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五行目の先に

日々の生活の余白に書きとめておきたいこと。

6月2日(月)晴時々曇:締切

2008-06-03 12:18:33 | 仕事
 8時起床。睡眠時間は十分なのに、相変わらず体が重い。出かける準備にもだらだらと時間がかける。ピザトーストを食べようと思ってペーストの瓶の蓋を開けたら黴びていた。冷蔵庫に入れていたし、賞味期限までまだ多少の時間はあるはずなのだが、何故に?仕方がないので普通にジャムとバターを塗り、昨夜寝る前に茹でておいた卵と一緒に食べる。

 いつもより少し早めに大学に出る。久しぶりに日光が差す。しかし暑いというところまではいかない。

 総合演習という、僕が取りまとめを担当している後期開講の授業準備の対応に追われる。先週いっぱいでシラバスの締切だったのだが、まだ4分の1ほどしか集まっていない。大学教員にとっての締切なんてそういうものとわかってはいるのだが(僕だって守らないことがままある)、事務方との相談もあるので、昨日督促のメールを送った。すると担当者が決まっていない講座からは数日の猶予を、といったメールが届く。急いで送って下さった先生のメールには、必要事項が記載されていなかったりする。1時間半くらいの間に8通のメールを送る。そうこうするうちにあっという間にお昼になってしまった。

 昼食は摂らずに3コマの「社会学特論」に臨む。今日のテキストは門倉貴史さんの『ワーキングプア』の前半部分。「ワーキングプア」を素材にした本は数あれど、最も読みやすく、構成がすぐれていると思う。データの読み方に関する著作がある(『統計数字を疑う』)だけに、量的なデータの扱いも上手だ。とりあえずこれを読んでおけば問題のアウトラインはわかる。ドキュメントとして用いられている事例も、安易な一般化をしない限りにおいてとても有効な資料になっている。

 実際に読んだ2人の先生たちにはどうも実感のない世界のお話しのようだったが、僕には比較的身近なところに中高年ワーキングプアの人がいるので、その人の様子なども交えながら説明をする。大都市の貧困と地方の貧困とは、根源的には地続きであるにもかかわらず、なぜか別々のもののように感じられてしまうのはなぜなんだろう、と授業が終わった後で考える。

 4コマの時間にスコーラムに昼食を摂りに行く。トマトの冷製パスタはさっぱりしておいしかった。

 かつての土手町の町並みが話題になる。僕がこちらに来る前は、土手町通りには数軒のデパートがあったそうだ(現在は中三1店のみ)。中三の向かいもかつてはデパートだったそうで(今はマンションが建っている)、さらには今は更地になっている駐車場にもデパートがあったそうだ。一方通行の通りの両側にデパートが並び立つ光景はなかなかのものだったろう。比較的元気な土手町通りだが、全体的にはやはり衰勢にあるということか。

 駐車場のところにあったデパートの名前がなかなか出てこないので、スコーラムのNさんに尋ねたところ、ちゃんと答えてくださった。Nさんは「私が生まれる前の話ですから!」と強調しておられたが、その辺の真相は藪の中である。

 5コマの基礎ゼミは新聞記事を素材に、批判的に読む、ということを実践する。普段何気なく読んでいる新聞記事も、意識的に読めばツッコミどころ満載だということを実感してもらった。それにしても、毎日新聞の某記者さんには感謝してもしきれない。毎年毎年同じ記事(2004年のもの)を利用しているのだが、教材として申し分ないくらいに粗の多い記事なのである。データの使い方、記事の構成の仕方、論理の飛躍など、すべてにおいて問題があって、よい反面教師になるのだ。

 研究室に戻り、午前と同じく総合演習の対応をする。今日のところはすべてのメールに返信できた。

 ここ何日か、仕事の進捗にかかわらず、時間で帰るようにしている。9時で切り上げて帰宅。出来合いのハンバーグに、これでもかというくらいに大量にすり下ろした大根おろしをかけて食べる。

 温泉に行こうかと思ったが、体が重く、出かけようという気力が起きない。しばらくは大人しく、規則正しい生活になるように心がける。

5月27日(火)曇:もどかしさ

2008-05-28 21:34:06 | 仕事
 9時起床。トーストとドリンクヨーグルトの朝食。歩いて大学へ。

 3コマの時間に会議が入っているので、11時半過ぎにスコーラムへ。筍ご飯のランチ。こういったあっさりした定食があるのはありがたい。コーラを1杯、コーヒーを2杯飲んでのんびりする。読みかけの『吉原御免状』を少しばかり読み進める。面白い小説なのだが、他に読みたい本が重なったりして牛歩のような感じでゆっくりと読んでいる。

 午後は学校サポーター実習の会議。これまで上がった課題などを話し合う。普段会議に出てもまず発言することはないのだが、今日は思うところを率直にいわせてもらった。一番の問題点は、自動車などでサポーター実習校に出向いている教員への費用保証がないこと。このガソリン高騰のご時世に遠い学校を担当する教員は自腹で出かけていかなければならない。予算措置は検討中とのことだったが、本来は予算を先に固めてから実習を動かすのがスジというものだろう。どうも釈然としない。

 運営を指揮する人と、実際に学校に出て行く教員との感覚の違いが浮き彫りになって、すっかり呆れてしまった。こちらのほうで問題点を訴えても、すでに今年の方針は固まっているので…といった答えしか返ってこない。もどかしさを感じる。徒労感ばかりが残った。夏休みも実習に合わせて出張は入れるなという。だが残念なことに僕はすでに実習の時期に長期の出張を入れてしまっている。僕は研究者なので当然研究を優先させていただくことにする。

 生協のコンビニにおやつを買いに行く。先ほど会議でご一緒した先生のお一人とお会いしたのでしばし立ち話をする。その先生も教育学部出身ではないので、現在の教育学部の文化に相当戸惑っておられるとのこと。そりゃあそうだ。研究実績が十分ある、優秀な研究者を取っておいて、研究よりも教育を優先しろというのではどうにもつじつまが合わないだろう。

 5時を回ったところで、しばらくマッサージチェアにもたれる。いつの間にか眠ってしまった。電気をしっかり消しているあたり、確信犯(語用としては間違いだが)である。そんなところにT実習を終えて附属中学校から3年のゼミ生2人が研究室に帰ってきた。暗い部屋で寝ている教員をみかけてものすごくびっくりしていた。驚かせてスミマセン。

 人民食堂で夕食。その後研究室で明日の協同研の報告準備に取りかかる。予め明日行うとわかっていたけれど、結局今日になるまで準備にかからないままでいた。話す内容はある程度決めてあるけれど、どんな資料を用意したらいいか、そして附属小・中学校の先生にも多少なりとも参考になるようなものにするにはどうしたらよいか頭を悩ませる。

 「BarLey」に行く。マスターのHさんとは、ついこの間までアルバイトで働いていた卒業生のS君が、アメリカンフットボールのXリーグの強豪チームで活躍していることを話す。決して強豪校ではないうちの大学から、名門チームのレギュラーになってくれたら、それはとてもうれしいことだ。

 まだ週の途中なので、早めに切り上げて家路につく。人文学部のH先生には、学校史料の分析にハッパをかけてもらった。今月中に態勢を整えて、来月から本格的にスタートできるように。

