馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

テキサスの奇跡(その1)

2005年01月04日 | アメリカ南部バスケットボール巡礼の旅
アメリカに来て約1年半の間に、かれこれ20近くのNBAの試合を見に行った。これだけ沢山行くと、時には奇跡とも呼べる幸運が訪れるものである。

例のごとく1時間半前に会場入りし、席で選手のシューティングを眺めていると、かわいいパツキンの係員が私に近づいてきて、こう言うではないか。

「ハーフタイムのゲームに参加してみない?」

断る理由なぞ何も無い。何ならそのまま君と2人きりでゲームを続けても構わないくらいだ。即座にOK。第2クオーター残り8分に指定の場所まで来るようにという指示とさわやかな微笑みを残して、彼女は去っていった。突然動悸が高まり緊張が襲う。夢にまで見たコートに立てるのだ。おそらく今期NBAのコートに立てた日本人は田臥と俺くらいなものだろう。体調をベストに持っていくため、飲み物をビールからソフトドリンクに換えて時間を待つ。

時間になり指定の場所に向かうと、僕以外にも数名のファンがそわそわしながら係員の到着を待っていた。僕はその時点でも一体何のゲームをやるのか理解していなかったので彼らに聞いてみたが、なんだ、彼らもよく分かっていない。まあ何とかなるだろう。

係員に連れられて、関係者以外立入禁止エリアへ。道すがら我々の緊張を解そうと、彼女はいろいろな裏話を披露してくれた。以下はその一部。
  ・彼女が最初に出会った選手はヤオミン。振り向いたら目の前にお尻があったそう。
   彼は"Extremely shy"(それって単に英語が苦手なんじゃない?)だと。

  ・T-Macは女好きらしく、すれ違うたびに"Hey girl"と流し目を使ってくるらしい。
   「でも私はフットボールプレイヤーの方が好きなんだけど」だって。

コート脇に到着しスタンバイ。そこでやっとゲームの内容を理解する。"Let's make a deal"と呼ばれるゲーム。数十ドル分のGift Certificate、もしくは宝物の入った幾つかの箱の中から一つを選ぶ権利、どちらかを取るという単純なもの。箱の中身は高価なものから、それこそバナナ一本なんていうもの(「金券取っておけばよかった」というオチ)まで。

いよいよ待ちに待ったハーフタイムになり、係員にくっ付いてぞろぞろとコートへ向かう。コートからは以外にはっきりファンの顔が見えるものだ。かみさんがカメラを構えているのがはっきりと見えた。自分がビジョンに写っていることを確認し嬉しくなる。

一人目はサイン入りボール、二人目はゴルフプレー券をゲット。期待に胸が膨らみますな。三人目はなんと金券を選択。全くゲームの趣旨を分かってない奴だ。四人目は選手のバブルヘッドを三つだった。

そしていよいよ自分の番が来た。MCは毎回同じ質問を繰り返す。「さて、君には二つの選択肢がある。一つはこの金券100ドル分。ロケッツグッツも買えるし、食事もできるし、ビールを飲んでもいいぜ。もう一つは残りの3つの箱の中から1つを選ぶこと。そういえばまだ一等はでてなかったな。。。」聞くまでないぜ。俺はショーって奴を理解しているつもりだ。自分の結婚式の2次会でも裸になった男だぜ。ここで金券を選んで会場を盛り下げるようなことは間違ってもしない。

迷わずに箱を選択。残っていた一番大きな箱を選ぶと、中には封筒が一つ。おっと、チケットか?おいおい、こっちは明日にはサンアントニオに向かうんだ。予定を変更する訳にはいかないな。これって買い取ってくれるのかな。。。何てことを考えながら封筒の中身を開くと、中の紙切れに、"Clutch Noogie"の文字が。

一体それが何を意味しているのか全く分からない。

会場からは失笑が。何となく嫌な予感が。。。足音が近づいてくるので振り向くと、そこには、RocketsのマスコットであるClutch君が俺に向かって猛ダッシュしてくるではないか!とっさのことで何のリアクションも取れない俺の頭を掴み、ヘッドロックをかますと、奴は俺の髪の毛を猛烈な勢いで掻きむしり始める。遠のく意識の向こうで巻き起こる爆笑の渦。(写真は、"Clutch Noogie"の紙を手に、Clutch君にもみくちゃにされる筆者がビジョンに写ったところ)

ここで"Noogie"の意味が分からなかった方、一緒にお勉強しましょう。
"Noogie"
【名-1】 こぶしで軽く小突くこと◆愛情表現の一種
【名-2】 キス、ペッティング、抱擁{ほうよう}    (アルク 英辞郎より)
もちろん僕がやられたのは【名-1】の方。もしヒューストンもしくは他のフランチャイズでハーフタイムショーに選ばれ、同じく「○○ Noogie」のくじを引いてしまった方、足音のする方向に体を向けたら、すかさずスピアーか稲妻レッグラリアートをかまして下さい。

結局ババくじを引いたのを僕だけ。しかし、芸人なら喉から手が出るほど欲しい、このおいしすぎるオチに大満足。パツキンの彼女に礼を言って帰ると、後で彼女はお土産にRocketのTシャツをわざわざ持って来てくれた。ありがとう!

という訳で、正直前半は気もそぞろだったのとゲームの準備とで、殆ど試合を見られていない。。。ゲームの分析はまた今度!

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