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高尾山下

最近は備忘録的に過去の旅行の記録をアップしています。

観た、読んだ、『最後の証人』

2011年09月04日 | 映画(韓国)

イ・ジョンジェめあて(!)で『黒水仙』(2001、ペ・チャンホ監督)を観たら、これがけっこう

面白かったのです。そうしたら、これはある映画のリメイクで、しかもその監督はイ・ドゥヨン!

…というわけで、観てみたのが『最後の証人』(1980)。

一人の刑事がある殺人事件を捜査するうちに、20年前の内戦による悲劇が明らかに

なっていく、推理ドラマです。

  

傑作!名作!って言われている作品なのですが…正直なところ…どうなのかなあ(爆)?

ただ、主人公の刑事役であるハ・ミョンジュンのやさぐれた男っぷりが、大変に私の好みに

あった(笑)のと、この刑事が事件の捜査のために彷徨うロードムービーっぽいところは

とても気に入りました。

Sg3

くたびれたツイードコート姿のハ・ミョンジュンに萌え!

  

Sg4

  

当時の韓国の様々な景色が眺められるのも興味深く、雪景色の農村や寂れた酒場、

都会の喫茶店…等々、どれも味があって良いかんじ。私は貧乏臭いのが好きなので、

主人公の侘しい部屋とか物悲しい宿なども、けっこういいなあなんて思ったりして(苦笑)

私の好きなイ・テグン兄貴が出演しているのを知らなかったので、嬉しい驚きだったし

ヒロイン役の美しいチョン・ユニさんを知ることができたのは大きな収穫でした。

Sg1  

ハ・ミョンジュンの煙草を吸う仕草に萌え!

  

Sg5

Sg2_2

 

もともとは2時間半ほどの作品が、検閲によるカットで公開時には100分になっていたそうで、

イ・ドゥヨン監督は相当にショックだったらしいです(涙)

今回観たソフト(※注1)は154分に復元されたものなのですが、監督には申し訳ないです

けれども、これは少々長過ぎるように感じました(汗)…カットしてあって丁度良いかも(小声)

  

…で、いろいろ感じつつの154分…ついに訪れる衝撃のラストシーン!

本当にビックリしました。イ・ドゥヨン監督、何考えてるんだと思いました…(爆)

たぶん、しばらくはこれ以上にビックリするラストシーンを観ることはナイでしょう(大袈裟か)

そこで、この作品の原作本(※注2)を読んでみましたところ、ラストシーンは原作に忠実な

ものでした。そして原作では、意外に衝撃的ではなくて、主人公の心の動きからすれば

納得のいく結末だと思いました。

 

『最後の証人』が傑作!と言われるのに対して、『黒水仙』は評価がイマイチらしいです。

なぜ??刑事役のイ・ジョンジェのアクションはカッコイイし(無駄な入浴シーンもあり!)

ヒロインのキャラクターを現代的なものに変えるなど、単なるリメイクにはしない意欲が

感じられるし、ストーリーの展開も良いテンポで、娯楽作品としては充分な出来かと。

Ks2 熱血刑事なジョンジェ!

  

ただし後半、なぜか宮崎に舞台を移すと、途端に火サスか土ワイのような雰囲気になって

しまうのが残念なところ(爆)…でも最後は名優アン・ソンギが、きっちり締めてくれます(笑)

(おかげでジョンジェの影が若干薄くなってしまうのですが…!)

Ks ソンギ先生!

 

衝撃のラストが気になる方は『最後の証人』を、アクションとサスペンスを楽しみたい方は

『黒水仙』を、ご覧下さいませ(^-^)

Ks3

  

なんだかんだ言って、こうしてブログで記事にしていたら、不思議とまた観たくなってきた

『最後の証人』…そんなふうに感じるのは、名作と言われるだけに底力のある作品だから

なのでしょうか?(って、えらそうにスミマセン…)

それにしても、イ・ドゥヨンのアクション映画がもっと観られるといいのに!とつくづく思います。

  

(※注1)日本語字幕あり、監督のコメンタリー入り、ブックレット付…豪華!

     私はyesasiaで購入しました。

(※注2)『最後の証人』(上・下) 金聖鍾(キム・ソンジョン)著、祖田律男 訳、論創社

     韓国日報が実施した懸賞公募に当選し、一年間にわたり連載されたそうです。

     ドラマも制作されたとか。

     ちなみに、『砂時計』のパク・ソンウォンが出演しているドラマ『黎明の瞳』

     (視聴率歴代9位)の原作は、このキム・ソンジョン氏の作品。

     ハ・ミョンジュンが演じている刑事のオ・ビョンホが登場する『ある娼婦の死』という

     小説もあるそうです。読んでみたい!

 


鯨とり・ナドヤカンダ

2011年06月19日 | 映画(韓国)

※ 6/26 訂正です!下記、『鯨とり』は7月5日初日、なんて書いてましたが、間違いです!