5月17日(土)晴:社会科学研究会

2008-05-18 01:22:21 | 仕事
 8時起床。シャワーを浴び、菓子パンを1つ食べて車で大学へ。ゼミ生の2人には9時に行くといってある。

 10分ほど遅れて大学に着く。今日の社会科学研究会の会場である大会議室(教授会に使われる)に行ってみると、WさんとAさん、それに法学ゼミの学生さんが机を並べ替えして会場のセッティングに励んでいた。

 僕は台布巾を研究室から持ってきて、テーブルを拭いたり、会計担当の学生さんと会費の徴収方法について打ち合わせをしたりする。何かとせわしない。そうこうするうちに9時50分になる。少しずつ卒論構想を発表する4年生を中心に、経済学ゼミ、法学ゼミ、哲学ゼミ、そしてうちのゼミ生たちが集まってきた。

 定刻より5分遅れてスタートする。司会は研究会ゼミ長(学生代表)のAさんが務める。緊張している感じが伝わってくる。傍らでWさんがタイムキーパー役を担っている。今日の仕事は4年生の卒論構想発表にコメントをすることなのだが、運営がちゃんとできるかどうかも気になるところ。

 卒論構想発表会なのだが、割と本格的にやるのがこの研究会の面白いところ。学会発表のように時間の経過を知らせるベルが鳴らされる。

 今回うちのゼミが幹事を引き受けるに当たって、ゼミ生の2人にはあれこれ注文を出しておいた。ひとつは、これまで15分発表、5分質疑応答という形だったのを、10分発表、10分質疑応答・講評という形にした。従来の形だと、時間をオーバーして報告する学生が結構いて、質疑応答なしで次の報告へ、なんていうことがままあった。もうひとつは、10分という報告時間を遵守させること。こちらは予め4年生に対して周知徹底してもらった。

 何しろ昨年の研究会なんて、教員がコメントを述べる時間はほとんどなく、最後に全体(12人くらいだったか)の講評をしゃべってください、なんていわれて面食らった。個人個人がバラバラの研究課題で報告しているものに対して、3分くらいで総評なんて述べられるわけがない。それこそムダなので、総評をなくして、それぞれの10分の質疑応答・講評の中で教員にしゃべってもらうようにしたのである。趣旨は自分の指導教員以外の教員からのコメントをもらい、自分の肥やしにすることなのだから、多少フロアの下級生を置き去りにしても、教員にしゃべってもらうことを優先した。

 結果的にこうしたやり方はかなり上手くいったように思う。4人の教員が、きちんと確保された時間の中でかなり有益なコメントや助言を提供することができた。個人的な印象としては、今年は僕の興味を引くような報告が多く、楽しめた。

 昼食を挟んで、午後の報告、そして会計報告が中心の研究会総会を終え、新歓を兼ねた懇親会(ティーパーティー)。机を並べ替えて全員の顔がみえるようにし、スコーラムから届けてもらったケーキを配る。ティーカップやお皿もすべてスコーラムのほうで貸してくださったので、かなり助かった。

 だが、どうもケーキの数が足りないようである。参加人数よりも少し多めに見積もって頼んだのに、ケーキが全員に行き渡っていない。慌てて電話をして確認してもらった。すると1箱(6個)取り紛れて届けるのを忘れたとのこと。すぐに持ってきてもらって事なきを得た。

 懇親会のほうは僕が仕切り役。参加者全員に自己紹介をしてもらった。ひと回りする順番が僕が最後だったので、きっちり笑いを取りに行く。普段はあまり接点のない他のゼミの学生さんともあれこれ話すことができて楽しかった。

 夕方5時に解散する。だがこれで終わりではない。食器やゴミを片づけ、テーブルとイスを元の状態に戻し、最後にテーブルを拭く。会計を一度締めることにして、入ったお金とお釣りとが帳尻が合うかどうかを確かめる。

 少しずつ片づけを手伝ってくれた学生さんたちも帰っていき、最後まで残ったのはAさん、Wさんと僕。2人は本当によくやってくれた。あれこれ慣れないことも多かったようだが、よく相談し、協力してほぼ完璧に今日の研究会を取り仕切ってくれた。2人の活躍で、社会学ゼミの評価も上がるだろう。ただお勉強ができることや、実習授業が上手にできることばかりが大事なのではない。こういった地道な仕事をきちんとできることこそ、重要な能力なのだ。

 今回は僕自身が不慣れなこともあって、自分であれこれ動いてしまったところもあったのだが、今後は安心して2年生も含めたうちのゼミ生に任せていこう。

 スコーラムのほうで貸してくれたコーヒーポットを人民食堂に返しに行く。途中で「劇団プランクスター」のUさんに会った。できたての公演台本をもらった。顧問の特権だろうか。研究室でさわりの部分を読んでみる。なかなか面白そうで、実際の舞台が楽しみになってきた。

 イトーヨーカドーで食料品を買い、自宅で夕食。脂っこいものが一切ない食事は自分の家で食べるからこそである。

 夕食後、ひと休みしてからヤマダ電機で携帯電話のケースを買い、「健康温泉桃太郎」へ。子どもがばっしゃんばっしゃんと泳いだりしている中を、少し熱めのお湯にじっくり浸かる。30分ばかり入っていたら、入湯前と後で体重が800gも減った。もっと頻繁に通えばさらなる減量も期待できるだろうか。

 ひと仕事終えて、次なるヤマは6月6日の協同研の公開授業である。こちらもなかなか面倒くさいが、ま、何とかなるだろう、の精神で乗り切りたい。

5月16日(金)晴:跳ねる

2008-05-17 20:22:47 | 仕事
 10時起床。シャワーを浴びる。今日は昼食を早く摂る予定なので、ドリンクヨーグルトを1杯飲み干して大学に出る。研究室ではゼミ生のAさんが明日の社会科学研究会の準備を進めていた。

 11時半過ぎにスコーラムで昼食。明日の研究会で出すケーキとコーヒーの代金を支払う。金曜日ということでプリペイドカードのポイントが300円も付いた。持ってきて欲しい時間帯などを細かくお願いする。こちらの要望をほぼ完璧に引き受けてくださり、ありがたい限り。

 そのまま総合教育棟の印刷室で「社会学の基礎」のレジュメと追加資料を印刷する。280セットのプリントを抱えて総合401講義室へ。

 今日も席はびっしりと埋まっている。まずはテキストである「モダ本」をみせてPR。「巻末にある著者の先生の写真のところにサインかスタンプを押してもらい、全部揃うと素敵なプレゼントの当たる抽選会に参加できます」といったら、おっ、という表情をした学生さんが結構いたので、慌てて「冗談です」という。本気にされて各先生の研究室に押しかけでもされたらえらいことだ。

 正直なところ、僕はテキストを使う授業というのは苦手である。「○ページを開いてください」「上から○行目のところから読んでみましょう」といった形で、無理矢理テキストを参照する形を取ったのだが、やっぱりどこか不自然である。いつものとおり講義ノートで授業をするほうがよっぽどやりやすい。しかし僕の役回りは「この授業はテキストを買っておかないとついていけない」という印象を与えることにあるから、使わなければ。

 毎度のことなのだが、「社会学の基礎」の前半の回(学歴社会の成立がテーマ)は、たいてい時間が足りなくなる。今年は昨年よりも内容を削ったのだが、テキストのPRに結構な時間を割いたため、結局終盤はバタバタになってしまった。

