07年大木・10年ツバメ+2017年大木調査

10年前の大木は420本。12年前の巣は420個。さて今回は?

11月11日京都御苑・糺(ただす)の森・植樹100年後の森観察会

2007-11-11 23:47:13 | 活動報告
目的
 吹田操車場跡地に木を植え「21世紀の森を作ろう」と提案しているが、100年後の森をイメージするため、植樹された年がわかっている場所での3回シリーズ観察会を計画、第3回は100年後の森、京都御所及び糺の森(下賀茂神社鎮守の森)とした。
 京都御苑は明治2年の東京遷都後、御所及び公家屋敷の跡が荒廃した状況を見た明治天皇が、明治10年に御所周辺の旧観維持を希望され、皇室苑地として整備されたものです。徳川時代から残っている樹齢数百年の木があるものの、大部分は明治10年以降に植えられた木で、植樹後100年強の木が中心となっている。
 一方、糺の森は流鏑馬神事など有名な下賀茂神社の鎮守の森、下賀茂神社は1500年以上の歴史があるが、糺の森は一部を除いてシイ・カシが少なく、エノキ・ムクノキ・ケヤキなど落葉広葉樹中心で、森というよりは明るい林で大きな木も少なく、故湯川秀樹博士が散策されていた所でもある。
この両方の森、そして今までに見た万博・橿原神宮とあわせ、吹田操車場跡地をどうすればよいか、考える材料としたい。

内容 ①京都御苑の観察
・苑内に大木が多く、植樹100年後の大木を実感することができた。
・吹田の大木レベルは幹周り2mぎりぎりの木が中心であるが、ここでは2m前後は小さい木、環境省による巨木レベル3m以上も多く、4m~5mの木も目についた。3m以上の巨木のみを調査しても100本を越えるのでないかと思われた。
・何本か幹周りを測定したが、皇宮警察前梅林のエノキは502cmであった。
・関大クスノキに良く似た枝分れした木で恒例の全員写真、今回も木にのぼる人が(5人も)いて良い記念になった。
(枝の間に隠れている人がいます。わかりますか。)


・苑内に珍木も多く、「桜松」の愛称で呼ばれている木は、枯れて空洞となった松の木に桜(ヤマザクラ)が芽吹き、空洞の中で成長していたが、枯れ松が倒れた結果、横に長く広がり、所々から桜の枝が出ている不思議な木であり、ここでも全員写真をとった。

・珍木②は、木の栄養分を運ぶ導管が木の皮の直下にあることを実証していた桜の木。主幹が枯れ空洞、幹周りの三分の一程度のみ樹皮が残っていたが、2m高の所から新枝が伸びていた。幹がないので、何本もの補助木で支えられていたが、新枝への水分・栄養補給は良いようで元気であった。
他にも、エノキとオガタマノキ、エノキとムクノキなど、違う種が同じ木と思われるほどくっついた木もあちこちにあった。
・また、クロマツ・アカマツ・クスノキには、大木にもかかわらず地上から木の枝先に触ることのできた木が多かった。これは植樹当時から間隔をあけて植えられ、枝が横へ伸びることができた結果と推定される。

②糺の森の観察
・糺の森はケヤキ・ムクノキ・エノキの3種中心で、紅葉が始まっている明るい林は、明るく気持ちの良い林であった。
・京都御苑と違って自然林であることから木々が競合し、樹高の高い木が多かった。
・神社周辺のシイノキがまとまってあり、スダジイ・ツブラジイ両種の実が砂利の上に落ちていて、同時に拾うことができた。全員参加のシイの実拾いは、一見ハトのえさ探しのような情景となった。


③今日のまとめ  13名の参加者全員に今日の感想をお聞きした。
・初参加の方からは、木の種類が色々あることなどを知りよかったなど、自然を実感してもらうことができたようである。
・操車場跡地コンペに案を作って出したい。市の関係者や市議会議員などに現地を見せたい。一般の人が希望されるのは京都御所タイプだろうが、糺の森タイプの森を作りたい。などなど、それぞれ各人の感ずる所が多かったようで、今後の発展が期待される。