中央日報
【社説】鄭統一相・金正日総書記の面談、北核解決するだろうか
2005.06.17 18:57:15
6.15統一大祝典に出席するため平壌(ピョンヤン)入りした統一部・鄭東泳(チョン・ドンヨン)長官が昨日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長に、電撃的に会った。当初、不透明だった面談が実現されたことによって、金委員長がある種の戦略的決断を下したのではないか、との見方が出ている。
とりわけ、金委員長が「破局か、解決か」の最終段階に入った北核問題について、どんな立場を示したのかが非常に注目される。面談は、現政権に入って初めてのもので、北核問題を含めて韓国側の対北朝鮮政策の基調・方向が、北朝鮮最高指導者に直接伝えられた、との点から大きな意味がある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府がスタートした後、小康状態が続いていた南北(韓国・北朝鮮)関係は、1年前から悪化一路にあった。
昨年7月、韓国政府が金日成(キム・イルソン)死去10周忌訪朝団を不許可して以降、北朝鮮は韓国との対話チャンネルを完全に封鎖してしまった。大統領と統一部長官がそれぞれ「核が自衛の手段だという北朝鮮の主張には一理がある」、「脱北者問題でもって北朝鮮の体制を揺さぶるのは、われわれの政策ではない」というなど、いくら柔軟姿勢を示しても、効き目がなかった。
はなはだしきは、対北朝鮮送金事件に特別検察官制度を適用したことや大規模な脱北者を受け入れたことなど「10大・盧政権の反統一行跡」まで発表し、韓国側と対立した。そんな北朝鮮が面談を受け入れたのは、いったん盧政権を対話の相手に認める、との意志を示したもの、と受けとめられる。
鄭長官が、韓国の対北朝鮮・対外政策を主導する国家安全保障会議の常任委員長だとの点からもそうだ。面談を契機に、合意済みの閣僚級会談をはじめ各種の対話が、さらに実質的な形で行われ、南北間の緊張緩和がもう一歩進むことを期待したい。とりわけ、北朝鮮は、以前のようにとんでもない口実を作って対話を中断させる、という愚を避けてほしい。
2回目の核危機が浮き彫りになりはじめた02年10月以降初めて、北朝鮮の核問題をめぐる韓米政府の明確な立場が、金委員長に伝えられたことも意味深い。鄭長官は最近、韓米首脳会談で合意した▽北核の不許可▽平和的かつ外交的な解決の原則、という内容の真の意味を、金委員長にそのまま伝えた。とくに、北朝鮮が核を放棄すれば受けられる恩恵の詳細について説明した。
米国からは▽テロ支援国家リストからの削除▽戦略的物資輸出の許可▽全面的な経済交流を、韓国からは大規模な経済支援を、それぞれ行う内容となっているもようだ。 これについて、金委員長がどんな出方をしたのかは伝えられていない。しかし、そろそろ金委員長は韓米の説得を受け入れなければならない。核さえ放棄すれば、北朝鮮があれだけ願っている体制保障と大規模な経済支援が実現されるのに、ためらう理由がないだろう。
とりわけ、北朝鮮に与えられた時間はそれほど多くないという鄭長官の指摘に留意すべきだ。米国の忍耐がほぼ限界にきているからだ。金委員長は「民族連係」に触れたものとされる。だが、北朝鮮は今後、民族連係に対する認識や接近方法を変えなければならない。何よりも、民族の生存がかかっている核問題について、韓国側には振り向きもせず、米国とだけ取引したい、との姿勢を見せるのは正しい民族連係ではない。
これまで行ってきた韓米関係を重傷するような民族連係は、これ以上韓国側に通じない、との点に気付くべきだ。およそ60年間にわたる「主体(チェチェ)」と「北朝鮮の方式」が北朝鮮に与えたものは、疲弊した経済だけだとの点を韓国民はよく知っているからだ。
金委員長は、どうすることが南北住民の安寧と福祉のためのものかについて、本当に真剣に悩まなければならない。それは、いったん6カ国協議に復帰し、こう着状態に陥った核問題の解決に臨む決断を下すことである。それだけが、南北共存を担保する第一歩となる。
朝鮮日報
ソウル行き飛行機が発つ直前に行なわれた金・鄭面会
2005/06/17 20:24
鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が17日、平壌(ピョンヤン)で金正日(キム・ジョンイル)総書記に会った。
鄭長官が6.15南北共同宣言5周年記念行事の日程をすべて終え、ソウルに帰る直前に「面会決定」を通報してきたという。
金総書記が鄭長官に会ったこと自体は、今後の北朝鮮の韓国に対する態度が、これまでとは多少変わるのではないかと思わせるものだ。今月21日からソウルで開かれる南北長官級会議のムード作りにもプラスになるものと見られる。
しかし、問題はやはり核問題だ。金総書記と鄭長官の面会でどんな話がやり取りされたかを知るには、しばらく待たねばならないが、北朝鮮は今回の6.15記念行事のうち、核放棄によって韓半島の平和を守るという意志を見せるよりも、「わが民族同士」だけを強調するのに懸命だった。北朝鮮は「6.15記念日」を「わが民族同士の日」と名づけることを主張したほどだった。
そのため、この面会だけを取り上げ、北朝鮮の6か国協議や、ひいては核放棄の決断について安易に予測することはできない。
北朝鮮がいつものように芝居がかったやり方で演出した今回の金総書記と鄭長官の面会は、今後の核問題が交渉局面に入るにせよ、それとも危機が高まるにせよ、韓国を味方側に留まらせる狙いから見せた行動である可能性も少なくない。
北朝鮮が核兵器保有に固執する一方で、南北関係においては積極的に臨むという戦略で、韓国側の出方を試してみる可能性はいくらでもある。
こうした時、政府はいかなる場合でも核兵器は容認できないという基本原則を持ち、南北関係に望むべきだということを忘れてはならない。
一つ付け加えておくと、北朝鮮が世界の舞台に出てこようとするなら、もはや対南関係においても常識と国際的マナーを身につけてもいい頃ではないだろうか。
韓国の政府代表団に、面会について何の予告もせず、帰国直前にまるで「謁見を許すかのように」突然通報してくるというのは、民族の伝統的な作法にも反することだ。
それより眉をひそめさせるのは、金総書記に会いたいがため極度にそわそわし、面会の通報に慌てて駆けつけた政府代表団の態度ではあるが。
【社説】鄭統一相・金正日総書記の面談、北核解決するだろうか
2005.06.17 18:57:15
6.15統一大祝典に出席するため平壌(ピョンヤン)入りした統一部・鄭東泳(チョン・ドンヨン)長官が昨日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長に、電撃的に会った。当初、不透明だった面談が実現されたことによって、金委員長がある種の戦略的決断を下したのではないか、との見方が出ている。
とりわけ、金委員長が「破局か、解決か」の最終段階に入った北核問題について、どんな立場を示したのかが非常に注目される。面談は、現政権に入って初めてのもので、北核問題を含めて韓国側の対北朝鮮政策の基調・方向が、北朝鮮最高指導者に直接伝えられた、との点から大きな意味がある。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府がスタートした後、小康状態が続いていた南北(韓国・北朝鮮)関係は、1年前から悪化一路にあった。
昨年7月、韓国政府が金日成(キム・イルソン)死去10周忌訪朝団を不許可して以降、北朝鮮は韓国との対話チャンネルを完全に封鎖してしまった。大統領と統一部長官がそれぞれ「核が自衛の手段だという北朝鮮の主張には一理がある」、「脱北者問題でもって北朝鮮の体制を揺さぶるのは、われわれの政策ではない」というなど、いくら柔軟姿勢を示しても、効き目がなかった。
はなはだしきは、対北朝鮮送金事件に特別検察官制度を適用したことや大規模な脱北者を受け入れたことなど「10大・盧政権の反統一行跡」まで発表し、韓国側と対立した。そんな北朝鮮が面談を受け入れたのは、いったん盧政権を対話の相手に認める、との意志を示したもの、と受けとめられる。
鄭長官が、韓国の対北朝鮮・対外政策を主導する国家安全保障会議の常任委員長だとの点からもそうだ。面談を契機に、合意済みの閣僚級会談をはじめ各種の対話が、さらに実質的な形で行われ、南北間の緊張緩和がもう一歩進むことを期待したい。とりわけ、北朝鮮は、以前のようにとんでもない口実を作って対話を中断させる、という愚を避けてほしい。
