高尾山下

最近は備忘録的に過去の旅行の記録をアップしています。

芙美子に引かれて?善光寺参り⑧

2015年06月28日 | 旅行/長野(2015年4月)
チェックアウトして、湯田中駅まで送っていただき、あとは乗車して長野駅まで行くつもりでいましたが、
前日食べた郷土食堂さんのお蕎麦が美味しかったので、もう一軒の気になっていたお蕎麦の店に行ってみたくなりました。

最寄りの駅は都住。



旅情をかきたてられる駅です!



このように、山と果樹園しか見えないのどかな道を歩いて行きます…


そば玄・せきざわ



お蕎麦好きには有名な、行列のできる店。
開店10分前に到着しましたら、すでに20人くらい並んでらっしゃいました。
開店し、一巡目に入れなかったので、店内で待つこと約30分…

生粉打ち・変わりそばの2種類のそば切りと鴨南蛮がいただける「茜三昧」と、
「そばがき」をオーダー。


まずは、そばがき。
まあるいふわふわのものが4つ、ゆで汁の中に浮かんでいます。
しょうゆとお味噌と薬味が添えられてきますが、なんにも付けなくても美味しい!!
郷土食堂さんのとは違うそばがきですが、これはこれで好き!

そばがきもそうですが、そば粉100%の生粉打ちそばは、そばそのものの美味しさをいだだくかんじ。
変わりそばは季節によって変わり、この時は「よもぎ」。緑色がきれい。

最後の鴨南蛮は温かい汁蕎麦です。
「このまま食べた後に、これを入れてみて下さい、味が変わります。」と添えられた薬味が、
きざんだ玉ねぎにタバスコを加えたもの。
そのまま食べてもとても美味しい鴨南蛮のおつゆが、不思議な美味しさに変化してビックリしました。

せっかくなので、デザートも。
そば粉入りの蒸しようかん、「むらくも」
これもこのまま食べても、あっさりした甘さで美味しいお菓子でしたが、添えられたブランデーをちょっとかけていただくと、
また違った美味しさに!

しみじみ美味しいのもいいけれど、こんなふうに美味しさに「わっ!」って驚いちゃうのが、楽しく感じたお店でした。

木をふんだんに使った店内は、とっても居心地が良いのですが、待っている方がたくさんいらっしゃるため
あんまりのんびりできないのと、現在店内での写真撮影が禁止になっていて、美しいお蕎麦やお菓子の写真が
撮れなかったのが残念。
検索すると、たくさん美味しそうな写真がヒットしますので、ご興味のある方は是非どうぞ。
…お蕎麦が食べたくなっても責任持てませんが(笑)


せきざわさんからはそう遠くないところにあるので、岩松院まで歩いて行ってみました。


ここも桜が真っ盛りでした。




ヘタウマなかんじで可愛い仁王様(笑)




岩松院は、葛飾北斎が描いたといわれる天井画「八方睨み鳳凰図」で有名なお寺です。



観光客がたくさん来るのでしょうね、券売機が妙に現代的です(笑)



この鳳凰図、本当は北斎自身が描いたものではない、という説があったりしてアレなんですが、
天井いっぱいに描かれた鳳凰は、迫力ありました。

キティもコラボ!





残り時間も少なくなってきたので、長野駅へ向かいました。

最後のミッションは、長野市内でゼッタイに行きたい!と思っていた喫茶店、ラランスルール。



入り口のドアを開けると、地下へ降りて行く階段が…



そこにはゴージャスな空間が!






元は高級クラブだったのを改装したお店なのだそうですが、「高級クラブ」の雰囲気、ありますよね。

お手洗いもレトロゴージャス!



可愛いシャンデリア




人気のパンケーキをいただきました。カルピスバターとクリーム、シロップが添えられています。



焼き菓子もたくさん。長野を訪れた際は、このゴージャス空間と美味しいお菓子を味わってみてください。おススメ!





…そんなこんなで、食べてばかりの信州旅行記になってしまいました(汗)

でも本当に、何を食べても美味しかったです。
長野県、初めて訪れましたが、好きになっちゃったかも。
キッカケを与えてくれた(?)芙美子さんに大感謝です。

というわけで、早くも次の信州旅行の予定を立てているところです。
まだまだ、食べますよ(爆)!

終り



芙美子に引かれて?善光寺参り⑦

2015年06月27日 | 旅行/長野(2015年4月)
塵表閣さんで泊まったのは、「二人静」というお部屋。



林芙美子が滞在した部屋…とのことですが、現在のお部屋はもちろん改装されたもの。
宿の方のお話では、部屋からの眺めと窓の外の合歓の木は、芙美子が滞在した頃と同じなんだそうです。







お部屋がなにやらいい香りがするーと思っていたら、練り香の箱が置いてありました。素敵!


