Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

ラムズフェルド、大野、シンガポール・スピーチ

2005-06-04 16:04:56 | 国際
毎日新聞 (追加記入)
在日米軍再編: 沖縄の負担軽減では日米に温度差
2005年6月5日 0時57分

 在日米軍再編問題の年内最終決着に向け、協議の加速を確認した4日の日米防衛首脳会談。しかし、北朝鮮情勢の緊迫化や中国の台頭に備え「抑止力の強化」を主張する米側に対し、一層の「沖縄の負担軽減」を求める日本側との温度差が鮮明になった。これまでの事務レベルの協議では普天間飛行場(沖縄県)の海兵隊へリ部隊を嘉手納基地(同)へ移設することなど再編案の骨格が固まっており、最終的には小泉純一郎首相とブッシュ大統領のトップレベルでの政治決断が「負担軽減」の行方を左右する。【シンガポール古本陽荘、ワシントン及川正也】

 ◇嘉手納・岩国基地の周辺住民にとっては負担増

 「沖縄を中心とする負担の軽減の問題が大事だ」。大野功統防衛庁長官はラムズフェルド国防長官との会談で、沖縄の基地負担が在日米軍再編にあたっての重要課題であることを訴えた。

 しかし、ラムズフェルド長官は「米軍による抑止力の維持も重要だ」と指摘し、米側が対北朝鮮・中国の抑止力を強化する拠点に在日米軍を位置づけていることを強調。さらに国内総生産(GDP)の3.2%を国防費に投入している米側の軍事負担の大きさに言及し、双方の認識の違いが明確になった。

 03年秋に米側が具体案を提示して始まった日米協議は、日本側が基地の再編に消極姿勢を取ったことに米側が強く反発し、いったんは暗礁に乗り上げた。昨秋、(1)共通戦略目標(2)役割・任務の分担(3)基地問題--の3段階で進める仕切り直しを図った経緯がある。

 米国が世界規模で進める米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)は技術革新による軍の軽量化・効率化を進めるもので、日本政府内には沖縄に駐留する海兵隊が削減されることへの期待感もあった。しかし、仕切り直し後の戦略協議で米側は対北朝鮮・中国の抑止力を強める姿勢を鮮明にし、日本側も北朝鮮の核開発や拉致問題で米国の圧力を必要としているため、日米の共通戦略目標は抑止力重視の内容になった。

 そこで日本側は朝鮮半島有事や日本有事を想定した役割・任務分担の協議で、自衛隊が米軍任務の一部を分担する代わりに基地負担の軽減を進めることを狙った。だが、米側は海兵隊などの兵力削減には難色を示しており、このままでは自衛隊と米軍の一体化ばかりが進んで負担軽減は置き去りにされる恐れもある。

 これまでの協議では特に「世界一危険な基地」と言われる普天間飛行場と、夜間発着訓練(NLP)の騒音問題を抱える厚木基地(神奈川県)に対象を絞り、普天間から嘉手納へのヘリ部隊移転や厚木から岩国基地(山口県)への空母艦載機移転などが固まった。

 日本政府はこれらを「目に見える負担軽減策」としてアピールしたい考えだが、在日米軍全体の削減にはつながらず、受け入れる嘉手納・岩国基地の周辺住民にとっては負担増となる。特に県内移設に反対する沖縄の理解をいかに得るか。今後、厳しい条件下での交渉を迫られることになり、最後は小泉純一郎首相の政治決断に委ねられる。

 ◇「中国警戒論」あらわの米側

 ラムズフェルド国防長官「中国を脅かす国などないのに、なぜ中国はこれほど軍事費を投じるのか」…

 崔天凱・中国外務省アジア局長「中国がどの国からも脅かされていないと、本気で考えているのか」…

 日米防衛首脳会談に先立って開催されたアジア安保会議。先陣を切ってスピーチした同長官が、軍事費を毎年10%前後伸ばし続け「軍近代化」を進める中国への警戒論をあらわにすれば、中国側がすかさず切り返し、会議は米中が冒頭から火花を散らす展開となった。

