メディアによる洗脳を容易にする、「主語が要らない日本語」

最近時事ネタが続いていたので、
ここで少し違うタイプのお話をしてみたいと思います。

日本で様々な抜本的な改革が進まない理由の１つに、
多くの日本人がメディアの流す画一的な情報や自主規制を見抜けない、
つまりメディアのバイアスを見抜けない、という点があると思います。
（だからそうではない一部の日本人が、ネットの情報に頼らざるを得なくなるのでしょう）

なぜそうなるのか、簡単な答えはありませんが、
その手がかりになり得るポイントを考えてみようと思います。


英語で何か意見を言う場合、最初に主語をつけなければならないですよね。

“I think …”
“He says…”

つまり、その意見を「誰が」言ったかが重要な訳で、
それをごまかすのは困難です。
一方日本語ではどうでしょう。

「～らしいよ。」
「～みたいだよ。」

このように述語だけで会話できます。
しかも上のような発言に対し、「誰が言ったの？」と質問すると、

「みんな言ってた。」
「一般論としてね。」

などという答えが多いのも日本人の会話の特徴です。

これが、マスコミでも使われています。
NEWS23の筑紫哲也氏などは、最後をよくこう結んでいました。

「～ではないでしょうか。」
「～と言わざるを得ません。」

視聴者としては、その意見が誰の意見なのかを常に考え、
あくまでキャスター、もしくはTBS報道部の個人的な意見であるということを、
強く認識する必要があります。

しかしあの一見紳士的で、年齢を積んだ筑紫氏が
あのように誰の意見とも言わずに、
さも世の中の「普遍的な真理」であるかのような雰囲気で言えば、
「神様」か何かの声のように聞こえてしまう危険性が非常に高いのです。
神様の声は個人的な意見ではなく、「必ず正しいもの」という強制力が働きます。

まして他人からの反論を恐れ、
自分の意見をなるべく言わないのが美徳とされる日本人の中で、
このように「神様の声」が最初にあれば、
それに反論することは許されない空気が醸造されます。

このようにして日本では、その言語、国民性から、
マスコミの影響力が極端に大きくなりがちで、
洗脳される人たちが続出してしまうのだと思います。

それもあって私は、日本ではメディアこそが最高権力者だと考える訳です。