 とはいえ、オムニバスの授業は面白い。2回だけと決まっているから、思い切り飛ばしていける。大教室を学生さんたちの声を広いながら歩き回り、スキップをするような感覚で教壇に戻る。板書をしながら右へ左へと動くステップも跳んでいるかのよう。1人で15回通して行う授業は、いわば先発投手のような気分で、とにかく15回を投げきることを意識して取り組む。それに対してオムニバスはきっちり2イニングを任されたセットアッパーのようなものだ。だからテンションも高い。

 だが、さすがに授業が終わるとへろへろである。研究室に帰ると、4コマの大学院「社会学演習」の履修者の2人の先生が部屋の前で待っていた。こちらは大久保先生編『変容する人生』の第1章を読む。ちょうど学歴社会の授業をやってきた後なので、余った配付資料なんかを参照しながら、立身出世主義と結びついた「人生の物語」の誕生の話しをする。立身出世主義は僕の学部の卒論のテーマでもある。

 5コマの時間になると、ゼミ生のWさん、Aさんが研究室に戻ってきた。引き続き明日の研究会の準備。僕は傍でみているだけだが、ちゃんと先輩と連絡を取って、着々と進めている。いかにも2人らしい、細やかな心配りの効いたプリントを作っている。それでも、あれをやっていない、これをやらなければいけない、といった事案が次々と出てきて、忙しく研究室を出たり入ったりしている。僕も卒論構想発表のレジュメのホチキス綴じを手伝ったりする。

 夕食は自宅で摂るつもりで、帰宅して米を研ぎ、炊飯器のスイッチを入れてイトーヨーカドーに明日の買い出しに出る。ペットボトルのお茶やお菓子の買い出しは僕の担当。本来は学生さんたちに任せればいいことなのだが、今年度の公民科の3年生は4人。例年なら10人はいるのに対し、明らかな人数不足なのだ。

 買い物をしている途中で人文学部のH先生から、夕食をお誘いいただいた。炊きたてのご飯は惜しい気もしたが、せっかくなのでご一緒させてもらうことにする。大学に戻り、お茶やお菓子を研究室まで運び上げて、正門のところで先生方を乗せ、鍛冶町の「風と土」というイタリアンの店に行く。

 鍛冶町のど真ん中にある、おしゃれなレストランである。波板を黄土色に塗った壁面に、透明なガラスのテーブルと凝っている。料理も和風にアレンジしたメニューで、長谷川牧場の自然豚のグリルとか、ボンゴレや柚胡椒のパスタなんかもおいしかった。

 色々おしゃべりをしたのだが、一番面白かったのは民族性と音韻の話し。日本で生まれ育った外国人で、完璧な日本語を会話では操れる人でも、歌を歌うとその民族の人が共通して苦手な発音に四苦八苦する、なんていうのはどんなところに原因があるのか、考えれば考えるほどわからなくなる。

 僕以外の4人の先生は、いずれも海外経験が豊富なので、そっちの話しになるとすっかり置いていかれる。研究者が数多いる中で、最後に(にして最初に)海外に行ったのは18歳のときで、それ以来全く国外に出たことがないなんてのは相当に珍しい部類なのだろう。ずいぶんとつまらない人生を過ごしてきたものだ、と自嘲気味に思う。

 2次会はかくみ小路入口の「WASABI」というバーで。こちらでは仕事、主に実習の話題が中心。語っても暗い気分にしかならないのだが、それでも語らずにはいられないのがしんどいところ。

 順番にお送りして、1時に帰宅。明日の研究会は、僕自身は特段することはないのだが、それでも遺漏やミスが出てこないか、ちょっとずつ緊張してきた。

5月15日(木)曇:機械にやられる

2008-05-16 01:55:45 | 仕事
 8時半起床。いつもの朝食。雨は上がったようで、傘は差さずに手に持って歩く。

 今日の午後の授業で配布する講義記録を作成していなかった。午前中はこの作業で終わってしまう。昼前に何とか間に合わせて、印刷する。

 昼食は生協の弁当(角煮風丼とサラダ)。丼のほうはご飯の上に角煮の薄切りのようなものが3切れ載っているのだが、どうも「風」が気になる。「風」とつくということは似て非なるものであるということだから、どの辺が角煮ではないのか。しかし食べてみるとやっぱり角煮なのである。

 3コマの「社会学概論」は社会化がテーマ。昨年同様に映画「ぼくんち」をみせる。ビデオデッキが入っているラックのカギを借り、少し余裕をもって5分前に教室に着く。だが、ラックの中にあるのは古ぼけたVHSデッキのみ。それなりに大きな教室だから、当然DVDプレイヤーもあると思っていた。慌てて研究室にポータブルのプレイヤーとプロジェクターを取りに走る。据え付けのものを急いでバラしたものだから、いろいろなコードがこんがらがってしまった。それをほぐすのに四苦八苦する。焦れば焦るほど絡んでしまうのだ。

 結局映像をスタートさせたのは、チャイムが鳴ってから10分後だった。やれやれである。

 昨年までは社会化概念にまつわる講義をしてからビデオをみせていた。しかし今年は先日の「社会学の基礎」の授業の経験から、先にビデオをみせ、それから概念の解説をビデオの内容と関わらせながらしていくことにした。

 結果的にはやはり先にビデオをみせたほうがいいようである。昨年は「編集したものではなく、全編通してみたかった」といった、授業担当者としてはどうにもリアクションのしようのないコメントが多く、辟易したのだが、今回はちゃんと社会化というものの見方・考え方に関する質問やコメントが多くみられた。これからはビデオ→講義という順番で行こう。

 研究室に戻り、4コマの「公民演習」は『現代社会の理論』の2章を読む。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』も、水俣病の話しも、3年生の2人は知識としてはちゃんと知っていたが、とくに後者に関する詳しい事情まではわからないとのことだった。僕も学部生のときに取っていた鹿野政直先生の「日本文化史」の授業で習ったから知っているだけで、そうした授業に触れることがなかったら、おそらく知らないままだったろう。

 演習は20分ほど早く切り上げて、明後日の社会科学研究会に向けての打ち合わせ。発表の順番決めやら、レジュメの印刷やらで2人は大わらわである。僕もジュースやお菓子の購入といったことは請け負うことにした。

 夕方から図書館で借りた資料をコピーする。近々研究で必要になるのはわかっていたのだが、後回しになっていた。返却期限が迫ってきて、ようやくやろうという気分になった。コピー機を占拠して、ひたすら資料をめくっては押さえ、という作業を繰り返す。

 途中人文学部のS先生とH先生がモダ本を届けにわざわざ研究室まで足を運んでくださった。お茶を飲みながら、最近あちこちの大学で出されるようになったテキスト類と比べると、モダ本の価格(約200ページで2,000円)は安いですよね、といったことをお話しする。明日の授業では、とにかく学生さんたちに買ってもらうためのアピールをちゃんとしなければ。

 人民食堂での夕食の後、明日の授業ノートをテキストとタイアップさせる形で手直しする。配布レジュメに記載された情報と板書の内容を大きく削り、テキストを読みながら進められるように作り直す。資料もテキストにあるものはプリントから除き、代わりに新しい図表を2枚ほど追加資料としてプリントにする。

 再び資料のコピー。単純作業を黙々と続ける。日付も変わって、あともう少しというところで、紙詰まりが起きた。3枚ほど取り除いたが、まだエラー表示のランプが消えない。こうなると機械との格闘である。午後のプロジェクタ設置と合わせて、本日二度目のトラブル。これだけで30分はかかっただろうか。その後、電源を入れ直したら、メモリにたまっていた分のデータが消えてしまった。消えてしまったところからもう一度コピーし直しである。

