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『薄暮』(試写会バーション)

2019-05-27 01:29:24 | 映画日記
#薄暮 #劇場アニメ #6月21日全国ロードショー
『薄暮』の試写会に行ってきた。
最初にプロデューサーと監督の挨拶。というか謝罪だな。
僕はcampfireのパトロンとしてこの映画に出資した。だから、この謝罪が行われたわけだ。

作品は全く完成していなかった。

監督の山本寛さんいわく「半分ぐらいが色を塗られていない状態で、さらにその半分の半分ぐらいは絵コンテのままだ」
と説明があった。作品を見るとたしかにそのとおりで、色がついている部分も(例えばバイオリンの弓毛がただの板だったり)違和感が残ったままだった。
「大画面で見るラッシュ」と笑い半分で仰っていたが、まさにそのとおりだ。
『ガンドレス』の状態だった。

とてもいい作品だと思った。
舞台は福島県いわき市。東日本大震災で被災し、復興した後の街の話だ。
音楽部でバイオリンを演奏する高校一年生の女の子。
他校で美術部に所属し被写体を探している男の子。
彼女たちは出会った。
当たり前はすぐに失くなる。それを残したいと彼は言う。そのために絵を描くのだ、と。
彼女はそんな彼に惹かれていく。
そして、ラストは―。

僕はすごくいい作品だと思った。
はっきり言ってしまうが、彼らは被爆者でその第一世代になる。
その事実は段々と薄まり、日常の中で気にならなくなる。だから、彼女らは普通に生き普通に恋をする。でも、それは当たり前ではない。
2人が肩寄せあいバスに乗るシーンで、なんでもないシーンなのに涙が出た。当たり前はすぐに失くなる。それを綺麗に描いている。
端々におふざけが入っているけれど。それもくさくっていい。
ぜひ完成作品を観たいと思った。パトロンになってよかったなと。

「作品の納期を守れないということはプロ失格。人に厳しいことを言ってきたから自分も甘えることは出来ない。この『薄暮』は私の最後の作品。監督業を廃業します」と山本監督は言った。
たしかに出資者に失礼な状態な作品で拍手は出来なかった。

この国では責任のとり方は、職を辞するということだ。
でも、と思う。
納期を守れないのはプロとして失格。そのとおりだ。でも、誰かに必要とされているなら、今回のパトロンの人たちのように期待されているなら、仕事を捨てるというのもプロ失格だと思う。
だから続けていくべきなんじゃないかな、監督を。ハルヒ、らき☆すた、とな作品を作ってきた手腕はあるわけだし。



なんにしても、本公開が楽しみだ。


2019年05月26日のつぶやき

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