2回目の核危機が浮き彫りになりはじめた02年10月以降初めて、北朝鮮の核問題をめぐる韓米政府の明確な立場が、金委員長に伝えられたことも意味深い。鄭長官は最近、韓米首脳会談で合意した▽北核の不許可▽平和的かつ外交的な解決の原則、という内容の真の意味を、金委員長にそのまま伝えた。とくに、北朝鮮が核を放棄すれば受けられる恩恵の詳細について説明した。
米国からは▽テロ支援国家リストからの削除▽戦略的物資輸出の許可▽全面的な経済交流を、韓国からは大規模な経済支援を、それぞれ行う内容となっているもようだ。 これについて、金委員長がどんな出方をしたのかは伝えられていない。しかし、そろそろ金委員長は韓米の説得を受け入れなければならない。核さえ放棄すれば、北朝鮮があれだけ願っている体制保障と大規模な経済支援が実現されるのに、ためらう理由がないだろう。
とりわけ、北朝鮮に与えられた時間はそれほど多くないという鄭長官の指摘に留意すべきだ。米国の忍耐がほぼ限界にきているからだ。金委員長は「民族連係」に触れたものとされる。だが、北朝鮮は今後、民族連係に対する認識や接近方法を変えなければならない。何よりも、民族の生存がかかっている核問題について、韓国側には振り向きもせず、米国とだけ取引したい、との姿勢を見せるのは正しい民族連係ではない。
これまで行ってきた韓米関係を重傷するような民族連係は、これ以上韓国側に通じない、との点に気付くべきだ。およそ60年間にわたる「主体(チェチェ)」と「北朝鮮の方式」が北朝鮮に与えたものは、疲弊した経済だけだとの点を韓国民はよく知っているからだ。
金委員長は、どうすることが南北住民の安寧と福祉のためのものかについて、本当に真剣に悩まなければならない。それは、いったん6カ国協議に復帰し、こう着状態に陥った核問題の解決に臨む決断を下すことである。それだけが、南北共存を担保する第一歩となる。
朝鮮日報
ソウル行き飛行機が発つ直前に行なわれた金・鄭面会
2005/06/17 20:24
鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が17日、平壌(ピョンヤン)で金正日(キム・ジョンイル)総書記に会った。
鄭長官が6.15南北共同宣言5周年記念行事の日程をすべて終え、ソウルに帰る直前に「面会決定」を通報してきたという。
金総書記が鄭長官に会ったこと自体は、今後の北朝鮮の韓国に対する態度が、これまでとは多少変わるのではないかと思わせるものだ。今月21日からソウルで開かれる南北長官級会議のムード作りにもプラスになるものと見られる。
しかし、問題はやはり核問題だ。金総書記と鄭長官の面会でどんな話がやり取りされたかを知るには、しばらく待たねばならないが、北朝鮮は今回の6.15記念行事のうち、核放棄によって韓半島の平和を守るという意志を見せるよりも、「わが民族同士」だけを強調するのに懸命だった。北朝鮮は「6.15記念日」を「わが民族同士の日」と名づけることを主張したほどだった。
そのため、この面会だけを取り上げ、北朝鮮の6か国協議や、ひいては核放棄の決断について安易に予測することはできない。
北朝鮮がいつものように芝居がかったやり方で演出した今回の金総書記と鄭長官の面会は、今後の核問題が交渉局面に入るにせよ、それとも危機が高まるにせよ、韓国を味方側に留まらせる狙いから見せた行動である可能性も少なくない。
北朝鮮が核兵器保有に固執する一方で、南北関係においては積極的に臨むという戦略で、韓国側の出方を試してみる可能性はいくらでもある。
こうした時、政府はいかなる場合でも核兵器は容認できないという基本原則を持ち、南北関係に望むべきだということを忘れてはならない。
一つ付け加えておくと、北朝鮮が世界の舞台に出てこようとするなら、もはや対南関係においても常識と国際的マナーを身につけてもいい頃ではないだろうか。
韓国の政府代表団に、面会について何の予告もせず、帰国直前にまるで「謁見を許すかのように」突然通報してくるというのは、民族の伝統的な作法にも反することだ。
それより眉をひそめさせるのは、金総書記に会いたいがため極度にそわそわし、面会の通報に慌てて駆けつけた政府代表団の態度ではあるが。