07年大木・10年ツバメ+2017年大木調査

10年前の大木は420本。12年前の巣は420個。さて今回は?

【樹木の話】日本で一番古いメタセコイアの幹周り

2007-06-01 23:46:15 | 余禄
【樹木の話】日本で一番古いメタセコイアの幹周り
【場  所】大阪市大植物園内(大阪府交野市私市2000)
【月  日】07年6月1日
【状  況】
①5月31日、他団体の行事で交野市にある大阪市大植物園へ行ってきた。
 ここには、1950年に植樹のメタセコイアがあり、下記のように紹介されている。
②メタセコイアは当園の元園長、三木茂博士によって1941年に化石をもとに記載された新属の植物で、絶滅したと考えられていた。
 「メタ」は「後の」という意味で、メタセコイアは「新しいセコイア」という意味である。その後1946年、中国四川省で生きた個体が見つかり、新種として発表され、一躍「生きた化石」として有名になった。
 第2次世界大戦が終了後、アメリカは調査隊を出し、種子を採取することに成功した。この種子はアメリカに持ち帰られ、たくさんの苗が作られた。
 このうち3本の苗が日本に贈られ、吹上御所に定植され、更に翌年(1950年)に日本に新たに100本の苗が贈られ、そのうちの1本が当園に寄贈され、現在も大切に育てられている。
 大阪市大植物園では、この一番古いメタセコイアの周囲に何本かメタセコイアが植裁されているが、それらはこの古いメタセコイアから挿し木で増やしたものである。

③吹田市の大木調査では幹周り2m以上の大木の中にメタセコイアが多数あり、太い木では幹周り240cm~260cmと測定されたものもある。
 大阪市大植物園では、
・1950年とわかっている日本で最も古いメタセコイアは220cm
・近くにある幾分太いメタセコイアは230cm  でした。
 植樹されている場所は、一番古いメタセコイアが林の中、より太いメタセコイアは林の最外部にある。

④吹田にあるメタセコイアの生年はわからないが、千里ニュータウン内の公園・緑地や万博公園が整備された時期から推定すると1960年以降であり、大阪市大植物園のメタセコイアより10年以上は若いと思われる。

⑤大木調査をしていると、
・同じ場所に植えられていても幹周りが20 ~30cmも異なる木がある
・並木のように木が直列に並んでいると、両端の木が大きい
・公園の広場のように1本のみの木は太い
・雑木林の中に大きな木が少ない、
などが経験的にわかりつつある。林の中にある木は、他の木との競合から幹周りよりも樹高にエネルギーを使っているため、太くなれないのだろうと推定している。

⑥大阪市大植物園にある日本で一番古いメタセコイアの幹周りが以外に細いこと、その子どもの方が親より太いこと、しかも吹田市にはもっと太い木あることなどから、木の太さは生年月日だけでなく、生育環境が大きく影響していることを確認することとなった。