 大学院生のころが思い出されて、懐かしくなる。あのころは、コピーを取る枚数が多ければ多いほどいい研究ができるような気がして、周りと量を競い合っているようなところもあったなあ。だからずいぶん気を張ってコピーを取っていたものだ。そんな気分で研究していけたらいいだろうな、と思う。さすがに眠い。夜食のプリンを食べて帰ることにする。明日は少し遅めに出てくることにしよう。

5月14日(水)雨後曇:モダ本刊行

2008-05-15 00:32:29 | 仕事
 9時起床。今日は少しゆっくり目に出かける支度。トースト1枚とドリンクヨーグルト。少し雨がぱらついていて、傘を差して歩く。肌寒い。シャツに綿のセーター、その上にジャケットを羽織ってちょうどいいくらい。

 午前中はゼミの文献にもう一度目を通しておく。いろいろなモノを散らかしてしまったテーブルの上を片づける、というよりは事務用机の上に一時移転。いい加減ゼミ生に怒られてしまう。もっとも、ゼミ生が飲んだマグカップなんかはときどきテーブルの上に置きっぱなしになっていて、それを夜僕が洗ったりしているのだ。だからというわけではないが、少しは大目にみてもらいたいところ。

 昼食はスコーラムで。今日はハッシュドポーク(豚肉のハヤシライスでは断じてない)が200円のサービスデー。サラダとドリンクを付けても400円だ。味も値段からすればとてもいい。

 人文学部の法学のH先生がいらしたので、同じテーブルにお邪魔する。前にも書いたが、高校の同級生である。先生が半年早く着任されたのだが、この大学でもほぼ同期のようなものである。3年目に入って、急に仕事の量が増えたとのこと。僕もそれは同じで、やはり新任の猶予期間が切れたんですかねえ、といった話しをする。

 H先生の担任だった学院のT先生は、僕が学部4年生のときの教育実習の指導教員だったこともあって、ひょんなところでつながりがある。もともとクラスも隣だったのだけれど、3年間クラス替えがなかったので、全くお互いのことを知らなかった。弘前まで来て知り合いになるというのも、本当に不思議な縁である。

 なんだかんだで早稲田は強いですね、といった話題にもなる。人文学部には早稲田の出身の先生がかなり多いとのこと。弘大稲門会もできるかもしれない(ちなみに教育学部は広島大学の出身の先生が多いので、親睦会のようなものがあるそうだ)。

 4コマはゼミ。先週に引き続き、ギデンズ『社会学』16章「教育」の後半を読む。今回のところはバーンスティンの「制限コード」「精密コード」や、ウィリスの『ハマータウンの野郎ども』、ブルデューの再生産論など、これまで僕の授業では教えていない項目が頻出する。ちょっと大変かな、とも思ったが、ゼミ長のWさんはしっかりとしたレジュメを作ってきてくれた。解説を加えながら、Wさんが出してきてくれた論点について話す。2年生も放っておいてもちゃんと発言してくれるから安心していられる。最初のうちは何よりも口を開くことが大切なのだ。

 5コマの時間は委員会。昨日用意した資料をもとにいつもより早口で話す。幸い他の委員の先生方からの質問や指摘もなく、滞りなく終わった。やれやれだ。

 研究室に帰ると、「社会学の基礎」のテキストである『近代化のフィールドワーク』(愛称:モダ本)が生協に入荷した旨、編者の人文学部のS先生からメールが届いていた。早速生協に行ってみる。執筆者にはまだ届いていないのだ。たまたま購入した学生さんがいたので、「悪いけどちょっとみせてくれないか」と頼んでみせてもらった。

 うちの学部のデザインのS先生による装幀は、明るくとても美しい。本文の写真も思ったよりきれいに印刷されていた。やっぱり僕も欲しくなったので、研究室に財布を取りに行って(慌てて飛び出したので忘れてしまったのだ)、1冊購入する。教科書入荷後のしょっぱなの授業は今週金曜日、スケジュールの入れ替えで僕が担当することになっている。このテキストの面白さを存分に語ってやろう。これこそ自称「社会学の基礎」担当きってのエンターテイナーである僕にふさわしい役回りと勝手に思っている。

 自分も著者の一人として関わった本ができたことは何よりうれしいし、刊行に向けてひとかたならぬ尽力をしてくださった編者のS先生と、実務の一切を取り仕切ってくださった人文学部のH先生には心から感謝したい。

 夜7時から附属中学校の先生方と、公開研に向けての指導案の検討会。同じ講座のI先生をはじめ、出席者の先生方はみなスーツにネクタイ姿だというのに、僕は自宅に帰って着替えるだけの余裕がなくて、一人普段着という格好だった。申し訳ない気分。おまけに附属中の先生の指導案はきちんと検討され、あれこれ厳しいコメントも付されるのだが、大学教員の指導案は、ノーチェックで授業へ、という形になる。先生方の中では僕が一番年少であるにもかかわらず、常に大学教員ということで立ててもらえるのはどうも落ち着かなかった。ちゃんとやらなければなあ。

 帰宅して、今日は両親の結婚記念日だということに気づいた。贈りものも何も用意できないまま、メールだけ送った。両親も仕事が忙しくて忘れていたようである。とりあえず、いつもと同じプレゼントを調達することにした。

5月12日(月)晴:学習指導案作成

2008-05-13 00:15:56 | 仕事
 7時半起床。トースト1枚とヨーグルトの朝食(ドリンクのほうを切らしてしまった)。大学までは歩く。

 いつもより早起き(世間的には全く早起きではない)したのは、昨日のうちに書き上げなければならなかった公開研究会の授業の学習指導案ができあがっていなかったから。昨夜はあまりの眠さに負けて書き上げないままに寝てしまったのだ。

 早速作業に取りかかる。学習指導案を作るのは大学4年生のときの教育実習以来だ。以前一橋大学で社会科教育法という授業を担当していたのだが、そのときも学生さんには指導案を作ってもらったが、僕自身は作っていない。10数年ぶりの指導案づくりである。

 これがまた思ったよりも手間のかかる作業だ。附属中学校の先生のものと、かつて社会科の同僚の先生が作成されたものとをサンプルとしてもらっているが、到底こんなふうにはできるわけがない。所詮は社会学の授業だから、学習指導要領なんかもあまり気に留めないことにした。一発勝負でもあるので、単元の設定なんかも省略する。おかげですっかんすっかんの指導案ができた。そもそも、指導案を作って授業をするなんてえのは僕の仕事の範疇外だ。

 昼食は生協の出店の麻婆丼とサラダ。急いでかき込んで、今度は3コマの大学院の授業準備。3コマの「社会学特論」はようやく通常の授業時間帯に戻った。『希望格差社会』の3・4章を読む。ついこの間のよかった時代=高度成長期がどのようなものであったのかについて話す。僕自身は第二次オイルショックの年の生まれだから、それこそ高度成長なんて実感がないのだけれど。

 3コマの途中で附属中学校の先生から指導案の催促の電話がかかってきた。2,3日くらいなら遅れても問題ないという、大学の慣行が染みついてしまっているからどうもいけない。大学の常識は世間の非常識なのだ。4コマの時間に急いで作成のうえ、お送りする。何とか間に合ったようだ。

 5コマの「基礎ゼミナール」は連休明け、しかも前回はお花見だったから、どうしてもゆるい雰囲気になるのはわかっていた。だから表情ひとつ変えず、厳しい口調で「文献を読んでこなかった人は今日は帰ってよろしい」という。よし、これで引き締まった。今日に限っては淡々と授業を進める。最後までそのスタンスは崩さなかった。僕のほうで場をコントロールできている限りは大丈夫。

