては疑問が残った。

 雨は上がった。グチも含め、あれこれお世話になった軍師Aさんにお礼をいう。とにかく無事終わってやれやれだ。

 歩いて大学に戻る。久しぶりに官舎に住んでいたころの通勤ルートを歩いた。毎日お参りしていたお稲荷さんの前で久々に手を合わせる。

 歴史科の科室にお邪魔する。届いていたLANボードとドライバーを持って、取り付けをする。すぐにインターネットはつながった。僕にとっては造作もない作業で、もうちょっとあれこれいじってみたかったのだが、とにかく科室の皆さんは喜んでくれている。こんなことならお安いご用です。

 I先生にちゃんとお礼を申し上げることができなかったので、メールをお送りした。少ししてご返事をいただいた。時間の関係で割愛せざるを得なかったコメントを書いてくださった。今後考えるべきポイントとともにねぎらいのことばをいただいた。今日は本当に恐れ入りました、という感じである。

 地理学のK先生からもメッセージをいただいた。専門の面白さを伝えたい、と常々お話しをしているが、今回の授業もそうした理想にかなったものと評価してくださった。オープンキャンパスもこの授業で行きましょう、ということになった。

 大した仕事をしたわけではない。授業の準備にしても、学部の授業をアレンジしただけだから、作業の量はわずかである。しかしその割にはかなりのプレッシャーを感じていた。研究協議会を含め、わずか1時間ちょっとの時間にもかかわらず、終わるまではどうも気が気ではなかった。とりあえず終わってほっとしている。

 解放感をどんな感じで楽しもうか、しばし思案して、結局足を運んだのはまたしても映画館だった。比較的大きなスクリーンに数人しかいないレイトショーで、手足を思い切り投げ出しながら、2時間ほどのリラクゼーションを満喫した。

6月5日(木)晴後雨:アーヴィン

2008-06-05 23:46:08 | 仕事
 久しぶりにすっきりと晴れたいいお天気だ。窓から眺める八甲田山もくっきりときれいな稜線をみせている。

 研究室に着くなり、附属中の先生からお電話をいただいた。明日の公開研の授業に当たって準備すること、お手伝いすることはないでしょうか、とのこと。ありがたいご配慮に感謝する。メールをチェックすると先ほどお電話いただいた先生からのメールが届いていた。僕が遅出なものだから、しびれを切らしてお電話くださったのだ。

 昼休みにAさんがやってきたので、明日の授業ノートをみてもらう。実際に中学校で実習をやっている学生さんのほうが、50分という時間感覚があるはずだ。ちょっと長いかもしれないですね、とのこと。やはりそうか。板書を極力減らして、少し速めにしゃべるしかないな。内容的にこれ以上削ることはできないから。

 午後の「社会学概論」はゴッフマンの儀礼的無関心の話しをする。エレベーターに乗ったとき、人はなぜ階数表示をみるのか、といった話しである。自己呈示や印象操作など、ちょっと耳慣れない概念が出てくるのだが、ああなるほど、といった感じで聞いてくれる。今日はさりげなく地理学のK先生ネタを仕込んでもみたが、違和感なく展開できたようだ。よしよし。

 コメントを読んでいたら、「アーヴィンってすごいですね」というものがあった。思わず笑ってしまう。いや、僕が板書でアーヴィン・ゴッフマンと書いたからなのだが、ゴッフマン先生も現代においてファーストネームで呼ばれることはそうそうあるまい。でもデュルケームはエミールだし、ヴェーバーはマックスだし、マルクスはカールだし、ファーストネームだとありふれた感じになってしまう。パーソンズはタルコットだからちょっと珍しいか。

 研究室に戻ると、歴史科のY君がやってきた。昨日のパソコンの作業のお礼です、とケーキをくれた。何でも歴史科の学生さんたちでお金を出し合って買ってくれたそうで、何だか申し訳ない。でも、こういった心配りができるというのは、きっと就職してからも何かと役立つことだろう。教えられてできることではないのだから。

 4コマの「公民演習」は、『現代社会の理論』をお休みして、映画「県庁の星」を観る。先ほどいただいたケーキを食べながら、ティータイムのような時間になる。もともと60分ほどに編集したものを用意していたのだが、どうもディスクの不調で途中で止まってしまう。正規の本編ディスクに取り替えて、早送りしながら観る。官僚システムとか、食品偽装とか、消費社会の特徴とか、結構様々なネタが含まれていて、あれこれおしゃべりしながら観る。本来なら議論する時間があったはずなのだが、結局時間いっぱいを通じて最後まで観て終わってしまった。単なる映画鑑賞会のようになってしまったけれど、たっぷり観られたからこれもよしとするか。

 体調はよくなってはいるが、まだ本調子とはいえない。5コマの時間はマッサージチェアに身を預けてぐったりしていた。少し休息して、多少調子を取り戻す。

 夕食の後、明日の板書内容を京大カードにまとめる。大学の講義では何回も黒板を消して、だいたい3往復くらいするのだが、明日の授業は黒板一面を一切消さずに使うつもり。したがって予め配置を考えておく必要がある。