 米国の対中警戒論の背景にあるのは「米国に唯一挑戦しようとしているのが中国」(米外交筋)との見方だ。米国は近い将来、中国が最大のライバルになり、アジアの軍事バランスや中台問題に深刻な影響を与えることを警戒している。

 米国防総省は近く中国軍事力の年次報告を発表するが、同長官はそれを先取りする形で、中国の中長距離弾道ミサイル増強に触れた。その上で「中国の軍事費は公にされている額よりも多い。世界第3位、アジアでは最大の軍事予算と推定される」と強調、公然と軍拡路線に警鐘を鳴らした。対中警戒論をアジア全体の懸念として共有させる狙いがあったともいえる。

 北朝鮮の核問題に対する中国の取り組みが不十分だとの不満も対中警戒論を増幅させている。同長官は3日、記者団に「北朝鮮政策の見直しを進めている」と語ったが、見直しは対中政策にも及ぶ可能性がある。米軍が在韓米軍にF117ステルス攻撃機15機を派遣したのも北朝鮮と同時に中国向けの抑止力誇示という見方も出ている。

 中国への備えは、在日米軍再編にも連動する。米陸軍第1軍団司令部(米ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)移転について、日米軍事筋は「再編を進めている在韓米陸軍司令部の統合も視野に入れている」と指摘。国防総省関係者は「東アジアでの抑止力強化を意味するもの」と説明する。

 米軍はアジア太平洋全体での再編を進めており、装備のハイテク化により即応性を持たせることで、部隊を沖縄の外に後退させることは可能という。

 だが同時に「後退による中長期的な軍事影響力の低下」(同省筋)も考慮しており、沖縄の基地負担の軽減は対中抑止力とのバランスをどう取るかが決め手になりそうだ。

■日米安保と米軍再編をめぐる主な動き

96年 4月 沖縄県の米軍普天間飛行場返還で日米合意

    同月 日米安保共同宣言

   12月 沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)最終報告を日米が了承

99年12月 普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古沖移設を閣議決定

02年12月 日米安全保障協議委員会(2プラス2)で日米防衛体制見直しで合意

03年 2月 日米外務次官級戦略対話で在日米軍兵力構成協議開始で合意

03年11月 ブッシュ米大統領が海外駐留米軍再編の声明を発表

04年 6月 在韓米軍1万2500人削減を公表

05年 2月 2プラス2で共通戦略目標合意

    6月 日米防衛首脳会談


朝日新聞
米国防長官、中国の軍増強に懸念 アジア安保会議で演説
2005年06月04日10時56分

 ラムズフェルド米国防長官は4日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で演説し、昨年末に起きたスマトラ沖大地震・津波災害の際の米海軍による救援活動を「米軍変革(トランスフォーメーション)」の成果と強調。大量破壊兵器の拡散や海賊問題、自然災害など「共通の脅威」に向けた同様の変革を日本を含む域内の同盟・友好国軍に促す考えを示した。経済、政治両面での自由の重要性を強調し、北朝鮮の人権抑圧や核開発問題、中国の軍事力増強に懸念を示した。

 ラムズフェルド長官は、津波災害の際、米海軍の艦船がわずか5日でスマトラ沖に到着したことを挙げ「米国は、同様の軍変革を目指す各国軍との協力を重視する。軍変革は人道及び安全保障面での将来的な取り組みに寄与する」と述べた。

 域内各国とともに取り組む重要課題として、大量破壊兵器の拡散を防ぐ拡散防止構想(PSI)▽海賊や麻薬、人身売買を防ぐ海上安全保障構想▽日豪などと進めるミサイル防衛――などを挙げた。「人為的なものであれ、災害であれ、米国は支援する」と述べ、域内安全保障に継続的に関与する姿勢を示した。

 長官はブッシュ政権が掲げる自由と民主主義の拡大をアジア太平洋地域でも重視する姿勢を強調。朝鮮半島を「自由と圧制の相違が(南北で)これほど明白に示された場所はない」と述べ、北朝鮮による反対派の子孫に対する強制労働や脱北者の本国連れ戻しなどの人権侵害を批判した。また近く米国防総省が発表する中国の軍事戦略に関する年次報告書にふれ「軍事支出は公式に認めている額よりもかなり大きく、世界第3位。アジアでは最大の軍事国家と推定される」と述べた。


