馬鹿バスケ

Brooklyn Comets(ABA)でのアシスタントコーチを終えて、今はNYでスタッツいじり。

"One Last Shot for Reggie" from SI

2005年04月24日 | 日々是バスケ
先日のホーム最終戦でのReggieお別れセレモニーは実に感動的であった。"I have been blessed to be a Pacer, and a Hoosier"のセリフに涙したインディアナ州民は少なくないはず。今日は、4月18日号のSports Illustrated誌に掲載された"One Last Shot for Reggie”という記事が非常に興味深かったので、簡単にご紹介(この記事は4月8日のWashington Wizardsとの試合後に書かれたもの)。


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レジーはいつも3時間前に会場入りし、がら空きのコンセコでシューティングをする。この日記者がシューティングの一部を数えた限りでは、なんとフリースロー36本中35本、3ポイント42本中35本を決めたそう(ちなみにこの記者、レジーがくぐり抜けたスクリーンの数まで試合中に数えたそうで、その数は実に56!)。

昨年の一試合平均10.0点に比べて、今年はここまで14.6点を上げ、且つフリスロー成功率は93.6%でリーグ1位である。しかし最も重要なのは、オールスターJermaine O'Nealが3月3日に肩を負傷してから、一試合平均21.2点を上げていること。

ミラーの復活はペイサーズにとってこれ以上無いタイミングだった。出場停止と度重なる怪我で、ペイサーズはここまで延べ396人(試合)を欠き、28回異なったスタメンを組むことを強いられた。それでもこれだけの成績をあげている理由として、次の3つが挙げられる。Dales Davisの加入、Rick CarlisleのCoaching、そしてミラーのLeadership。

CarlisleはCoach of the Yearにも名前が挙がっているが、彼はそんな称賛を遠慮して曰く
"Any success that I'm having comes back to one guy, and that's Reggie Miller.”
3月の対戦でレジーに39得点を喰らって敗れたレイカーズの監督、Frank Hamblenも、レジーを称えて
"When you can score your age in this league, it's not time to quit."

レジー自身はそんなシーズンを振り返って、"This is probably the funnest (season) I've had."と評する。
"We've had makeshift lineups all year, and we found ways to hang around, hang around. Now we've found ways to win ball games against playoff-caliber team."

18年間のキャリア全てをインディアナでプレイしたミラー。これほどチームと街に結び付けられて認められた選手はいなかったし、逆にその街からこれ程まで愛された選手もいない。
"The signs are what I appreciate the most. For a nine- or 10-year-old to go to a craft store and put in all that effort, that means a lot. I do see all the signs, I want people to know that."
スーパースターの方がファンに気付いている(逆ではなくて)って、想像できるだろうか?

そもそもミラーはインディアナポリスの街に愛されていた訳ではなかった。87年に11位でドラフトされた時、地元の英雄Steve Alford(現Iowa大学監督)を期待していたファンは容赦の無いブーイングを浴びせた。痩せて骨ばった体格で、ちょっとぎこちないフォームの若僧。しかし88年にレジーと対戦したCarlisleには、何かが見えていたらしい。
"He was treating garbage time like it was the NBA Finals."

やがてミラーが、残り時間僅かという場面での大活躍でPacersを強豪にのし上げて行ったのは誰もが知るところだが、彼が本当に凄いのは、コート外でも非常にプロフェッショナルで献身的である、というところ。練習に遅れない、練習を休まない、コーチに反論しない。。。GMのDonnie Walsh曰く、
"Everything I wanted the franchise to stand for, he represents."

そんなプロフェッショナリズムには、レジーが欠かさない試合前のルーティンも含まれる。対戦相手のビデオを同じ時間に同じ手にリモコンを持って見る、などなど。中には非常に変わっているものもあって、それは試合開始8分前に始まる。まずレジーがMedia Relations DirectorであるDavid Bennerに歩み寄ると、Bennerはペプシを(前の試合で負けていたらSpriteを)レジーに渡す。レジーが一口すすった後で、Bennerはレジーをからかいながら叱り付ける。するとレジーは応酬する。顔を近づけ、指を差しながら、彼の髪型から服からその日の選曲まで(この時にからかってはいけないのが、彼の奥さんと犬のこと)をこき下ろす。こんな風変わりなルーティンに、本当に喧嘩しているのではと勘違いするファンも多いという。

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ざっとこんな感じ。かなり意訳してますし、面倒臭いのでセリフの引用も訳してません。Spike Leeに対する態度なんかを見て、昔はCockyで嫌な奴だというイメージしか持っていませんでしたが、こうして記事を読んでみると、改めて今では少なくなった真のプロフェッショナルなんだと気付きます。いよいよ今日からプレイオフ。一試合でもレジーに長くプレイしてもらえるように、Pacersには頑張ってもらいたいものです。

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