…「一人」で泊まるのが、もったいないような、むなしいような(苦笑)、すばらしいお部屋です。

でも、私には広すぎて、なんだか落ち着かなかったです…(←貧乏症)

部屋のお風呂も温泉です。



ここでひとっ風呂浴びて、くつろいでいると、夕食の時間になりました。

仲居さんに案内されて、お食事処へ移動…



塵表閣さんのお食事は、すべて女将の手作り。
御献立表も、女将が描いてらっしゃいます。
この日の夕食は、こんなかんじ。



どれもこれも美味しく、かつ美しいお料理。うつわも素敵なものばかり。



いただいたお酒は「縁喜」、近くにある創業200年になる酒蔵・玉村本店さんのものです。

林芙美子のエッセイ『ある一頁』に、
「信州のえんぎという地酒も舌にリンと浸みてうまかった。」
とあって、是非味わってみたかったのです。
大吟醸、さらりとした味わいです。

玉村本店さんのビールやワインもあって、これもいただいてみたかったなあ。



りんごを食べ、モーツァルトを聴いて育ったという(!)信州牛のしゃぶしゃぶ、
おしょうゆのタレと、岩塩が添えられていました。
仲居さんのおススメで、岩塩を付けてみたら、お肉のうまみが引き立って、すごーーーく美味しかった!
結局、全部のお肉を岩塩で食べてしまいました(笑)

デザートの別腹も使えないくらい満腹!で、部屋に戻り、しばらく休んだら、また温泉へ。
…もちろんデザートは、お部屋に運んでいただいて、後でちゃんといただきましたよー(笑)

女湯…またしても貸切状態でした。




こちらは女性用露天風呂




他に誰もいなかったので、混浴露天風呂にも入ってみました。



湯河原の加満田さんの露天風呂もそうでしたが、笠がありました。
…雨や雪のときに、かぶるのかしら??


翌朝、もう一度温泉を堪能してからの朝食。



お味噌汁に使われているお味噌も、女将の手作りなんだそうです。


お料理は美味しいし、女将の細やかな心配りがすみずみまで行き届いた宿で、カップルで泊まるのはモチロンのこと、
仲良しの女子二人旅にもピッタリではないかな?と思いました。

ひとつ残念だったのは、「円実(つぶらみ)」が改装中で見学できなかったこと。
「円実」は、塵表閣さんにゆかりの文人墨客・政治家等に関する品々が展示されている展示室で、
林芙美子の書などもあるとのことだったので、楽しみにしていたのです(涙)
若女将のお話では、7月頃には改装が終わっている予定とのこと。またいつか訪れて、是非見学したいと思います!

(続く)

芙美子に引かれて?善光寺参り⑥

2015年06月21日 | 旅行/長野(2015年4月)
郷土食堂でお蕎麦を食べたら、この日のミッションはとりあえず完了でしたが、
湯田中の駅に宿からのお迎えが来るまで、まだまだ時間がありました。

喫茶・信濃路のマダムに、「小布施へ行って、ブラブラするといいわよ。」と言われていたので、
ちょっと行ってみることにしました。



小布施って、大人気の観光スポットなのに、意外にこじんまりしたホームの駅でした(笑)


小布施に来るならば、「北斎館」で北斎の肉筆画を堪能したい!と思っていたのですが、
「まだまだ時間がある」といっても、ゆっくり鑑賞するには時間が無さ過ぎたので、コチラを見学することに。


高井鴻山記念館



高井鴻山は、豪商でありながら画家、書家、思想家、文人として江戸末期一級の文化人であり、
小布施を訪れた葛飾北斎のパトロンだった人です。

彼が北斎のために建てたアトリエといわれる、碧漪軒







北斎の絵を鑑賞する時間はなくとも、スイーツを堪能する時間はあった…(笑)


小布施堂のモンブラン「朱雀」といえば、新栗の頃の限定品で、行列必須の品。
これもいつか食べてみたいと思っているのですが、系列レストランの傘風楼でアレンジ商品を出していたので、いただいてみました。

和栗のモンブラン朱雀・傘風楼アレンジ(御開帳期間限定)




…これはこれで美味しいモンブランでしたが、ますます本家の「朱雀」が気になってしまいました(笑)


湯田中駅へ戻り、宿のお迎えの車に乗って、上林温泉へ向かいました。


この日の宿は、「塵表閣本店」、明治34年創業の老舗旅館です。



疎開していた林芙美子が、角間温泉の前に滞在したのが上林温泉で、この塵表閣さんも彼女に所縁のある宿なのです。


角間温泉の「林芙美子文学館」は閉館してしまいましたが、所蔵されていた品々は「志賀高原ロマン美術館」に寄贈(?)された
という話で、美術館がすぐ近くだったので行ってみました。

志賀高原ロマン美術館





この時は、こんなかんじの展示でした。

学芸員の方に伺ったところ、確かに「林芙美子文学館」のものが収蔵されているそうなのですが、
それらの展示の予定はまだないとのこと。
現代アートの展示向きにできている美術館のように見受けられたので、展示はちょっと難しいのかな?
小さなスペースでもいいので、できれば常設で資料が見られるようになるといいのですが…


…さあ、宿へ戻り、夕食の前に温泉です!