讀賣新聞
大量破壊兵器拡散阻止で国際協力を…大野防衛長官
2005年6月4日13時5分

 【シンガポール=小川聡】大野防衛長官は4日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議」(英国際戦略問題研究所主催)で講演した。

 ミサイル防衛や大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)の重要性を指摘した上で、「この地域における拡散を阻止するための国際的な努力が極めて重要だ」と強調。8月にシンガポールで予定されているPSIの国際共同訓練に、自衛隊の艦船と航空機を派遣する考えを表明した。

 大野長官は各国軍隊の役割について、<1>災害救援<2>海上の安全保障<3>人道復興支援――の3点が重要だと指摘。「日本は平和を愛する国というだけでなく、平和を支援する国として生まれ変わらなければならない」と述べ、国際協力に積極的に取り組む姿勢を強調した。アジア・太平洋地域の安全保障環境に関しては、「緊張緩和とはほど遠いところにある」とし、「北朝鮮の最近の核兵器保有宣言といった挑発的態度は、地域と国際社会の主要な不安定要因となっている」との見解を示した。


毎日新聞
アジア安保会議: 米国防長官、中国の軍拡に警戒感
 ◇大野・防衛庁長官、北朝鮮の協議復帰を促す

2005年6月4日 東京夕刊

 【シンガポール古本陽荘】 ラムズフェルド米国防長官は4日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議で演説し、中国の軍備拡大路線に強い警戒感を表明し、民主化を求めた。また、大野功統防衛庁長官は同会議で、核兵器保有宣言など最近の北朝鮮の動向が地域の不安定要因になっていると表明。日米防衛首脳は同日午後、焦点の在日米軍再編問題などについて協議する。

 ラムズフェルド長官は、国防総省が近く発表する中国軍事力に関する年次報告で、中国の国防費が公式発表を大幅に上回っていると結論づけたことを明らかにした。中国が軍事費増大やミサイル能力の向上、軍事技術の革新などを進め、軍事大国化していると指摘。特に中国のミサイルについて「アジア太平洋地域を越え、世界の多くの地域を標的にしている」と指摘し、「どの国も中国に対して脅威を与えていないのに、どうして軍事費に投資するのかという疑問がある」と述べた。

 中国の政治体制についても言及し、「いずれ中国政府は、中国国民が熱望する恩恵を達成するためには、開かれた代議制を受け入れる必要に迫られるだろう」と経済自由化に合わせて政治的な民主化を進める必要があると強調した。同長官の一連の「中国警戒」発言は、中国側の反発を呼びそうだ。

 また、北朝鮮については「多国間の枠組みは不可欠」として、6カ国協議への復帰を求めると同時に、中国にも働きかけを強めるよう呼びかけた。

 ◇拉致問題解決へ各国の協力要請

 一方、大野長官は最近の北朝鮮の挑発的な姿勢を例に挙げながら「北朝鮮の6カ国協議への即時無条件の復帰がアジア太平洋地域の最重要課題」と訴えた。

 日本人拉致事件についても「北朝鮮の不誠実な対応は重大懸念であり、日本国民の3分の2が経済制裁のような強硬路線を支持している」と強調し、関係諸国に解決に向けた協力を求めた。


産経新聞(共同配信)
中国の軍拡に強い懸念 米国防長官
2005年6月4日 13:41

 ラムズフェルド米国防長官は4日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議」で講演し、中国の軍事力拡大について「中国を脅かす国がないのに、なぜ(多額の)軍事支出が必要なのか」と述べ、強い懸念を表明した。同時に、北朝鮮の核開発問題の解決を目指す6カ国協議再開に向け、中国の役割に期待を示した。

 長官は「中国はその指導者が認識している以上に、軍事費を支出している。(その額は)世界3位で、(アジア太平洋)地域では1位だ」と指摘。さらに「ミサイル(の配備)を拡大し、世界のあらゆるところへ届くようにしている」と述べた。

 また、北朝鮮問題について「核に対する野心を持っているから、世界や地域を脅かす」と強調。その上で「(世界)各国は北朝鮮に6カ国協議に戻るよう促している。これに向けて中国からの貢献があり得る」と述べ、中国による説得工作が近く行われるとの見通しを示した。(共同)