 10時に帰宅して、「花の湯」に行く。のんびりと湯に浸かる。気がつくと早いもので今月ももう中旬に差しかかっている。
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5月8日(木)晴後雨:コミュニケーションの文体

2008-05-09 01:46:01 | 仕事
 7時半起床。「野風パン」の田舎パンを焼いて食べる。歩いて大学へ。

 朝が早いと頭が回らない。コーヒーを飲み、今日の授業で用いる文献に目を通す。1コマは大学院「社会学特論」の月曜日の代替授業。『希望格差社会』の1・2章を読む。リスク化と二極化がテーマなのだが、ここでも現職の先生からみると受け容れられる部分とそうでない部分とがあるようだった。

 面白かったのは、「自己実現」「自己責任」に関わる議論。社会学の側に立つ僕からすれば「自己実現」というスローガンはうさんくさいものでしかないのだけれど、先生方からすれば大切にしなければならない価値である。この辺の対立するところを率直に意見をぶつけ合えるのが結構楽しいのだ。

 2コマは午後の2つの授業の準備に充当する。昼食は生協の出店の弁当(鳥塩さっぱり丼とひじきサラダ)。

 3コマの「社会学概論」は近代社会の二重構造と愛情至上主義の話し。家庭で食べる夕食と外で食べる夕食とで、代金を払ったり払わなかったりするのはなぜか、といった話しの流れで、各自に質問・コメントカードに昨日の夕食の内容を書いてもらった。

 これが「食べなかった」という人からかなり豪勢な食事まで、実に多様である。意外だったのは、昨夜家族と一緒にご飯を食べたというのが50人中1人しかいなかったこと。自宅生もかなりいるのだが、どうやらアルバイトの前後で家族とは別々に食べたというケースが多いようだ。僕が学食のことを人民食堂と呼び続けたら、結構ウケていた。今後この呼称が広がるかもしれない。

 4コマは公民演習。『現代社会の理論』の1章を購読。3年生の2人にとってもかなり苦しい読書だったようである。見田宗介さんの言語感覚というのは独特だからなあ。僕のほうで事前に提示しておいた論点についても、昨日のゼミのようなハキハキとした議論にはならなかった。とはいえ、難しいと感じた論点については、2人でお昼ご飯を食べながら相談するなどして考えていたようである。教員のいない、授業外のところで知的作業を積み重ねることはとても大切だ。

 夕方は「社会学概論」の質問・感想カードに目を通す。ここまでは割と楽しんでもらえているようだ。同時に細かいツッコミが書かれたものもある。「愛情はお金と交換できない」という規範があるにもかかわらず、離婚の際に慰謝料を支払うのはどういうことか、など。もちろんこちらには答えが用意してある。このようなコミュニケーションをどれだけ意味あるものにしていけるかどうかがこの授業の成否を左右する。

 でも、ちょっと驚くというか、気になるのは、文章の「口調」だ。友だちに送るメールのような文体で書かれているものも結構目につく。まあ、教員に権威が欠けているからそうなるのかもしれないが、それでいいのかなあ、とも思う。実習だの現場だのというより、この辺のコミュニケーションの作法みたいなところからきちんと固めていかないとダメなんじゃないかなあ、と思うのだが。

 このブログを読まれている学生さんの中には気を悪くする人もいるかもしれないが、「内容」については、うちの学生さんと東京で僕がみてきた学生さんとの間にさほどの違いはない。むしろクオリティは高い。だが、「形式」という点ではかなり劣っていると思う。もちろん個人差はあるわけだから、一概に決めつけるわけにはいかないけれども。そして僕はどちらかというと、後者が優れているほうを好む。

 人民食堂で夕食。研究室で2,3仕事を片づけてから少し早めに帰宅する。明日から久しぶりに東京に帰る。どんなに疲れていても、東京に帰れるという事実だけで多少なりとも元気が出る。

5月2日(金)晴:ギャップ

2008-05-03 02:01:23 | 仕事
 9時起床。トースト1枚にドリンクヨーグルト。先週の『美味しんぼ』でドリンクヨーグルトが取り上げられていて、それに触発された。

 時間に余裕があるので歩いて大学に行く。2コマの授業が始まる少し前に研究室に入る。基礎ゼミの学生さんが相次いで履修表にサインと印鑑をもらいにやってくる。うちの学部は学期ごとに30単位が上限で、それを超えるケースには指導教員が理由を書かなければならない(理由を付すと34単位まで認められる)。主だった理由は教員免許を複数種取得するためなのだが、それにしても週に15コマというのは大変だなあ。僕が学生のときの最多が13コマだったから、17コマともなるとますます大変だ。

 昼食は少し早めに食べる。生協の出店のカルビ丼とサラダ。あまりおいしくない。

 3コマは大学院の「社会学演習」。昨日の「社会学特論」は形式上は講義(といっても履修者が2人しかいないので、実質的に演習形式を取っている)で半期科目。こちらは通年科目である。ライフコースの社会学ということになっている。嶋崎尚子先生の『ライフコースの社会学』を最初のテキストに使うことは決めてあるのだが、今日は導入として、2006年10月に放送された「21歳になりました~7年ごとの成長記録」をみてもらった。90分番組なので、授業時間いっぱいいっぱいを使い、映像をみながらあれこれ議論する。

 1985年に生まれた13人の若者たちのライフコースの転機は何か、そして不安というものがどのように生成され、またいかなる解決がなされようとしているか、といったことが論点になった。履修者の2人の院生さんはいずれも現職の先生(昨日の「特論」から1人入れ替わっている)だから、日ごろみている子どもたちとの対比のもとでいろいろ面白い話しを聞かせてもらった。

 授業の後はしばしお茶を飲みながら雑談。

 大学院に進学したきっかけや動機なんかを聞いてみる。いずれもお仕事を休む形で通学しているから、送り出す側の学校の期待というのはとても大きいのだそうだ。そして1年間(大学院は2年間だが、勉強に専念できるのは最初の1年に限られる)休む分、現場に還元できるようなものを身につけて戻ってくるのが当然、と思われるのがかなりプレッシャーになっているとのこと。

 しかし、実際に授業を受けてみると、本当に職場復帰後にすぐ役立つのか、疑問に思うことも多いという。授業料は自己負担だから、それこそ支払ったコストに見合うだけの成果が得られるのか、不安に感じているそうだ。

 僕にとっては耳の痛い話しである。そもそも僕は学部も大学院も、教育現場で役立つような授業なんてやっていないし、またそういった指向性もこれっぽっちもない。あくまで自分の仕事は「教養」を伝えることだと思っているし、「授業」は好きだけれども、やりたいのは「実践」ではなく、「学問」である。

 結局のところ、大学教員にできることと、大学院にやってくる現職の先生方との間でミスマッチが起きているということだ。教職大学院のような形態を取れば、こうしたミスマッチも解消されるのだろうが、うちの場合は、数こそ少ないが、研究者を指向するストレートマスターだって入ってくる。だから「実践」に傾斜すればいい、という単純な話しではない。

 環境や条件をきちんと吟味したり、整備することなしに、なんとなしに「大学院に行くと何かしらメリットがある」といった方向づけがなされてきたところに問題があるのだろう。だいたい、つい最近まで大学院生だったような、僕のような若造が大学院の授業を担当していいのかな、といった疑問さえ払拭できないのだ(一応資格審査はパスしているようだが)。

