MARUMUSHI

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『少女』。

2016-10-20 23:55:50 | 映画日記
#映画少女

『少女』を観てきた。

ミステリーという位置づけやけども、少女たちの心の機微をとらえた作品。

誰かが死ぬところを見たい。
この欲求は男女関係なく、思春期の頃に襲ってくる衝動なんじゃないだろうかと思う。
でも、少年よりも少女の方が、よりその欲求はリアルに近い。
誰かが死ぬところを見る。それは自分がギリギリまで死に近づくという事だ。誰かの死を見ることで、自分が生きていることを実感する。下衆な考え方だけれど、真だと思う。
でも、眼前に本物の死が広がると、大抵はうろたえ、腰を抜かし、叫び声を上げる。死が己を侵食してくるから。

因果応報。
全ての物事は繋がり、自分の行いは自分に返ってくる。
そんな時に甘言として“死”が提供されれば、人は容易にそちらに足を向ける。
では、雌伏の時を過ごしたものにそれなりの報いがあるかといえば、そんなわけでもない、と思う。
問題は支払った時間、金などに釣り合った報いを欲するかどうかなのだ。

作中の少女たちは、自分が壊れるギリギリまで追い込まれ、自分を追い込み、そこでほんの少しだけ大人になる。本当の友達が隣にいるから自分がいるということに気付く。

少女が少女でいられる時間はごくわずかだ。
何を得て、何を捨てるのかは少女たちしだいだ。
その時間は誰にも侵せないサンクチュアリ。

それが、少女。








本田翼のあの眼で見下されたいわー。
そして、山本美月の憐憫の眼で見られたいわー。