情報セキュリティ対策技術と特許の微妙な関係 - 武田圭史
カーネギーメロン大学日本校の武田先生のBlogより。
1つ気になった点として……
例えばIPDL(特許電子図書館)の初心者向け検索(特許・実用新案)にてアンチウイルスベンダーの1社である「トレンドマイクロ」をキーに検索すると、7件引っかかります。その中で、明らかに件名だけでアンチウイルス系の特許と分かるモノを挙げると……
特許公表2001-515625:クライアント・サーバシステムにおけるウイルス検出
特許公表2001-508564:マクロ中のウイルスの検出および除去のためのシステム、装置および方法
特許公表2000-517440:電子メールウイルスの検出および除去のための装置および方法
……辺りですかね。
どうも特許の事について勘違いされている部分もあるかと思われますが……
特許は出願したからと言って、必ずしも認められるとは限らない(新規性が無ければ特許としては認められない)
仮に出願したとしても、多くのケースは出願を取り止めてしまう(理由は後述)
仮に認められたとしても、絶対パテント料を要求されるとは限らない(例として、QRコード(特許第2938338号:デンソーウェーブが特許を保有)のケースとか)
……という事を念頭に置いた上で特許の事は語らないといけないでしょう。
2番目の「出願したとしても、多くのケースは出願を取りやめてしまう」について、これは「同業他社に先に特許を取得されてパテント料を要求されてしまう事を防ぐための経営戦略の一環」が理由に挙げられます。
これは「特許出願は必ず公知でない技術に対してのみ有効である」事を逆手にとり、出願→公開(※)のプロセスを経る事でワザと公知な技術にしてしまい、ライバル会社に特許を取らせないようにしてしまう事をしている訳です。
この辺のお話は弁理士さんに聞くと結構面白い話を聞けたりしますので、興味のある方は1度話を聞いてみるのは如何でしょうか?
(実は上記のお話も、弁理士さんに聞いて知った事だったりします。)
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(※)出願した特許情報は、必ず出願後1年6ヶ月後に公開されます。
カーネギーメロン大学日本校の武田先生のBlogより。
1つ気になった点として……
今後、様々な企業がセキュリティ対策について特許を出願しその権利を行使するような時代が来るとなると、情報セキュリティ対策の普及や研究活動にも制約が及んでくることになるかもしれない。例えばあるウィルスを検知・駆除するための技術について特許出願が行われ、他の企業がそのウィルスを検知・駆除するために特許使用料を支払わなければならないというような事態が起こるのだろうか?(あるいは実際に起こっている?)……とありますが、既にアンチウイルス系の特許は出願されていたりしますよ。
(「情報セキュリティ対策技術と特許の微妙な関係(武田圭史)」より引用)
例えばIPDL(特許電子図書館)の初心者向け検索(特許・実用新案)にてアンチウイルスベンダーの1社である「トレンドマイクロ」をキーに検索すると、7件引っかかります。その中で、明らかに件名だけでアンチウイルス系の特許と分かるモノを挙げると……
特許公表2001-515625:クライアント・サーバシステムにおけるウイルス検出
特許公表2001-508564:マクロ中のウイルスの検出および除去のためのシステム、装置および方法
特許公表2000-517440:電子メールウイルスの検出および除去のための装置および方法
……辺りですかね。
どうも特許の事について勘違いされている部分もあるかと思われますが……
……という事を念頭に置いた上で特許の事は語らないといけないでしょう。
2番目の「出願したとしても、多くのケースは出願を取りやめてしまう」について、これは「同業他社に先に特許を取得されてパテント料を要求されてしまう事を防ぐための経営戦略の一環」が理由に挙げられます。
これは「特許出願は必ず公知でない技術に対してのみ有効である」事を逆手にとり、出願→公開(※)のプロセスを経る事でワザと公知な技術にしてしまい、ライバル会社に特許を取らせないようにしてしまう事をしている訳です。
この辺のお話は弁理士さんに聞くと結構面白い話を聞けたりしますので、興味のある方は1度話を聞いてみるのは如何でしょうか?
(実は上記のお話も、弁理士さんに聞いて知った事だったりします。)
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(※)出願した特許情報は、必ず出願後1年6ヶ月後に公開されます。