 なかなか難しい問題ではある。だが、こうやって院生さんたちと率直に意見を交わせたのは有意義だったと思っている。

 夕方から撮影した資料のプリントとファイル作業。複写漏れを見落とさないために、パソコンのディスプレイとにらめっこが続くので、目がとても疲れる。この資料のプリントのために、トナーカートリッジを2本消費した。これから先、データ入力の謝金なんかも勘案すると、お金がもつのかどうか、不安になってきた。

 プリンターがうなる傍ら、今日もネット中継に見入る。立ち上がり不安定だった岸が、徐々に調子を上げて2安打完封。打線も清水直行を打ち崩しての勝利だから、この勢いはホンモノだ。今の僕にとっては、ライオンズの勝利は一番の清涼剤になっている。

4月30日(水)晴:ひと月遅れ

2008-05-02 00:31:52 | 仕事
 8時起床。昨日買った調理パンとコーヒーの朝食。寝ぐせがひどかったのでシャワーを浴びてから調査校へ。

 今日はかなり気温が高くなるとの予想だったが、作業室は意外と寒い。ジャケットを羽織ったままひたすらシャッターを押し続ける。今日扱った資料は比較的紙質がよいので、かなりのハイペースで進む。

 昼食は学食でからあげラーメンを食べる。食べ終えるとすぐに作業に戻る。どうにか今日でひととおり完了し、連休明けにもう一日複写漏れの撮影日をいただくことにした。2月の調査のときよりも撮影枚数は多く、Aさんにお手伝いいただいた2日を除けば、ほぼ1人でやり抜いたので、そこはかとない達成感がある。

 一度帰宅してからすぐに大学へ。歩きたいところだが、時間がない。ギリギリで4時からの附属小中学校の先生方との協同研に間に合う。6月の公開研の授業担当に加えて、5月末の研究会でも話題提供をすることになった。モチベーションは、低い。知的生産からどんどん遠ざかっていく。

 5時過ぎに研究室に戻ると、ぐったりする。楽しみはライオンズのインターネット中継。今日の石井一久の投球は貫禄だった。それにしても今年のライオンズの野球は派手である。ホームランがポンポンと飛び出す。普段はゼミ生用PCのほうで中継をかけて、自分のPCでは仕事をしているのだが、ついつい中継のほうの画面に目が向いてしまう。おかげで仕事に集中できないが、メシはうまく感じられる。

 明日から本格的に授業が始まる。GWまで必死に駆け抜けて、仕切り直しをして、という例年のパターンとは異なり、1ヶ月くらい遅れての学期開始といった気分だ。おかげでGWのありがたみもちょっと薄かったりする。休みが長かった分、今日の石井投手のように、初回から飛ばしていきたい。

4月25日(金)晴:乗り切る

2008-04-27 02:53:39 | 仕事
 7時起床。トースト1枚とコーヒーの朝食を済ませ、スーツを着込んで車で大学へ。正門のところで学校サポーター実習のスーパーバイザーの先生と実習生と待ち合わせる。弘前市のかなり奥まったところにある小学校への挨拶に行く。

 渋滞を見込んで早く出たものだから、時間には余裕がある。先生の提案でりんご公園に立ち寄る。GW明けに咲くらしいりんごの花も、すっかりつぼみをつけてもうすぐ咲こうといった様子である。もし桜が終わってしまったら、りんごの花を眺めるのもいいかもしれない。公園の丘からは、りんご畑の向こうに岩木山を望むことができる。

 

 挨拶のほうはつつがなく終わった。というより先生がほとんどの手続きをしてくださって、僕はすることがなかった。何のために大学教員が付き添わなければならないのか、まったくもって不可思議である。だが、こういった理不尽なことに慣れていかないとやっていけないのが今の教育学部であるらしい。とりあえず景色のいいところにドライブに行ったのだ、あるいは一日タクシー運転手体験をしたのだ、と思うことにした。

 先生と実習生を送り届けて大学へ。夕方の研究会のレジュメを作る。大学院生のときに読んだリプセット&ベンディクス『産業社会の構造』がテキスト。僕が推薦して読むことになった本なのに、慌ててレジュメを切っているあたり、面目ない気持ち。

 生協の出店の弁当をかき込んで3コマは「社会学の基礎」の授業。火曜日と同様に「不都合な日本の真実」をみせる。ただし火曜日の反省を踏まえて、先にビデオをみせてから解説をした。このほうが僕自身の意図がよく伝わったようだ。

 4コマの時間を使ってレジュメを完成させる。何とか間に合った。人文学部のY先生の研究室でS先生、H先生、Y先生の4人で研究会。文献の第1部を僕、第2部がS先生、第3部がY先生の担当で報告と議論。こういったスタイルの研究会は、とても懐かしい感じがする。院生のころのピリピリとした緊張感こそないけれど、いい勉強になる。「教える」という立場を意識せざるをえないゼミとも違った雰囲気だ。

 研究室から持参した「トマソン」群(僕の部屋の蔵書は、買ってもほとんど読まれないので「オブジェ」と呼ばれているのだが、最近は「オブジェ」ですらない「トマソン」とされている)をみてもらって、次回の文献を決める。月に1回の楽しみ(レジュメを作るのは大変だけど)ができた。

 研究室に戻り、しばし解放感を味わう。この1週間は、おそらく就職してから最も忙しかった。どこかで何かしくじりが出るかと思っていたが、何とか乗り切ることができた。心の底からほっとする。

 人民食堂で夕食を済ませ、二水会(当然今回も出席しない)の二次会に出る。連絡をいただいてから、「Cherry's Bar」へ。

 少しして別の先生が新任の先生方を伴って到着した。新任の先生は様々に展開する二次会への「引き」が強いので、来てもらうのは大変である。そのあたりの力量はさすがである。

 新しい2人の先生を除く5人は、3月のときの二次会とまったく同じ顔合わせで、いわば「気心知れた仲」である。仕事に関わることから、かなりプライベートなことまで、かなり盛り上がることができた。新任の先生も、先週の歓迎会以上に本音でしゃべってくださったので、とても面白かった。

 1時半にお開きとなる。残った先生方を順番にお送りする。2時過ぎに帰宅。どっと疲れが出た。スーツからパジャマに着替え、そのまま倒れ込むように眠る。
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4月23日(水)晴:初ゼミ

2008-04-24 00:41:19 | 仕事
 目が覚めたら10時だった。多少寝不足の分を取り戻した感じ。黒ごまペーストを塗ったトーストを食べて大学へ。

 今日はゼミの初回(先々週は顔合わせのみ、先週は教授会で休みだった)である。文献はギデンズ『社会学』の1章だ。もう一度授業前に目を通しておこうと読み始めて気がついた。そうだ、初回は僕がレジュメを作るから、といっていたのだった。

 慌ててレジュメ作成に取りかかる。ページ数は多くはないからできないことはない。ただ、レジュメというのはこうやって作るのです、というお手本だから、それなりにきちんと作らなければならない。結構集中して作業する。途中でゼミ生のAさんが研究室にやってきたが、ろくすっぽ応対もせずにパソコンに向かう。

 何とか1時半に仕上がった。やはり撮影を入れないで正解だった。ゼミの開始までは50分ほどあるので、スコーラムで昼食。ドライカレーのランチとセットドリンク。注文を取りにきたNさんに進められるがままにアイスクリームをビスケットで三度したものも注文する。すっかり「お客さん」になってしまっている。

