都会で暮らすこと~by Match Box~

東京で暮らしていて、思ったことを勝手気ままに書いています。(by まっちばこ/JK1FBA/能登尚彦)

山岳部での非常通信を考える

2009年09月29日 22時22分07秒 | 一般
エクセリさんの社長ブログを読んでいて思ったことを書きます。

山岳部(クラブの意味じゃないですよ)での非常通信の方法というのは現在では限られた方法しかないようですよね。

特に最近では中・高年歩きがブームで、結構、高地まで気軽に登山される方が多いようです。最近では北海道の大雪山系のトムラウシ山での遭難事故など、痛ましいことがありました。何かエマージェンシーを発することが可能であればもう少し被害を最小限に食い止めることができたかもしれません。

今は携帯電話がかなりの場所で使えるようになってはいますが、高地になればなるほど見通しが良すぎてうまく中継局を捉まえることができず、うまく通話が出来ないことが多いようです。実際、ワタシがよく行く伊豆の天城高原のホテル(標高900m)では部屋がリゾートタウン側でないほう(つまり富士山が見えて、平塚や沼津まで見えてしまうようなロケーション)ではなかなかうまく電話がつながりません。リゾートタウン側は簡易基地局があるために迷いなくその基地局を捉まえるようです。また、富士山のように異常なほどに人が登る山は夏場だけ登山道や山頂に簡易基地局を設置しているようです。
でも、こんなことはどこの山でもできることではありません。

イリジウム電話がいいというお話がありましたけれど、山岳でエマージェンシーの状態になったときだけGPSデータを捕捉して位置情報を発信するだけの送信機をレンタルで借りて持っていき、下山したら返すというようなサービスはできないものでしょうか。感覚的にはマリンVHFの16chのようなものです。

当然、相当に頑強に作らなくてはいけないと思います。一回や2回岩場に落としたって大丈夫、防水であることも当然です。いざというときだけ送信するわけですからバッテリーもメンテナンスさえしっかりやっておけば寿命の問題はありません。

ただ、これを実現するためには地方自治体や警察でその通報を必ず受信できる体制にしておくことができるということが大前提です。

現代版のノロシみたいなものでしょうか。

アマチュア無線にもAPRSという位置情報や気象情報、メッセージのやりとりができるシステムというものがボランティアで構築されています。日本国内はおろか世界の情報を得ることができます。これだとアマチュア無線の固定局を誰かが四六時中聞いている必要はありません。(APRSはスタンダードのVX-8とGPSユニットなどを組み合わせて、APRSのサーバーに参加の登録をお願いすればそれでできます。)

今のところD-STARのGPSについては受信している局が非常に少なく実用性に乏しいのが実体です。

ただひとつの障害は非常通信を前提にアマチュア無線局を開局するということが目的外通信になってしまうという、法の壁があります。

私自身としてはこの法律をもう少しゆるくしてくれないかと思うのが正直なところです。