毎日新聞
米国防長官: 年内に訪中の意向 就任以来初めて
2005年6月4日 11時41分

 【ワシントン及川正也】 ラムズフェルド米国防長官は3日、シンガポールに向かう機中で記者団に対し、年内に訪中する意向を明らかにした。曹剛川国防相らと会談する。秋以降で調整している。同長官の訪中は01年の就任以来初めて。国防総省が同日、会見内容を公表した。

 同長官は「中国は経済成長率とほぼ同じペースで軍事費を増やし、世界の主要な武器購入国で、多くの弾道ミサイルを配備している」と、中国の軍備増強に強い警戒感を表明。訪中では軍事費の透明性向上などを要求するとみられる。

ラムズフェルド、シンガポールでの発言

2005-06-04 11:30:52 | 国際
日本経済新聞
中国、急速に軍備増強・米国防長官が警告
2005年6月4日 00:40

 【シンガポール3日共同】AP通信によると、ラムズフェルド米国防長官は3日、中国は経済成長と同様に軍備も急速に増強し、ロシアなどから大量に武器を購入していると指摘した。シンガポールでのアジア安全保障会議に同行した記者団に話した。

 ラムズフェルド長官は「中国政府がより自由な政治、経済体制を認める機会を国民に与えないなら、恥ずべきことだ」と述べ、政治体制の自由化を訴えた。

 北朝鮮の核問題については、6カ国協議の再開を求める米政府の要求を繰り返すと話した。


The Wall Street Journal
China's Military Is Growing At Rapid Rate, Rumsfeld Says
Associated Press
June 3, 2005 1:57 p.m.


SINGAPORE -- China's military is growing as quickly as its economy and is a major buyer of weapons from Russia and other countries, Defense Secretary Donald H. Rumsfeld said Friday.

Mr. Rumsfeld also said China's "less free" political system needs to open up along with its economy. "It would be a shame for the people of China if their government did not provide the opportunities that freer economic and political systems permit," Mr. Rumsfeld told reporters traveling with him to Singapore for an Asian security conference.

Mr. Rumsfeld plans to meet with at least a half-dozen ministers from Asian countries at the conference, including key allies South Korea and Japan. He said they will discuss issues such as terrorism, the shifting U.S. military presence in the region and North Korea's nuclear weapons program.

The defense secretary said he wouldn't be offering any new initiatives on North Korea and will repeat Washington's calls for resumed six-nation talks on the issue. "Our policy is what it is, and it's well known," Mr. Rumsfeld said.

The six-way talks to persuade North Korea to give up its nukes broke off a year ago and new meetings have not been scheduled. Tensions have inched up in recent months amid U.S. suspicions North Korea may be preparing to test a nuclear bomb.

Mr. Rumsfeld wouldn't discuss whether the Pentagon is planning for military options if North Korea goes ahead with a nuclear test. Secretary of State Condoleezza Rice and other Bush administration officials have said they are worried such a test could set off a nuclear arms race in Asia.

North Korea has condemned a U.S. plan to send 15 F-117A Nighthawk stealth fighters to South Korea. The Pentagon said last week the move was part of a long-planned training exercise. Also last week, Washington suspended its program to search for Korean War dead in North Korea, saying the situation there was too dangerous for the American search teams.

Statements from the north's official Korea Central News Agency have been in conflict this week. North Korea first called Vice President Dick Cheney a "bloodthirsty beast" in response to his telling CNN that North Korean leader Kim Jong Il was irresponsible and oppressive. Then North Korea offered rare praise of President Bush for referring to Mr. Kim as "Mister" during a news conference.

Pyongyang announced it had nuclear weapons earlier this year during the lull in talks among the U.S., China, Russia, Japan, South Korea and North Korea. U.S. officials say they believe North Korea may have as many as six nuclear bombs. North Korean missiles can reach South Korea, Japan and parts of China and the Russian Far East.

Mr. Rumsfeld said he was encouraged by a recent thaw in the military relationship between major Asian powers India and China. "I think it's important for countries in the region to have good relations with each other -- military, political, economic," Mr. Rumsfeld said.

