TOKI : LOG

LOGGYと竹坊の物見遊山

旧岩崎邸庭園撞球室特別ガイドツアー ー後編ー

2014-06-10 | 建築散歩
旧岩崎邸ガイドツアーの続きです。


洋館、和館の見学が終わり、いよいよ待望の地下室へと向かう。
残念ながらここも撮影禁止の為、拙いながらも文章でご紹介。

地下室への入口は洋館の通用口(ステンドグラスのある扉)傍の階段からだ。
スリッパをはいて1人ずつゆっくりと下りていく。
地下室はとても広く、通路の左右にたくさんの部屋があった。
洋式トイレやボイラー室、厨房跡等、時が止まった空間に
建築資材や家具などが無造作に置かれている。
さすがに扉や壁はかなり傷んでおり、廃墟探検の様相だ。
地下室の最後に訪れたのが赤煉瓦が剥き出しになった部屋。
小菅収監所で作られた煉瓦だそうで、イギリス積みで組まれている。
木造の洋館も地下は煉瓦で頑丈に造られていたわけだ。

さて、続いて地下通路へと進んでいく。
幸い園内にこの通路の写真が掲示されていたので、
ここではその写真を引用する。

途中、天井と壁に明かり取りがある。
これらは地上庭園のサンルーム横に一見わからないように作られていた。

また、通路入口脇にはコンクリでふさがれたもう1つの通路らしき壁があり、
係の方の話ではかつては不忍池まで続く通路があったらしい。

地下通路を抜けると撞球室内の階段に出る。
ここにも花壇脇に明かり取りがある。

撞球室内部(庭から撮影)。

設計者コンドルによるとこの建物はスイス山小屋風だという。
天井はキングポストトラスと呼ばれ、シンプルな装飾が施されている。
岩崎久彌はあまりビリヤードが好きではなかったという話もあり、
大正時代以降、この部屋は図書室として使用されていたらしい。

以上でガイドツアーは無事終了したのだが、
第二次世界大戦後GHQに接収された頃の話題も出たので補足しておく。

GHQ情報部門統括将校としてキャノン少佐という人物が参加。
占領政策を行う上での情報収集のため、キャノンを首領とする組織を密かに作らせた。
旧岩崎邸(本郷ハウス)に本部を構えたキャノンは26人のメンバーを組織、
日本人工作員組織も傘下においていた。
主に北朝鮮情報の収集やソ連のスパイ摘発などに当たっていたという。(以上ウィキペディアより抜粋)

キャノン少佐は洋館2階の婦人客室を自室として使用し、窓から庭のヒマラヤ杉を銃撃したり、
自室の壁に発砲したりの傍若無人ぶりだったそうで、つい最近まで婦人客室内に弾痕が
残っていたという。さらにこのキャノン少佐には良からぬ噂もあるようだが、
美しい洋館にふさわしくない黒歴史のようなのでここまでにしておこう。

ちなみにGHQから返還後は聖公会が撞球室をチャペルとして使用。
その後は最高裁判所司法研修所として使用されたそうだ。

さて、LOGGYは旧岩崎邸に隣接する国立近現代資料館も見学。



この資料館には建築好きにはたまらない有名建築家の設計図面等が多々保管・展示されている。

コルビジェ作 旧東急文化会館(渋谷パンテオン)向け緞帳


坂倉準三資料・神奈川県立近代美術館

吉阪隆正+U研究室資料・大学セミナーハウス

展示室と裏庭の様子


最後にこの資料館から眺める旧岩崎邸もご紹介。



梅雨明けにまたゆっくりと訪れたいと思ったLOGGYである。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。