(続く)




芙美子に引かれて?善光寺参り⑤

2015年06月20日 | 旅行/長野(2015年4月)
夕食後は、また3つのお風呂を堪能して、早めに就寝。

この晩は気温2度!と冷え込んだのですが、温泉で温まったおかげか、
朝までぐっすりと眠ることができました。

翌朝、5時頃に目が覚めて、早速お風呂へ(笑)
その後、朝食まで時間があったので、近くを散歩してみました。


児童公園も、お湯が出ていますよ(笑)



なにもないけれど(失礼)、いいところです。空気がすがすがしい!




宿から少し歩いたところに、「林芙美子文学館」がありました。



戦時中、角間温泉に疎開していた林芙美子が暮らした家に作られた資料館です。
貴重な初版本や、芙美子の使用した品々が展示されていたそうなのですが、2013年12月(?)に閉館。
…ここに来てみたくて、角間温泉をチェックしていたのに、遅かった!残念(涙)

越後屋さんの女将さんのお話では、管理されていた館長さんが亡くなったというのが、
閉館の大きな理由の一つのようです。
実際に芙美子にも会ったことがある方であり、熱い語り口で有名(?)だったので、芙美子についてのお話を
伺ってみたかったなあ…ご冥福をお祈りします。


朝食がすんで、チェックアウト。
女将さんに車で送っていただいて、渋温泉へ。



朝の温泉街は、人もまばらです。




渋温泉に、名物喫茶があるときいて、行ってみました。

喫茶・信濃路





マダムが一人できりもりされている喫茶店です。メニューはコーヒーのみ。
サービスで手作りのコーヒーゼリーをいただきました。

マダムは確か90歳近いお年だったかと思いますが、とってもお元気。
本当にコーヒーが好きで、「私が好きだから、ここでコーヒー出してるのよ」と。
「本物のコーヒーってのは、お客様から注文を受けてから豆を挽いて、ちゃんと淹れたものよ。
そこいらの、淹れておいたのを温めて出すようなのは、クソだわよ!」…と、なかなかハッキリものをおっしゃる方でした(笑)

お客は私一人で、ちょっと休憩のつもりでいたのに、お話好きのマダムと、お手伝いにみえている息子さんとのおしゃべりで、
結局一時間以上お邪魔してしまいました(苦笑)



マダム、いつまでもお元気で!

マダムに見送られ、信濃路をあとにして、渋温泉の散策へ…



渋温泉には、9つの外湯があって、それぞれ源泉や効能が違うのだとか。



温泉といえば(?)、射的。
ちょっとやってみたくなって、お店をのぞいてみましたが、誰もいません…
おむかいのお土産屋のお姉さんに、「もう少し先にも射的できるところあるわよ」と教えていただいたのが、
この↓面白屋さん。





面白屋、というだけあって、お店のお姉さんはトークが面白かったです(笑)
こんな昼間から射的をやろうなんて人はいないらしく、またしてもお客は私一人だったので、
お姉さんによるマンツーマンのご指導のもと、射的初体験にもかかわらず、商品ゲット!




渋温泉は味のある古い建物がたくさんあって、ブラブラ歩きが楽しいです。



「洋食と中華」だけじゃないメニューが気になります…




矢印の方へ行ってみた…



アメリカン風テキサス風がどんなか、確かめてみたいな。



湯田中駅まで歩き、長野電鉄に乗りました。



長野電鉄の車両に、小田急のロマンスカーが使われてるって本当だった!(なぜかちょっと感動)



信州中野駅で下車。



東京ではとっくに散ってしまった桜が、ここ信州ではちょうど満開。



信州中野駅から、徒歩20分ほどのところにある、「郷土(ごうど)食堂」でお昼です。





山野菜の天ざるに、笹ずし、そばがき


ここのお蕎麦は、富倉蕎麦という、オヤマボクチ(ヤマゴボウの一種)の繊維(?)をつなぎにしている珍しいものだそうで、
ただの蕎麦好きの私には、そのつなぎの違いっていうのがよくわからなかったのですが(汗)、美味しいお蕎麦でした。
天ぷらも、評判通りにサクサク!
そして、そばがき、初めて食べたのですが、あたたかくてフワフワで、とっても美味しかった!
笹ずしは、イメージしていたものと違っていましたが、素朴な味わい。

オナカいっぱいで大満足!
店員さんは感じが良いし、お客さんで賑わっているのにゆったりくつろげる雰囲気のお店で、また訪れたいと思いました。

(続く)