訳詩鑑賞『ルバイヤート』(21)

2005-06-04 05:38:47 | 文学
Edward Fitzgerald "Rubáiyát of Omar Khayyám"
矢野峰人訳 『四行詩集』から





   第四十一歌


「有」「無」や「上」「下」のけじめこそ

われもたやすく定めたれ、

知らんと乞ひしもののうち

酒の秘儀のみきはめ得し。




       41

For "IS" and "IS-NOT" though with Rule and Line,
And "UP-AND-DOWN" without I could define,
I yet in all I only cared to know,
Was never deep in anything but―Wine.



   第四十二歌


またさきつ日のゆふまぐれ

ひそかに酒屋おとづれし

天使が肩に載せたるは

美祿に盛れる甕なりき。




       42

And lately, by the Tavern Door agape,
Came stealing through the Dusk an Angel Shape
Bearing a Vessel on his Shoulder; and
He bid me taste of it; and 'twas―the Grape!

韓国漁船事件、韓国海上警察30名表彰

2005-06-04 03:20:51 | 国際
朝鮮日報
韓日の「海上対峙」が39時間ぶり解決 
2005/06/02 17:50

 韓日警備艇が蔚山(ウルサン)の沖合いで韓国の小型漁船「シンプン」号を間に挟んで展開した海上対峙という異常事態が、両国政府の交渉により、2日午後5時に解決された。

 韓国海警の警備艇6隻と日本巡視艇7隻の計13隻が蔚山・カンジョル岬の南東22マイルの海上でにらみ合いを始めてから39時間ぶりだ。

 日本側が撤収する代わりに、韓国側は日本側の排他的経済水域(EEZ)を侵犯した事実と、立ち入り検査を忌避し、日本巡視艇の職員を乗せたまま、逃走した事実を認めた。

 シンプン号はこれによる責任として、事実を認める書類と日本法令違反担保金50万円(約480万ウォン)支給の保証書を作成し、日本側に伝達した。

 韓国海警は「50万円の違反担保金は不法操業とは関係なく、立ち入り検査のための停船命令に応じず、逃走したことに対して科された」とし、「その部分に対しては日本の管轄権を認めた」とした。

 海警は船員9人全員をシンプン号に乗せ、蔚山港から帰ってきて、不法操業の有無について調査する予定だ。取調べと裁判、処罰はすべて韓国の裁判所と政府が行う。

 政府当局者は「2日未明まで、日本海上保安庁が合意に強く反対していたが、この日午前、日本政府の上部が妥結を促したと聞いている」と述べた。

蔚山=金学贊(キム・ハクチャン)記者chani@chosun.com
権大烈(クォン・デヨル)記者>dykwon@chosun.com


中央日報
韓日海上対峙事件…よどむ韓日関係「災い転じて福となす」か
2005.06.03 09:50:04

よどみ続ける韓日関係が「シンプン号事件」で正常化の契機をつかむことができるのかという慎重な意見が提起されている。

深刻な対峙(たいじ)状況が続いていた1日午前の段階でも「対立状態の両国関係に致命打になるのではないか」という憂慮があちこちで提起されていた。

日本の外務省、谷内正太郎事務次官の韓米関係発言で一度はしかにかかりそうになった。しかしこの日午後、状況は変わり始めたのだ。

外交部当局者は「話を交わすと両側とも『ここでさらに悪化すれば韓日関係は回復不能状態に陥る』と自然に危機感を共有していた」とし「以後、希望を持って本格交渉に突入できる」と述べた。

このとき日本外務省のナンバー2である逢沢一郎外務副大臣が訪韓し、この日午後、潘基文(パン・キムン)外交部長官を礼訪することになっていた。2人は予定されていた30分という面談時間を軽く超え、2時間近く頭を突き合わせたまま解決策を模索した。そして「両側が1歩ずつ譲歩し、最大限早く事態を解決する」という大原則に合意した。

その後、夜、両国外交部当局者間の交渉がつながった。電話とファクスを随時やり取りし、具体的解決法を調整していった。

盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も2日午前「相互主権と理解を尊重しながら合理的に解決し、交渉過程で感情的に対立しないように管理せよ」とし、交渉チームを激励した。