 ひととおりの準備を済ませて帰宅。どっちみち型破りな授業になるわけだから、生徒さんと自分が楽しむことだけを考える。周りの先生方にはどう思われてもよい。

 久々に「健康温泉桃太郎」に行った。ガソリン高騰のせいでもないだろうが、駐車場がやけに空いている。風呂のほうもいつもより人は少なかった。ゆっくり時間をかけて明日への英気を養う。とにかく、楽しむこと。

6月4日(水)晴:理想の家族

2008-06-05 02:14:56 | 仕事
 9時起床。昨日スーパーで30%引きだった焼きそばパンを食べる。たまには調理パンの朝食もいいものだ。

 10時に大学に到着。午前中は調査で集めてきた資料の試行入力をやってみる。実際に資料を眺めながら、入力マニュアルに不備がないかチェックする。崩し気味の文字を学生さんたちがちゃんと読めるかがポイントだ。

 地理学のK先生が研究室に来てくださった。オープンキャンパスの際の企画について話し合う。僕は模擬講義を担当することになった。人文学部などではかなり気合いの入った模擬講義をやっていると聞く。もちろんうちの学部も例年ちゃんとした出し物を用意しているのだが、K先生とタッグを組んでいっちょうやってやろうと思う。教育学部が教員養成専門学校などではなく、学問の府であること、専門領域をしっかりと研究していることをアピールしなければならない。ライバルは他学部ではない。内なる学問軽視の風潮こそがわれわれの相手である。

 K先生とお話しをしている途中でゼミ生のAさんがやってくる。しばらくオープンキャンパスについての雑談。今周りにいる学生さんのうち、結構な数がオープンキャンパスに来ているのだそうだ。僕などは、そんなものに行ってもさして有利になるもんでもあるまいし、と考えてしまうのだが、案外そうでもなさそうだ。

 スコーラムで昼食。ランチの酢鶏を楽しみにしていたのだが、行ったときにはすでに売り切れていた。代わりにお弁当を頼む。こちらもおいしいのだが、生協の出店で買う幕の内とあまり差がないので、気分的に今ひとつだ。夕方の研究会の購読文献であるUlrich Beck&Elisabeth Beck-Gernsheim"Individualization"の最初の部分に目を通す。重要文献とわかってはいるのだが、読んでいる時間がない。1章のみざっと眺めたのみ。

 研究室に戻ると、お隣の歴史科の科室にあるパソコンのインターネット接続をみてくれないか、と頼まれる。詳しくはないが、あれこれいじるのは大好きだ。だがすぐには解決せず、夜にまたみるから、といって一時中断。

 4コマのゼミはギデンズ『社会学』の7章(家族)の後半部分を読む。Nさんがまとめてきたレジュメは申し分なかった。議論は結婚前の同棲をどう考えるか、とか、結婚したと実感できる契機は何か、とか、理想と考える家族はどんなものか、といったかなり具体的な論点について。あんまり突拍子のないというか、びっくりするような「理想の家族像」というのはなくて、割とみんな自分の育った家族をベースにして、それのささやかな発展形を理想とする、といった感じだった。このメンバーの中では一番トシを食っている僕が一番ラディカルであったように思う(まあ社会学者だからね)。

 教育や家族といったテーマは、自分の経験をベースにして語ることができる領域だ。来週からの貧困といったテーマを彼女たちがどう論じるか、楽しみである。

 3時50分にゼミを終えると人文学部のY先生の研究室に急ぐ。すでにH先生もおみえになっていて、少しするとS先生も来られた。4人で研究会。H先生が"Individualization"の内容をまとめたレジュメを切ってくださった。それに基づいてしばし議論する。ベックの議論は歴史社会学をやっている者にはとっても魅力的で、僕もときどき引用させてもらうのだが、法則性や一般性といったものを抽出しようという姿勢が気迫なので、本当に社会学に位置づくのだろうか、という疑問はある。

 あれこれ論点があったものの、5時40分から会議の予定が入っているので、泣く泣く教育学部に戻る。何だか今日の夕方はやけにせわしない。会議は思っていたよりは早く終わった。だが、結果的には仕事が増えそうな話しになり、ますます暗鬱な気分になる。ひとつ仕事が増えたのなら、どこかで仕事を減らすべきなのだが、そういった発想をする人は滅多におられないようである。資源がないのを気合いでどうにかしよう、といった姿勢は、旧日本軍のそれに相通じるところがある。

 人民食堂で夕食を済ませ、再び歴史科の科室にお邪魔する。ネット接続がうまく行かない理由はわかった。だがLANボードがなければどうにもならないので、今日のところはOSの再セットアップをして、いくつかのソフトを提供するにとどめる。

 明後日の公開研の授業プランを考える。基本線はすでにできているのだけれど、ことばづかいの難しいところをチェックし、平易な表現に改める。問題は50分という時間内に収められるかどうか。ベースになっている大久保先生の公開授業は60分という時間枠にきちんと収まっていた。僕は3分の1くらいをカットした構成にしたのだが、それでも長くかかりそうな気がする。明日予行演習でもやってみるか。

 気がつくと今日はかなり体調がよくなってきた。久しぶりの午前様での帰宅と相成る。