7月9日(土)が初日です!! メモメモ!

関係者の皆様、失礼致しました…

★宣伝です!

http://www.kazetokujira.com/

『風吹くよき日』、これは観ていないので、楽しみです。

…と思ってたら、東京では新宿K'sシネマにて、昨日から公開中!

『鯨とり』は、7月5日が初日(大阪シネヌーヴォは、6月25日から!)です。 メモメモ!

  

『鯨とり』の字幕を手がけていらっしゃる西ヶ原字幕社の、

林原さんのブログもご参照下さいませ。http://kujiratori2011.blog9.fc2.com/

DVDは来年初めに発売の予定とのことです。こちらもよろしく~!

  

…林原さん、あんまり宣伝活動できていなくて、スミマセン(汗)


大根に惚れてしまうじゃん?『鯨とり』

2011年02月12日 | 映画(韓国)

『鯨とり・コレサニャン』(1984,ペ・チャンホ監督)

これは、私が初めて観た韓国映画です。NHK教育テレビの「アジア映画劇場」でした。

この番組では、面白い作品をいっぱい観たように思います。

オキサイド・パンの『タイムリセット』もここで観て、面白かったのを覚えています。

   

お話は、

家出したダメダメ大学生のビョンテ(キム・スチョル)が、

Kk9

  

男前で気の良い乞食(アン・ソンギ)と出会い、

Kk6

  

失語症の可憐な娼婦・チュンジャ(イ・ミスク)を好きになって、

Kk8

  

売春宿の主人に追われながら、チュンジャを故郷の島へ連れて帰るという、

韓国縦断?ロードムービーです。

笑えるドタバタあり、ホロリとさせられるところもあり、TVで観てから20年近い年月が

経っているけれど、やっぱり良いなあと思いました。

アン・ソンギがものすごく魅力的で、たしかこの頃には韓国映画祭をやっていたりして、

彼の出演作を何本か続けて観ました。『神様こんにちは』も良かった…また観たいなあ。

   

アン・ソンギ扮する乞食は、彼の経歴については詳しく描かれていませんが、

元はインテリで哲学を学んでいたらしく、窮地に陥ったビョンテを助けずにいられないのは

人が良いからだけではなく、ビョンテが哲学科の学生で、彼の青臭さにかつての自分の

姿を見ているからなのかな?と思ったりしました。

  

Kk12

Kk11

Kk10

  

物語の最後、ついにチュンジャの故郷・ウド(牛島)に辿りつくという時に、

追っ手の売春宿の連中に捕まって、乞食もビョンテもボコボコにされてしまいます。

(ネタバレですが)この必死な状況に、チュンジャは口がきけるようになり、

「私、言うとおりにします!」と、売春宿の主人に懇願します。

すると、なぜか、極悪人のはずだったヤクザな主人が…許しちゃう。

なにかこう、この若い男女に心を打たれた、っていうのでしょうか…?

ええー?! 韓国の地図があったら、ちょっと見て下さい。ソウルからウドって

ものすごい距離ですよ!この距離を、執拗に追いかけてきたっていうのに…!

もし私が彼の子分だったら、「マジっすかー!?」と叫んでしまいます!

   

ずっと、アン・ソンギの飄々としたスマートな兄貴っぷりにグッときていながら、

この主人の姿に私は、「何?この人、カッコ良過ぎじゃん!」と、ヤラれてしまいました。

…アン・ソンギ、殴られ損じゃないか?ってくらい、美味しいとこ持っていったよ!

調べてみたらこの人、李大根(イ・デグン)でした! 名前だけは知ってたんですが。

Kk2 革ジャンがなかなかイカす!

  

「やっぱり良い」なんて言っていますが、TVで観た時は、実は最後まで観られなかった

のです(!)…その日はバイトに行かねばならなくて。

どこまで観たのか、よく覚えていませんが、確かにこのシーンは観ていないのです。

もし、当時の私の心に残ったのが、アン・ソンギでなく、このイ・デグンだったら…

人生が変わっていたかもしれません(爆)

   

先日、この『鯨とり』を検索していて、この作品をDVDリリースしようとなさっている方の

ブログを発見しました。 http://kujiratori2011.blog9.fc2.com/

良い作品だし、みんなに観てもらいたいし、差し出がましくも応援したいと思いましたので、

ご紹介しました。リリースされたら、観てね♪ (私は買うよ!)

   

大阪アジアン映画祭でも上映されます。(sabunoriさん、お時間があったら、是非!)

http://www.oaff.jp/program/korea/index.html

『下女』も、観てみたいなあ。

  

そしてなんと!今年の夏、23年ぶりにリバイバル上映されるとのことです(祝)

Kk7 イ・ミスク、可愛い!