小泉純一郎首相も「対話を通じてよく協議するよう指示した」と回答した。

ある当局者は「最近、一連の事態で感情が傷ついた両国外交実務ラインが、今回の機会を通じ、正常に再稼働された点でも意義を見出せる」と話している。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は「海上対峙が両国国民感情を刺激するかと憂慮していたが、円満に解決して何よりだ」と述べた。

しかし安心してばかりはいられない。すぐにもシンプン号船主が日本側に支払うことにした違反担保金50万円の処理問題も、今後の実務交渉によってまた新たな火種になる素地は充分だ。日本側がシンプン号船主と船長らに対し欠席裁判を強行する可能性も排除できない。


朝鮮日報
【韓日の海上対峙】蔚山海警30人を表彰へ
2005/06/03 18:07

 今月1日から蔚山(ウルサン)の沖合いで2日間にわたって展開された韓日警備艇の対峙事態と関連し、蔚山海警所属の警察官20人と機動隊 10人の計30人が、海洋警察庁長の表彰を受ける。

 蔚山海警は3日、「事態の初期、蔚山海警警備艇の速やかな対応により、韓国漁民と船を守ることができた。また、韓日間の長期間にわたる海上対置の状況の中、国の自尊心を守った功労を認め海洋警察庁長が表彰者選定を指示した」と明らかにした。

 海洋警察で、1か所から30人がいっぺんに表彰を受けることは異例のことだ。

 李承栽(イ・スンジェ)海洋警察庁長は今月8日、蔚山海警を訪れ職員らを激励し、直接表彰状を渡す予定だ。


産経新聞(共同配信)
警告弾発射は「過剰対応」 韓国海洋警察が批判
2005年6月3日 23:22

 長崎県・対馬沖で起きた韓国漁船「シンプン」の逃走事件で、韓国海洋警察庁は3日、日本の海上保安庁の巡視船が警告弾を発射したことについて「過剰対応」と批判した。船員らは追跡された恐怖を韓国メディアに語り、国内の一部では日本の取り締まりに対する反発も出ている。

 海洋警察は同日、シンプンの船内を実況見分。立ち会った船員は、甲板にあったはずの警告弾の薬きょうが日本側と言い争いをしている間になくなったとして、日本側が隠したのではないかと証言した。KBSテレビは、船員が日本の海上保安官に殴打された際にできたとする傷口を示した。

 検分後、蔚山海洋警察庁の情報課長は「漁船が違法操業をしていなかったのは明らかだ」とし「単純な停船違反に約10発も発射したことは過剰対応だ」と述べた。

 さらに「韓国が中国漁船を追跡する時には、攻撃はしない」とし、巡視船の追突などによって生じたシンプン号の破損は「約2000万ウォン(約210万円)」と算出、日本側に損害賠償を請求する考えを示した。

 一方、韓国の外交通商省高官は3日、長崎県・対馬沖の韓国漁船逃走事件について「合理的で円満に収拾されて幸いだった」と述べ、日韓両国の合意成立による解決を評価した。(共同)


毎日新聞
韓国漁船: 海保の対応に書面で抗議へ 韓国海洋警察庁
2005年6月4日 3時38分

 【ソウル堀山明子】聯合ニュースによると、長崎県対馬沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で韓国漁船「シンプン」が対馬海上保安部の検査を拒否して逃走した事件で、韓国海洋警察庁は3日、海保の対応について「行き過ぎた取り締まりだ」と書面で抗議する方針を明らかにした。

 海洋警察庁は、昨年6月に開かれた日韓の海上治安機関長会議で、日韓漁業協定に違反した相手国漁船を発見した場合、無理な追跡・拿捕(だほ)よりも相互通報で対応していく方針で一致したにもかかわらず、日本側がこれに反する対応を取ったと主張している。

 また、連合ニュースによると、海洋警察はこの日、シンプンの実況見分を行った。立ち会った船員は、海保の巡視艇「たつぐも」が空砲射撃を行ったと話した。シンプンの船長や乗組員は暴行で負傷したとして海保を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こす考えを示した。船主も船体損傷で2000万ウオン(約213万円)相当の損害が生じたと提訴する方針を明らかにした。