この季節、気ノ森を歩けば頭は蜘蛛の巣だらけになります。
寒々しい坊主頭に絡みつく蜘蛛の糸をはらうため、
自ずと立ち止まった視線の先に・・・、
小さな命の証しが在りました。

盛夏から中秋にかけて度重なった雨風や、先日の台風でさえ、
吹き飛ばすことも打ち落とすことも出来ません。
季節外れの蝉の抜け殻に、ふと感じるものを覚え、
虚心に立ち尽くすうち、静々と足元の地面から聴こえてきたのは、
微細にして不思議な調べ。
おそらくは、地中深くに潜んで静かに命を養いながら、
羽化を待つ何千という蝉の幼虫が、地上を夢見て歌う、
かそけき合唱と察します。



父が好きだったキンモクセイ

私の嗅覚を通して楽しんでくれるといいなぁ・・・
などと思っておりましたら、にわか雨。

秋は、梅雨の頃よりも雨量が多いそうで、
雨宿りに駆け込んだ先には先客がいらっしゃいました。
僕も使わせて頂いていいですか?とお尋ねしたところ、

“ しかたないニャア・・・すこしだけニャ ”
うつろい ~ キンモクセイの章 ~




寒々しい坊主頭に絡みつく蜘蛛の糸をはらうため、
自ずと立ち止まった視線の先に・・・、
小さな命の証しが在りました。

盛夏から中秋にかけて度重なった雨風や、先日の台風でさえ、
吹き飛ばすことも打ち落とすことも出来ません。
季節外れの蝉の抜け殻に、ふと感じるものを覚え、
虚心に立ち尽くすうち、静々と足元の地面から聴こえてきたのは、
微細にして不思議な調べ。
おそらくは、地中深くに潜んで静かに命を養いながら、
羽化を待つ何千という蝉の幼虫が、地上を夢見て歌う、
かそけき合唱と察します。



父が好きだったキンモクセイ

私の嗅覚を通して楽しんでくれるといいなぁ・・・
などと思っておりましたら、にわか雨。

秋は、梅雨の頃よりも雨量が多いそうで、
雨宿りに駆け込んだ先には先客がいらっしゃいました。
僕も使わせて頂いていいですか?とお尋ねしたところ、

“ しかたないニャア・・・すこしだけニャ ”
うつろい ~ キンモクセイの章 ~