 お腹が空いていたので、割と急いで食べていたら、もう少しで食べ終わるという絶妙のタイミングでアイスが出てきた。カプチーノとよく合う。さすがにパフェなどは重いので、これくらいのデザートはちょうどいい。

 研究室に戻るとゼミ生の5人はすでに揃っていた。ちゃんと5人分の座席スペースを確保した研究室だが、勢揃いするとやや手狭に感じる。ここでゼミができるのは今年度限りかもしれない。

 初回ということで、割と長めに、レジュメに書いた内容を補足説明しながら進める。最初の具体的な事例(コーヒーの話し)あたりまではわりとすんなり読めたようだが、コント、デュルケム、マルクス、ウェーバーあたりのくだりになると結構しんどくなったようだ。初学者の彼女たちにとって耳慣れない概念を、できるだけわかりやすい事例に即して説明するように心がける。予め説明の事例を要しているわけではないので、即興である。これは僕にとっても実はいいトレーニングになるのだ。

 今日はざっくばらんに感想を述べてもらう。3年生に関しては心配していないが、2年生はまず口を開くことが大事だ。思いつきでも何でも口に出していうこと。多少「強制」した部分もあったけれど、とりあえず全員が考えを述べることができていたので初回ならまずまずの内容だろう。終わった後は来週のお花見の打ち合わせをする。

 3年生の2人としゃべっていたら、一応僕が顧問ということになっている、「劇団プランクスター」の皆さんが研究室に挨拶にやってきた。役者さん4人、裏方さん2人の計6人全員揃ってのご挨拶である。何とも義理堅い。でもこういったことができるのはとてもいいことだ。

 HPのほうに載っているポスターなどは実に美しい出来映えである。代表のO君には「素敵なポスターだと思うけれども、もう一人スターの写真を載せるのを忘れていないか?」といっておいた。教室使用の書類に必要な顧問のサインを取りに来るときにはいつも「出演以来かね?」というようにしている。

 新入生の勧誘や、初公演に向けての準備も着々と進んでいるようである。ただお芝居が好きという単純な理由でお引き受けしたのだが、僕自身も一人の観客として公演を観られるのを楽しみにしている。

 人民食堂で夕食。その後明日の仕事の関係書類に目を通す。8時少し前に、25日で公開が終わる「Sweet Rain」が気になって、4回目の鑑賞。やはりよかった。これで十分満足した。「花の湯」に浸かり、明日に備える。

4月18日(金)曇:拍手

2008-04-19 23:48:39 | 仕事
 7時半起床。たまにはトーストと違うものを、と思い、買ったままになっていたシリアルを食べる。スーツにネクタイ。最近この格好をしなければならない機会が増えてうんざりする。

 8時半に4年生のM君とS君を大学正門まで車で迎えに行く。2人を乗せてS小学校へ。今日は学校サポーター実習の訪問挨拶。約束の9時に学校に到着すると、通用口のところに校長先生・教頭先生・教務主任の先生が待っていてくださっていた。校長室に通していただいてご挨拶。学生の勤務(1年間に20日、学校にTAのような形で詰めることで実務を学ぶというのがこの実習の趣旨)についての打ち合わせ。かなりこちらの事情に配慮していただいた。

 校舎内を案内していただく。公立の小学校を訪問するのは僕も久しぶりだ。小さな机に懐かしさを感じたり、その一方で大学よりも立派なコンピュータ室に驚いたり。

 これから年に数回「巡回指導」という形で僕も学校を訪問しなければならない。授業の合間を縫って(そのために休講措置を取ることはできないらしい)、かつ学校やスーパーバイザー(近隣の元校長先生が務める)とのスケジュールを調整してということだから、かなり面倒な仕事で、正直気が滅入る。しかも僕の担当校のひとつは片道1時間近くかかる。手当もなく、まさに「勤労動員」さながらである。

 10時半に2人を大学まで送り届け、僕は少しばかり仕事をサボることにした。カメラのキタムラで資料複写用の三脚を買い、ユニクロで白い長袖のTシャツと青いハンドタオルを買う。ついでにダイソーで野球のボールを買った。

 帰宅して、スーツを脱ぐ。着替えてから大学に急ぐ。12時40分からの「社会学の基礎」のガイダンスに出なければならない。

 今日のガイダンスは、担当者勢揃いとはならず。うちの大学で一番収容力のある総合401教室の席がちょうどびっしり埋まっていた。火曜日と同様、社会心理学のS先生の講義の後、各自の自己紹介。僕は欠席されたT先生の授業の説明もした。

 自分のところにきたところで羽織っていたジャケットを脱ぐ。中には早稲田大学野球部のレプリカユニフォームを着込んである。下は先ほどユニクロで買ったTシャツ、ズボンも白の綿パンである。腰のベルトのところに差してあった「W」マークの野球帽をかぶり、やはり先ほど買っておいたハンドタオルで顔を拭く。何のコスプレかは直ちに伝わったようだ。

 「同じようなアイテムを身につけても、さわやかさというものが微塵も感じられない自分に少々うんざりしております」と始めて、なぜあれだけの投手が大学に進学したのか、その動機(野球以外の人生の可能性や選択肢)に絡めて、「いい大学に進学すること」が「自分の好きなことができる(可能性)」へとつながっていること、あるいはそうであるというイメージが学歴社会を成り立たせているのだ、といった趣旨のことを話した。

 ついでに早大野球部のユニフォームのデザインのことにも触れ、欧米の大学のあらゆる側面の「模倣」から日本の近代教育が成り立っている、といったことも述べた。

 最後に「決めのポーズを」といって、ポケットから取り出したボールを手に、腕を前に突き出してみせたら、どこからともなく拍手が起きて、全体に広がった。授業の最終回に拍手をもらったことはあるが、ガイダンスのパフォーマンスで、というのは初めてのことである。かなり驚いた、というか率直にうれしかった。帽子を取ってお辞儀をして、Y先生にマイクを手渡した。

 スコーラムで昼食。よく応対してくださるNさんは最近このブログをみつけたらしく、先日しょうが焼きがしょっぱかったことをわざわざ詫びてくださった。もっとも、あんなことはたまたまで、通常のスコーラムの食事はなかなかうまいのである。そうでなかったらこうも頻繁に通ったりはしないのである。Nさんは「スコーラムはカレーの店ですから!」とおっしゃっていたから、きっとそうなのだろう。僕は時々しか食べないのだが(人と会うときにニオイが気になるので)、実際ここのカレーはかなりおいしいと思う。

 夜7時から代官町の「シェ・モア」で新任の先生方の歓迎会。フランス料理のコース。今年度新たに来られた先生は3人。4月着任だと「同期」がいてうらやましい。僕は10月着任だったので、「同期」がいないのである。

 料理はとてもおいしかった。落ち着いた雰囲気の中で楽しかった。マニアックな話題仲間のM先生とは、この機会にとマニアックな話しで盛り上がる。

 桜が開花したとのことで、夜の弘前公園に行ってみる。まだ桜まつりが始まっていないのでライトアップはされていないが、外堀のあたりはもう結構花が咲いている。これではGWまでもつかどうか、かなり厳しそうだ。

 エラソーに弘前城にまつわる講釈なんかを垂れてみる。酒は飲んでいないのだが、何だかテンションが上がってきた。富山ご出身のK先生に、先日訪問した富山と高岡がいかに素晴らしい町であるかを語る。

 そのまま散策して鍛冶町の「けん太」という居酒屋へ。新任の先生の中に、同じ年生まれの人がいることがわかる。これまで同期はもとより、同い年の先生もいなかったからちょっとうれしい。すっかり楽しい気分になったまま、2時に帰宅。最近、やけに一日が長く感じられるようになった。

4月17日(木)晴:千客万来

2008-04-18 00:02:18 | 仕事
 9時にかけていた目覚ましを30分遅らせる。眠い。トースト1枚の朝食。

 研究室に着くと、まず最初に公民科の研究会で使用する会議室の手配。それから今日の午後の演習(僕は2年生以上の「ゼミ」(これは単位にならない)と3・4年生の「演習」とを別々に開講している)の配布用シラバスをまとめる。日程と購読文献の割り当て。こういうことは早めにやっておかなければならなかったのだが。

 学部の生協の出店でナポリタンとサラダを買い、研究室で食べる。やっぱり味気ない。スコーラムに行きたいが、3コマに授業がある日はせわしなくなるので研究室で昼食を摂ることになる。

 3コマは「社会学概論」の初回オリエンテーション。僕の授業を受けたことがあるという学生さんは全体の半分くらいだった。今年度は教室が広々としていて気持ちがいい。昨年は狭い教室にぎちぎちに詰まっていたので。

 配布した日程に誤りがあることがわかった。学生便覧に掲載されている授業日程表の、正誤表を確認しないまま、誤ったほうでスケジュールを組んでしまったのだ。学生さんに指摘されて、その場で訂正。掲示も出さなきゃいけないな。

 30分でオリエンテーションを切り上げると、先週のゼミガイダンスに出られなかった新しいゼミ生のTさんがオリエンテーションの後で僕のところにやってきた。研究室に戻ると、ドアのところに人文学部のH先生のところの学生さん2人がいる。必要な文献を借りにきたとのこと。雑誌論文なので、その場でコピーをして渡す。

 その間にはタイミングよく3年生の2人が前後してきた。Aさん、Wさん、Tさん、僕の4人で顔合わせの後、ゼミの進め方などを説明する。

 少し経つと、今度は大学院生の2人が研究室を訪ねてきた。Tさんへの単位の取り方の説明などは3年生に任せ、僕は院生さんの応対をする。月曜日の授業を資料撮影のために休講にしたため、オリエンテーションを個別に行うことにしたのだ。お2人とも現職の先生なので、社会学にもあまりなじみがないとのこと。少し専門的な本を読もうと思っていたけれど、内容をみてもらって、読みやすいものに変更することにした。問題は時間割で、すでにきっちきちに授業が詰まっている。僕のほうでも開講時間を変えてあげないとダメらしい。参った。

 率直にいうと、これまで大学院の授業は昨年度に講義を半期、演習を半期受け持ったのだが、後者は受講者がいなかった。今年度も授業を設定はしたものの、まさか受講希望者がいるとは思わなかったので、大慌てで対応することになった。

 4コマの時間は研究室で「公民演習」のオリエンテーション。受講者はゼミの3年生2人。昨年のゼミのようだね、と笑う(さすがに2人だけで回すのはきついので、文献報告のローテーションに僕も加わって3人で回していた)。こちらのテキストは見田宗介さんの『現代社会の理論』と『社会学入門』の2冊。

 残りの時間は公民科研究会の仕事の打ち合わせ。会場は押さえたが、それ以外にも会計処理や懇親会の料理の注文などをしなければならない。今年度の公民科の3年生はうちの2人を入れても4人しかいないから大変だ。僕も仕出し弁当の発注を請け負う。

 5コマの時間は、さっきまでいた人々が出払って、少し静かになる。生協で菓子パンを買い、オメガトライブのベスト盤を受け取って研究室のイスにもたれかかる。

 ガイダンスから3年生の2人が戻ってきて、引き続き打ち合わせ。一応方向は決まったようだ。

 それにしても研究室に人の出入りが多い一日だったな、と思っていたら、今度はゼミ生のNさんが、同じ専攻の学生さんを伴ってやってきた。今やってみたい研究があるのですが、というお勉強の話し。ただ、教育学部では収まらない内容なので、ならば人文学部のほうの授業に出てみたら、とアドバイスする。

 7時前に人民食堂に食事に向かう。途中の廊下でしばし立ち話。その後人民食堂へ。4人での夕食。実習のあり方について割と強い口調で批判的な意見を述べる。実習強化は明らかに教員を研究から引き離す方向に向かっている。

 研究室に帰ると、ようやく静かな時間が訪れる。今年の秋に訪れる予定のバルセロナのホテルを、教えてもらったとおりに予約した。日本のウェブサイトで予約できるとは思ってもみなかった。海外に出るのは18歳のとき以来である。パスポートも持っていない。あれこれ準備も勉強もしなければならないが、楽しみだ。

 賑やかなのは嫌いではないのだが、それにしても忙しかった。少しだけ読書。もう少ししたら帰ろうと思う。

4月16日(水)晴:人事不省?

2008-04-17 01:28:08 | 仕事
 朝8時起床。トーストを2枚食べる。

 一昨日に続いて資料の撮影に行く。今日は体調が万全だから、作業も調子よく進む。ただ、うっかりサポーター実習の訪問日を誤って記憶していたことに気づいて、小学校のほうに問い合わせのメールを送る。最初から面目ない次第。

 9時に作業を開始して、3時からの教授会に間に合わせるためにいったん帰宅するには概ね2時、できれば1時半に切り上げるつもりで進めていく。だが、途中で小さな紙片が挿入されている簿冊に当たると、かなりの時間のロスが生じる。まず簿冊そのものを撮影し、その後簿冊を除けて紙片を撮影。そして元に戻して…という繰り返し。

 昼食は作業の後で摂ることにした。時間も2時20分くらいまでは引っ張れるだろう。途中1回トイレに行ったのと、12時に5分休憩して缶コーヒーを飲む以外は、ひたすらシャッターを切り続けた。おかげでかなり捗った。

 2時40分に大学へ。自宅の駐車場に車を戻し、再び大学に出るだけの余裕がなかったから、一時駐車許可証を出してもらい、構内に停める。生協のコンビニでおにぎりを3つ買い込み、研究室でウーロン茶であわてて流し込む。何とか3時ちょうどに間に合った。

 新任の先生、事務員さんのご挨拶があり、それから新しい学部長さんの「所信表明演説」のようなものがあった。その内容はとてもいいものだった。

 今日の教授会は長かった。3時から7時まで丸々4時間。よその大学ではもっと長いのかもしれないが、昨年度僕が出た教授会はどんなに遅くても6時には終わっていた。僕は午前中の作業のこともあったから、かなりの時間「人事不省」(こう書くと、多少なりとも不可抗力的なニュアンスが出ないでもない)に陥っていた。あんまりまとまった記憶がない。それだけ大学の仕事の雰囲気に慣れたということではあるけれど、不良教員の道を邁進中といった感がないでもない。
 
 研究室のテーブルに3年生2人のメッセージが残されていた。これから公民科全体の研究会運営について、いろいろと忙しくなるらしい(僕も幹事教員だから忙しくなるようなのだが、すっかり他人ごとの気分だ)。2年生との交友も含めて、3年生にかかる期待と負担は大きいなあ。

 明日の授業準備をしてから少し早めの帰宅。久しぶりに「花の湯」に行く。作業をした日は、自分へのごほうびに温泉に行くくらいの余裕を、今後も持ち続けたい。